FXトルコリラで失敗しないための対策とスワップポイント比較
公開日:2017年10月1日 10:30
最終更新日:2020年12月2日
トルコリラはスワップポイント(金利差損益)が高いと日本人トレーダーから注目を集めている。プラスのスワップポイントを高く見込めることだけではなく、歴史的最安値圏で推移しており、「これ以上下がらないだろう」という思惑から買う人もいるだろう。
トルコリラのスワップポイントを狙う上でのメリット・デメリットから、スワップポイントが高いFX会社の比較まで、詳しく見ていこう。
FXトルコリラで失敗しないための4つの対策
トルコリラは近年人気を集めているが、無茶な取引をして失敗する例も散見される。トルコリラのFXで失敗しないための対策を4つ紹介する。
スワップポイントに期待しすぎない
トルコリラのスワップポイントは魅力的だが、その金額に期待しすぎてはいけない。例えば1か月で○○万円ももらえた、というスワップポイントの検証の中には、ハイレバレッジで価格の下落リスクを無視したケースも見られる。
こうした検証を過信せず、堅実な運用計画を模索するようにしたい。
近年は価格が下落していることも把握
トルコリラの価格はここ数年緩やかに下落している。2015年の年初は1トルコリラ=50円ほどだったのが、2020年の年初は1トルコリラ=20円前後まで下落。
トルコリラのスワップポイントが高くとも、価格の下落による損失までは簡単にカバーできない。長期でトルコリラの運用をするなら、価格が今後も下落する可能性を織り込んだ資金管理が必要となる。
ゴールは価格が上昇したとき
中長期でトルコリラの投資で成功するためには、スワップポイントだけではなく、価格上昇による利益が不可欠だろう。価格が上昇する前にギブアップするような運用計画では損を抱えて退場する可能性が高くなる。
トルコリラで取引する場合、レバレッジ2~3倍で資金に余裕を持たせた取引を心掛けるようにしたい。
スワップポイントが変動してもいいようにFX口座は複数保有
スワップポイントは、FX会社の意向で変更できる。今はスワップポイントを高く提供しているが、今後経営状況により、スワップポイントを改悪する可能性もある。
そうしたリスクに対処するひとつの方法として、トルコリラの取引用のFX口座を複数保有することも検討できる。数年単位の長期で運用を計画するなら、いくつかのFX会社に口座を開設しておく方法もあるだろう。
トルコリラを取引する上で押さえておきたい要素
ドルや日本円に比べ、トルコリラは価格に影響するニュースを入手しづらいが、最低限注目しておきたい要素を紹介する。また、今後の見通しに関する記事も掲載。
トルコリラの価格に影響を与える4項目
【トルコリラの価格に影響する4項目】
- トルコの政策金利
- トルコのGDP
- シリア情勢
- トルコのインフレ状況
トルコリラ円の価格は、ドル円価格も影響するが、トルコ国内の経済や金利なども影響する。トルコリラを取引するなら、こうした点も気に留めておきたい。
トルコのGDPやインフレ状況など、今はどう?
トルコの政策金利やGDP、シリア情勢等に関しては、トルコ出身エコノミストのエミン・ユルマズさんにインタビューした記事がある。過去の記事からも、これまでのトルコの状況を知ることができるので、参考にしてほしい。
【トルコリラ見通しに関する記事】
トルコリラを扱うFX会社の比較ポイント
トルコリラを扱うFX会社を選ぶ際に、注目しておきたいポイントをいくつかピックアップした。
【トルコリラ運用におけるFX会社の注目ポイント(例)】
- 3か月など中長期でスワップポイント実績の高いFX会社
- 少額から取引できる会社
- スプレッドなど取引コストに関して
- 未決済ポジションのスワップポイントを引き出せるか
3か月など中長期でスワップポイント実績の高いFX会社
スワップポイントはFX会社のHPなどから、3か月や6か月といった中長期の実績を確認したほうがいいだろう。スワップポイントは日々変動し、1日の実績が良かったから今後もそのまま続くとは限らない。
FX会社のHPには直近の実績がわかるスワップポイントカレンダーを掲載しているところがほとんどで、中には過去数か月の実績を見られるFX会社もある。
1000通貨などの少額から取引できる会社
1000通貨といった少額で取引できる会社は、10000通貨で取引できる会社に比べ、用意する資金の調整が行いやすい。スワップポイントを狙うFXの場合、1度に大量の通貨量を保有するよりは少しずつ買い増す方が購入価格を分散できる可能性もあり、少額で取引できる会社ならそうしたことも実践しやすいだろう。
スプレッドなど取引コストに関して
トルコリラのスワップポイントを狙う取引では、スプレッド(売値と買値の差)などの取引コストは大きく気にする必要はないかもしれない。月に1回もしくはそれ以上間隔をあけて取引することも考えられ、その場合取引回数を重ねると気になるスプレッドは大きく注意する必要はないとも考えられる。
未決済ポジションのスワップポイントを引き出せるか
スワップポイントをポジション未決済でも引き出せるかどうか、を気にする人もいるだろう。トルコリラ円を安く買えて、ポジションに含み益がある場合、まだトルコリラの価格は上がりそうと考え、買いポジションをキープしたまま、スワップポイントだけを引き出すといった戦略もある。
トルコリラを取引できるFX会社を比較・厳選
FX会社10社の「トルコリラスワップポイント比較表」と、参考までにトルコリラが取引できる会社を5社厳選した。
トルコリラ円のスワップポイント比較表
トルコリラ円を10000通貨保有した際のスワップポイントをFX会社別に比較する。買いスワップポイントと売りのスワップポイント両方を掲載。売りのスワップポイントは、短期的にトルコリラ円のショート(売り取引)を検討するときに参考となるだろう。
※(図表はスクロール可能)
会社名 |
トルコリラ円買いスワップポイント(1日あたり) | トルコリラ円売りスワップポイント(1日あたり) |
トレイダーズ証券 (LIGHT FX) |
25円 | -25円 |
インヴァスト証券 (トライオートFX) |
20円 | -45円 |
アイネット証券 (ループイフダン) |
25円 | -105円 |
GMOクリック証券 (くりっく365) |
30円 | -30円 |
外為オンライン |
20円 | -125円 |
ヒロセ通商 |
26円 | -56円 |
SBI FXトレード |
24円 | -29円 |
マネーパートナーズ (パートナーズFX) |
15円 | -49円 |
外為どっとコム |
22円 | -52円 |
GMOクリック証券 (FXネオ) |
22円 | -25円 |
※2020年12月2日、各会社のHPより調査
トレイダーズ証券(LIGHT FX)

スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで直近1か月分確認可能 | 〇 | × |
スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで直近1か月分確認可能 | 〇 | × |
トルコリラ円のスワップポイントを高い水準で提供するトレイダーズ証券の「LIGHT FX」。その他の高金利通貨ペアでも高水準のスワップポイントを提供していることが特徴。トルコリラ以外にもメキシコペソや南アフリカランドといった高金利通貨も取引できる。
取引コストに関してもドル円0.2銭、ユーロ円0.4銭と低スプレッドの環境を提供しており、頻繁に売買をする裁量FX用のFX会社としても活用できる。
インヴァスト証券(トライオートFX)

スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで直近3か月分確認可能 | 〇 | × |
スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで直近3か月分確認可能 | 〇 | × |
インヴァスト証券の「トライオートFX」はトルコリラ円のスワップポイントは高い水準で提供しているが、トライオートFXの強みは自動売買サービスにある。トライオートFXで「売買差益+スワップポイント」を狙うことも可能。
トライオートFXの「自動売買セレクト」のツールには、「スワッパー_トルコリラ/円」という名称で、自動売買の設定が用意されているので、興味がある人はこちらを運用の参考にすることもできる。
インヴァスト証券の自動売買サービスやその他スペックに関しては、下記詳細記事より。
ヒロセ通商

スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで2008年以降の分すべて確認可能 | 〇 | × |
スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで2008年以降の分すべて確認可能 | 〇 | × |
高金利通貨ペア全般に力を入れている「ヒロセ通商」。2019年のトルコリラ円スワップポイントは月平均2546円と高水準であった。他にもメキシコペソ円や南アフリカランド円といったその他高金利通貨でも高スワップポイントを提供していた。ヒロセ通商は2008年以降のスワップポイントカレンダーを全通貨チェックできるので取引前の参考にもなるだろう。
ヒロセ通商は取扱い通貨ペアが50種類と豊富で、取引量に応じて食品がもらえるキャンペーンも頻繁に開催している。低スプレッド環境や「スキャルピングOK」を公言するなど、短期トレーダー向けのサービスを充実させている。
アイネット証券(ループイフダン)

スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで直近2か月分確認可能 | 〇 | 〇 |
スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで直近2か月分確認可能 | 〇 | 〇 |
アイネット証券が提供する「ループイフダン」もトルコリラのスワップポイントと売買差益を両方狙うことができる。自動売買のループイフダンでトルコリラを取引する場合、取引通貨ペアにトルコリラ円を選び、「買い」を選んで、利食い幅を設定することで運用はスタート。
自動売買のループイフダンに関する詳細は下記記事を参照。
SBI FXトレード

スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで2016年12月分以降すべて確認可能 | 〇 | 〇 |
スワップポイントカレンダー | ポジション未決済でのスワップポイント引き出し | ポジション未決済ならスワップポイントは非課税 |
HPで2016年12月分以降すべて確認可能 | 〇 | 〇 |
「SBI FXトレード」もトルコリラ円のスワップポイントに力を入れており、大きな特徴としては、1通貨からでも取引できること。また、「積立FX」というサービスも提供しており、定期的に「トルコリラ円を買う」ことをFX会社に任せられる。
トルコリラ円のスワップポイントカレンダーは2016年12月以降からすべて閲覧でき、2018年は月平均2839円、2019年は月平均2334円で推移していたなどをチェックできる。SBI FXトレードは低スプレッドにも注力しており、主要通貨のスプレッドは業界最狭水準で、短期裁量取引向けの口座としても利用できる。
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