FX自動売買おすすめ通貨ペア 選び方の基準と投資家の秘訣も紹介
公開日:2018年3月19日 10:00
最終更新日:2020年9月3日
発注系・リピート系の自動売買においては、通貨ペア選びも運用の成否に関連する。ここでは、FX自動売買の「狙い目」通貨ペアと通貨ペアを選ぶ基準を紹介する。また、最後には自動売買トレーダーの通貨ペア選びの参考意見も掲載する。
FX自動売買の取引通貨ペア「おすすめの基準」は?
発注系・リピート系の自動売買で「狙い目」となる通貨ペアは2つの基準で選ぶことができる。
【中長期運用向け】レンジ相場が数年続いている通貨ペア

(画像はトライオートFXのチャート、クリックすると拡大)
数年単位の中長期で発注系・リピート系の自動売買を運用するなら、レンジ相場が長く続いてる通貨ペアが検討できる。例えば上記画像でドル円の価格推移を観察すると、2016年以降は、1ドル=約100~120円に収まっていることがわかる。
こうした「価格変動の幅」が長い間、一定の幅で収まっていた通貨ペアの場合、今後もその価格幅で推移するなら、自動売買を仕掛けやすい。中長期の自動売買を行う場合、このような観点で通貨ペアを絞り込むことができる。通貨ペアの価格推移を確認するときは、必ず月足などの長期チャートで5年以上は確認しておこう。
【短期運用向け】トレンドが出ている通貨ペア

(画像はループイフダンのチャート、クリックすると拡大)
短期的に自動売買を運用する場合は、トレンドが出ている通貨ペアを狙うことができる。例えば豪ドル円は2018頃の1豪ドル=80円台から2020年の3月には1豪ドル=60円台まで下落している。ここで自動売買を仕掛けた場合、何度も取引するため、売りポジションを1つ保有するよりも効率的に利益を狙えた。
豪ドル円以外でも3か月程度で、上昇・下落のトレンドが現れている通貨ペアなら、自動売買で狙える通貨ペアとなる。ただし、トレンドが終わったとき、または終わりそうなときに、自動売買をストップさせる必要がある。そのままほったらかしにして、相場が思惑と逆に向かえば、損失が膨らむため、短期で自動売買を運用する場合は、相場転換点を見極める能力も求められるので注意しておこう。
FX自動売買の「狙い目」通貨ペアを厳選
先ほど紹介した通貨ペアの選考基準をもとに、狙い目通貨ペアを紹介する。ただし紹介する通貨ペアは2020年9月3日時点であり、あくまで通貨ペア選びの参考情報なので、実際に取引する場合は、必ず相場の状況をチェックした上で運用するかどうかの検討をするように。
また、自動売買の設定に関しては、「FX自動売買の設定を決める方法と過去実績の良い設定の使い方」も参考に。
レンジ相場の通貨ペア
【レンジ相場の通貨ペア】
- ドル円(USD/JPY)
- 豪ドルNZドル(AUD/NZD)
レンジ相場の通貨ペアはドル円と豪ドルNZドルがピックアップできる。今後もレンジ相場で続くかはわからないが、ここ数年はレンジ相場を描いている。
ドル円の状況
ドル円は2020年3月のコロナショック以降、1ドル=105円を大きく割らないものの、日足や週足で見ると、上値を切り下げてきている。2016年のトランプ大統領誕生から推移してきたメインのレンジをまだ外れていないが、9月のレーバーデー以降、ドル円が力強く反発できるかどうかには注目したい。また、米大統領選が近づくにつれ、別の波乱があるかもしれないので、リスク管理には十分注意したい。
>ドル円で中長期の自動売買運用ができるFX会社をピックアップ
豪ドルNZドルの状況

(画像はトライオートFXのチャート、クリックすると拡大)
オーストラリアとニュージーランドの通貨で構成される「豪ドルNZドル」は、裁量取引では取引されにくい通貨ペアだろう。
オセアニア地域の両国は、どちらかの通貨ペアが極端に高くなる・安くなることが2014年以降は見られず、レンジ相場で推移していた。2020年3月にレンジの下限近くまで下落したが、4月に入ると反発し、8月に入るとさらに価格を戻した。
コロナショック以降も2014年からのレンジ幅で推移しており、現在はレンジ上限付近まで上昇している。豪ドルやNZドルも共に堅調な値動きをしており、豪ドルNZドルもここ数年のレンジ下限を簡単に下回ることは予想しづらい。資金管理には注意しながら、取引を検討することも可能だろう。
>豪ドルNZドルで中長期の自動売買運用ができるFX会社をピックアップ
トレンド相場の通貨ペア
【トレンド相場の通貨ペア】
- ユーロドル(EUR/USD)
- ポンドドル(GBP/USD)
- 豪ドル米ドル(AUD/USD)
- 米ドルカナダドル(USD/CAD)
夏に入りドル安・ドル高の影響が各通貨に見られた。ユーロドルやポンドドル、豪ドル米ドルは3月のコロナ・ショック以降、堅調に推移しており、6月は上昇の勢いが低下したものの、7月に入ると上昇は再開した。9月7日のレーバーデー以降、海外勢が本格的に市場へ戻ったとき、どういった動きをするのか注目したい。
また、米ドルカナダドルも7月に入ってから、米ドル安・カナダドル高が続き、下落トレンドで推移した。他のドルストレート通貨でも顕著にドル安が見られた夏の相場であった。今後もドル安を狙うなら、ドルストレートの通貨の方がドル安の影響が見えやすいので、クロス円よりも取引しやすいかもしれない。
トレンド相場を狙う場合は、反対の動きをするようならすぐ撤退するなどの「辞め時」を運用前に必ず決めておくことが重要なので、1ユーロ=○○ドル以下になったら一旦損切りする、という設定を戦略に組み込んでおくように。
9月以降になると、欧米は新学期を迎え、年末にかけて相場にトレンドが現れやすくなったことは過去にもあった。トレンド相場を短期的に狙うのであれば、トレンドが明確に現れやすい時期に限定して取引するという戦略も考えたい。そうした時期に取引高を少し大きくして儲けられれば、トレンドが不明瞭な時期でも無理してコツコツ稼ぐよりも年間で大きな利益を残せる可能性はある。
今年は米大統領選も控えているので、短期の自動売買を検討するなら、相場の動向は逐一チェックしておきたい。
>豪ドル円で短期の自動売買運用ができるFX会社をピックアップ
FX自動売買トレーダーは通貨ペアをどう選んでいる?
FX自動売買のトレーダーが語る「通貨ペア選び」のポイントも紹介する。
トラリピトレーダー「鈴」さんの着眼点
個人投資家の鈴さんは、FX自動売買のトラリピを利用している。トラリピは「中長期向け」の運用が得意で、ほったらかしの自動売買FXを実践したい人におすすめ。
例えば、ドル/円と豪ドル/円と豪ドル/ドルの3通貨ペアでトラリピを行えば、円高局面でドル/円と豪ドル/円が下落しても、豪ドル/ドルには影響はなく、2通貨分のリスクで済みます。
一方、利益が取れる場面では3通貨分取れるので、効率が良くなります。どの通貨ペアの組み合わせが良いのか、実験を重ねた結果、ある程度分かってきました。(中略)
トルコリラ/円のように、超長期で下落トレンドが続いている通貨ペアだと、10年前の高値に戻る可能性は限りなく低い。ドルやユーロ、豪ドルなど、世界中で使われていて、レンジ相場を形成している通貨ペアがトラリピに適しています
トラリピトレーダー「あっきん」さんの着眼点
あっきんさんもトラリピを利用している。2006年ごろから「レンジ相場に着目したトレード」を実践しているという。
10年以上運用するなら、リーマン・ショックなど、ここ十数年で起こった大暴落や、最安値をチェックして、ロスカットのラインを、それより下に設定することを考えます。
これさえ出来ていれば、当面ロスカットは防げるはずです。
まとめ
FX自動売買の通貨ペア選びの参考を紹介してきたが、「相場状況に応じて通貨ペア選びは変化する」ということがわかっただろう。「この通貨ペアがおすすめ!」と紹介されていても、安易に運用を始めない方が賢明だろう。
自動売買の運用を本気で検討するなら、自動売買ツールの特性を理解し、通貨ペアの特徴も調べ、自身で納得した上で取引を始められるようにしたい。自動売買の設定に関しては「FX自動売買の設定を決める方法と過去実績の良い設定の使い方」も参考に。
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