FX自動売買の信用できない実績に注意!騙されないため確認すべき点は?
公開日:2019年2月24日 9:00
最終更新日:2021年4月12日
「1年で200万円儲かった」「ほったらかしで1週間の内、10万円も稼いでくれた」など、FX自動売買の実績は様々なサイトで紹介されているが、果たしてどの実績数値が信用でき、また信頼できる実績を見極めるためにはどうすればいいのだろうか。
FX自動売買ツールの比較ページでも登場したFX自動売買で利益をあげる投資家たちの運用情報も参考に、FX自動売買の実績の見極め方、活用方法を紹介する。
- 1.FX自動売買の実績「信用できないケース/信用できるケース」
- 2.FX自動売買の実績で騙されないため確認すべき4点
- 3.FX自動売買の実績を参考にリアル取引するまでの5STEP
- 4.FX自動売買の実績を見る上で初心者が迷いそうな点
【目次】
FX自動売買の実績「信用できるケース/信用できないケース」
FX自動売買の実績として公開されているは信用できるものと、信用できないものにはどんな違いがあるのだろうか?
FX自動売買の実績が信用できないケース
取引内容が分からず「大きな利益を獲得した」ことだけを主張している場合は、実際に取引をしていない可能性がある。FX自動売買に限らないが、Twitterなどで商材を売る目的でそうしたことをする人もいるようなので、「○○万円儲けた」などの書き込みだけを信じるのは避けた方がいいだろう。
また、実際に取引をしている場合でも、その実績は偶然得られた利益で、自分の自動売買には参考にできないこともある。次に紹介する「FX自動売買の実績で騙されないため確認すべき4点」なども活用し、落とし穴にハマらないようにしたい。
FX自動売買の実績が信用できるケース
FX自動売買の実績で信用できるのは、「期間」「獲得利益」「取引戦略(取引内容)」などが確認できる場合が考えられる。そうした利益獲得までの経緯がしっかり書かれているブログやサイトは信用できるかもしれない。
どういった相場を攻めようとして自動売買をスタートしたのか、という戦略が明確に分かると、そのFX自動売買を自身の運用の参考にできるのかどうかも判断しやすい。なんとなく稼働させて利益を得られたという自動売買実績を見ても、今後の運用の参考になるとは考えにくい。
FX自動売買の実績で騙されないため確認すべき4点
FX会社が公表しているFX自動売買ツールの過去実績や個人投資家のブログ、サイトなどで公開されているFX自動売買の実績を見る上で、チェックしておきたい4つのポイントを紹介する。これを見ることで、自分の運用時にそのFX自動売買を参考にできるかどうかの判断もしやすくなる。
通貨ペアと運用期間
通貨ペアと運用期間は確認しやすいだろう。これすら公開されていない場合は詐欺であると考えてもいい。
「ドル円やユーロドルなどの通貨ペア名」と「いつからいつまで稼働させたという運用期間」をまずはチェックしよう。
買いor売り
FX自動売買の戦略が買い注文が多いのか、売り注文が多いのか、もチェック。FXトレードのセオリーは上昇トレンドの相場であれば買いで攻め、下落トレンドの相場なら売りで攻めること。
この段階では買いが多いのか、売りが多いのか、もしくは買いと売りが同じくらいなのか、ということを大まかに確認できればOK。次の「どういった相場を狙ったのか」で詳細を把握する。
どういった相場を狙ったのか
実績をあげたそのFX自動売買が「レンジ相場」を狙ったのか「トレンド相場」を狙ったのかを確認する。これまでチェックしてきた「通貨ペア名と運用期間」「買いor売りどちらが多いか」の情報と共に、そのFX自動売買は「どういった相場を狙ったのか」を把握できれば、その自動売買の戦略内容も見えてくる。
「どういった相場を狙ったのか」を把握するには、チャートを見るとわかりやすい。週足、月足などの長い期間で見ると、イメージもつかみやすいのでおすすめ。
参考までに「どういった相場を狙ったのか」をインヴァスト証券のトライオートFXの実績画面をもとに紹介する。
通貨ペアと運用期間をまずはチェック

通貨と運用期間は「ユーロポンドと2018年1月から」ということがわかった。
買いor売りに関しては、注文の詳細を見ると、買い注文33本、売り注文33本と、買い・売りを両方同じ本数使う自動売買だということがわかった。これらの情報と共にチャートを見てみよう。
チャートから自動売買戦略を確認

運用期間2018年1月からを青いボックスで囲むと、期間中はユーロポンドはおよそ0.83~0.95の価格帯で推移していたことがわかる。期間内はずっと上昇しているわけでもなく、ずっと下落しているわけでもなく、一定の価格帯で推移していたことから、レンジ相場と考えられる。
さらに、ここから自動売買戦略についても考察する。
買い注文33本、売り注文33本という情報と共に、「注文をどの価格帯に設置していたのか」を自動売買実績画面から探し、ざっくり目を通したところ、ユーロポンドの運用期間中の価格帯の上の方には売り注文、価格帯の下の方には買い注文を並べていることもわかった。
これらの情報から、「この自動売買はユーロポンドの特定の価格帯を狙い、その価格帯の上の方では売り、下の方では買いを行う戦略だ」ということがわかる。
ここまで運用戦略の概要がつかめれば「果たしてこの実績をあげた自動売買が今後の相場でも使用できるのだろうか」と考えを進められる。
資金
いくらの資金規模で取引したのかも確認しよう。例えば「今週2万円稼ぎました」という利益実績を実際の取引口座のキャプチャーと共に紹介されていた場合でも、そのFX自動売買を稼働させるためには100万円以上の資金が必要なケースもある。
FXは最低4000円程度(1ドル=100円の場合)から始められるなどの広告表記もあるため、それくらいの少額でFX自動売買も稼働できると誤認してしまう人もいるが、実際は多くの資金を必要とする自動売買戦略だった、という可能性もあるので注意したい。
実績自体は本当でも、自身で稼働できる資金規模の自動売買ではないケースもあるのだ。
FX自動売買の実績を参考にリアル取引するまでの5STEP
好調なFX自動売買の実績データを見つけ、自身の本番口座でもそのFX自動売買をスタートさせたいと考えたとき、どう進めればいいのだろうか。参考までにその方法を5STEPで紹介する。
※以降はFX自動売買の種類やFX自動売買の運用パターンを簡単に把握しておいた方が、内容は理解はしやすい
【実績を参考にリアル取引するまでの5STEP】
- 「戦略内容」をチェック
- 「リスク」をチェック
- 「自分の元手資金で足りそうか」をチェック
- 似たような戦略同士で取引内容を比較
- 自動売買稼働後の行動を事前に準備
どんな戦略なのかチェック
魅力的なFX自動売買の実績を目にしたら、まずは本ページで先ほど紹介した「FX自動売買の実績で騙されないため確認すべき4点」をもとに、どのような自動売買戦略かを確認する。
リスクはどれくらいとったかを確認
FX自動売買の実績数値の中には「注文幅」「取引額」などが公開されている場合も多く、これらの数値からどれほどのリスクを負っていたのかを判断できる。自動発注・リピート系なら、「注文数」や「取引額」、「注文の設置間隔」で、シストレ系なら「ポジション数」や「取引額」「最大ドローダウン」をチェックしてみるといい。
自分の元手資金で足りそうかをチェック
FX自動売買の実績の中には、「運用に必要だった最低必要証拠金」などを掲載している場合がある。その実績をあげた自動売買戦略をそのまま使うなら、そうした金額以上の資金を準備する。
FX自動売買に慣れていない頃は、元手資金に余裕を持たせた運用をおすすめする。余裕なく資金効率を上げすぎた状態で自動売買を始めると、リスクを高める可能性もあるので注意したい。
似たような戦略同士で取引内容を比較
自分で稼働したい自動売買戦略の目星がついたら、その戦略と似たものを個人投資家やFX会社提供の過去実績ランキングなどから探して、自動売買戦略をチューンアップすることも可能。
実際にリアルトレードをしているトレーダーの経験値は、参考にできることが多いので、利益額だけではなく、リスク管理の方法なども取り入れることは検討できる。
自動売買稼働後の行動を事前に準備
実績が良い自動売買を見つけ、戦略内容も納得できるという段階になれば、運用の最終検討を進める前に、自身が取引する通貨ペアのチャートを開き、今後の相場で「○○になったら、△△する」という行動を事前に考えておきたい。
相場の予想は誰にでもできるものではないが、例えば「1ドル=100円を割ったら、一旦自動売買を停止する」という行動は誰でも事前に準備できる。予想だにしないことが発生するのが為替相場であり、「最悪の事態になったとき考えるというスタンス」では、余計な損失を生む可能性があるため、注意したい(ストップロスを入れ、自動的に停止させる方法もある)。
実績が好調なFX自動売買を見つけ、それを真似しようと考えるなら、ここまで紹介した5STEPを経て検討を進めることも可能である。
FX自動売買の実績を見る上で初心者が迷いそうな点
FX自動売買の実績が紹介される際、その自動売買の戦略内容について様々な説明が記入されていると思うが、初心者の中にはどれが信用できる情報なのか迷う人もいるだろう。ここではFX自動売買の実績を見る上で初心者が迷ってしまいそうな説明や情報をいくつかピックアップした。
1年や3年など長く運用していれば安心?
長く運用されたFX自動売買は今後自分が利用するときも安心、というわけではない。将来の相場は予想を超えて値動きすることもあるため、過去長い期間で運用され実績を残した自動売買が、未来の相場でも安心とは言い切れない。
しかし、その利益を出せた運用期間の相場が、今後も続くと考え、その自動売買戦略を検討することはできる。例えば「豪ドルNZドル」は2014年以降同じようなレンジ幅で価格推移しており、そのレンジ幅を狙って稼いでいた自動売買を使う、というイメージ。
「豪ドルNZドル」のような価格推移でも将来は同様に推移するとは限らないので、運用するならそのレンジ幅を超えたときに自動売買をストップする、などの事前準備が必要となる。そのレンジ幅を超えない限りは、過去実績と同様に利益を生み出してくれる期待はできるだろう。
利益率が高ければ安心?
FX自動売買の実績を見る上で、「利益率」という指標を目にすることもあるだろう。利益率は、元手資金に対する利益の割合で、元手100万円で獲得した利益が50万円なら、50%の利益率ということになる。
利益率は「過去の特定期間におけるFX自動売買の取引効率」を確認する上では参考にできる。同じ通貨ペアの同じ運用期間で、利益率100%の自動売買と利益率50%の自動売買なら、利益率100%の方が効率よく稼いでいたと考えられる。
ただし、利益率が高いことと、将来の相場でもその自動売買が通用することには繋がらない。「1年や3年など長く運用していれば安心?」でも紹介したように、過去に実績を残せた相場条件で今後も推移すると考えるなら、そのFX自動売買の利益率は参考になるだろう。
利益率が高い=自分が運用するときも安心とはならないのだ。
勝率が高ければ、信用できる?
勝率もそのFX自動売買が過去の相場においてどれほど勝てたのか、という指標のひとつであり、情報の捉え方は利益率と同様にはなる。
勝率は一概に比較できる指標ではなく、例えば勝率80%の自動売買と勝率20%の自動売買があり、利益率は似たようなものだった場合、2つの自動売買の取引戦略は全く異なる可能性がある。こうしたケースでは、2つの取引戦略を詳しく見られるなら比較し、今後の相場でどちらが優位か検討してもいいだろう。
少額で運用していたから、低リスク?
「少額で低リスク」を謳うケースで散見されるのは、「少ない取引量である1000通貨などで運用するから、10000通貨で運用する場合に比べリスクを抑えられる」という意味。
少額であることがそのFX自動売買で損する可能性は少ない、ということを表すわけではないので注意が必要だ。FX自動売買「少額の落とし穴」にハマらないようにしたい。
デモトレードの実績は信用できない?
FX自動売買の実績をデモトレードで公開しているケースもある。デモトレードの実績は信用できない、と全面的に否定する必要はない。
デモトレードは、本番の取引レート・約定環境が異なることが多いため、デモトレードの数値通りに利益が保証されることはない。しかし、デモトレードで実践した注文の置き方、どんな価格帯を攻めたのかなどの戦略を参考にすることはできる。
デモトレードの自動売買戦略から、今まで思いつかなかった新たな取引アイデアを得られ、今後のリアルトレードで活用できるかもしれない。
バックテストの数値も、デモトレードと同様に扱われることがあるが、今後の運用戦略に活かせるかどうかという視点で、参考にしてみてはいかがだろう。
実績が良い=その自動売買サービスが優秀?
過去実績が良ければ、そのFX自動売買が他社が提供するFX自動売買より優秀、と考えるのは勿体ない。
FX自動売買は再現性の高さが特徴で、A社でできた自動売買戦略が、B社でも実現できる可能性があるのだ。「FX自動売買の実績で騙されないため確認すべき4点」で紹介した要素をもとに、どういった自動売買戦略なのかを理解し、FX自動売買ツールを比較し、自身で扱いやすい・操作しやすいツールを探すことも可能だ。
まとめ
FX自動売買の実績を見るときは、利益額だけではなく、見るべきポイントが様々ある。儲けられそう!と安易に実績をもとに、そのFX自動売買を真似するのではなく、リスクやリターンを適切に把握しようと努め、納得いく自動売買の運用を実現できるようにしたい。
FX自動売買ツールの関連記事
FX自動売買ツールの関連記事
自動売買ツールの比較
各サービス・会社詳細
■自動発注・リピート系のFX会社
■シストレ系FX会社
自動売買ツールの基本情報
自動売買の運用に関する参考記事