FXシストレとは? シストレ運用のコツや損するケースを紹介
公開日:2018年3月11日 20:00
最終更新日:2020年12月30日
FX自動売買ツールのひとつである「FXシストレ」。本記事ではシストレに関する基本的な情報から運用に関する参考情報を紹介する。
- 1.FXシストレの基本情報
- 2.FXシストレ系の運用のコツ
- 3.FXシストレで損するケース
- 4.FXシストレのロジック
- 5.FXシストレを始めるまでの手順
- 6.FXシストレを少額で稼働させる方法
【目次】
FXシストレの基本情報

「FXシストレ」はFX会社提供の売買プログラムに取引を任せる自動売買。
近年は「裁量FXトレーダーの取引を追う“フォロートレード”」のサービスもリリースされた。
売買プログラムが「自動で取引」をしてくれるので、ユーザーのやることはどの売買プログラムに取引してもらうかを決めることがメインとなる。取引実績や詳細画面の情報をもとに、この売買プログラムは「トレンドに強い」「損小利大」などの特徴を判断する。
本サイトでの「シストレ」は「FX会社が無料提供する売買プログラム・フォロワーを利用して取引するFX」とする。シストレは自動売買というカテゴリーに含まれるが、自動発注系のサービスとは異なる点がある。自動発注系もシストレと表現することも見受けられるが、運用方法が異なるため、混同しないようにしたい。
売買プログラムとは?
売買プログラムとは、テクニカル分析などに基づき、「買い」や「売り」の指令を出すもの。売買プログラムは世界中の「専業FXトレーダー」や「元ファンドマネージャー」など、FXに精通している人たちが作ることも多い。
売買プログラムはFX会社のシストレサービスによっては呼び方が異なり、「ストラテジー」「プログラム」などさまざま。
また、売買プログラムがどのように売買の指令を出すのか、詳細は見られないことがほとんどである。そのため、売買プログラムの特徴は過去の取引実績から判断する。
シストレのメリットは大きく2つ
シストレのメリットは「手間なく始められる」「心理的負担が減少」の2つ。
-
(1)始めるまでの面倒が少ない
-
FX会社のHPから自身の取引管理画面にログインし、どの売買プログラムを稼働させるかを「選ぶ」ことで、運用をスタートできる。「始めるまでにどのような取引を行うか設定する」という手間はない。また基本的にはシストレサービスの利用料は無料で、「口座開設後に高額な取引ソフトを購入する」という心配はない(取引コストはスプレッドから徴収されることが多い)。
-
(2)取引の心理的負担を軽減できる
-
売買プログラムに取引を任せるため、いつ売買注文を出せばよいか、いつ決済すればよいかという判断に関する心理的負担を軽減できる。買ってはいけないのに欲望に負けて、買ってしまった……、損切りしなくてはいけないのにできなかった、ということによる失敗を避けることができる。
FXシストレ系の運用のコツ
シストレ系FXのコツをまとめたので、運用の参考にしてほしい。
最初は1~2本のプログラムでOK、5~6本の稼働はNG

たくさんの利益を狙いたいからと5~6本の売買プログラムを一度に稼働させても、うまく管理できなければ、損失リスクを高めることに繋がる。
シストレに慣れていない人は複数の売買プログラムを稼働させても、「何が原因で利益を出している・損を被っている」という検証は難しいだろう。運用開始して間もない頃は1~2本と少ない本数で稼働させることがよいだろう。
最大リスクを確認
最大リスクとは過去の一定期間中の最大損失額(最大ドローダウンともいう)。FX会社によって呼び方が異なる可能性はあるが、最大ドローダウンは基本的に見られるようになっている。売買プログラム一覧にパーセンテージなどでリスクの指標となる数値が表示されているので、それらの数値が大きすぎないものを参考にしたい。
しかし、これらのリスクに関する指標は、過去の取引実績から算出された数値なので、将来も同程度のリスク範囲に収まるとは限らないことは念頭に置いておこう。
売買プログラムの選び方(参考)
参考までに売買プログラムやフォロワーの選び方を一部紹介する。プログラムを絞り込む際は、実績だけではなく、下記点にも注目したい。
- ■稼働開始から1年以上経過している
- ■直近2週間の成績がよく、3~6か月の収益グラフを見ても、安定した利益を積み上げていた
- ■1回の損が500pips以上のプログラムは避ける
- ■最近連敗が続いているプログラムは避ける
- ■直近で最大ドローダウン(損)を更新したプログラムは避ける
他にも取引のタイプ(コツコツ派、1発が大きい派など)や通貨ペアをもとに絞り込む方法もあり、こうした「売買プログラムの選定基準」を自身でも作りながら、売買プログラムの最高の組み合わせ方を探してみるといい。
FXシストレで損するケース
シストレで損するケースは一般的なFX(裁量FX)とは異なる。シストレで失敗した例を参考までにピックアップする。
(失敗例1)たくさん売買プログラムを稼働させすぎて大損
儲けている売買プログラムを複数稼働させたら、それくらい多く儲けられると思ったが、違った
売買プログラムが取引を始めないから、という理由でたくさん稼働させてしまった
売買プログラムをたくさん稼働させると、売買プログラムの管理が難しくなる。売買プログラムは定期的に成績をチェックし、「稼いでいるときはそのまま稼働させる」「損が続くときは相場にあっていないということで稼働の停止を検討する」などを行う必要がある。
多くの売買プログラムを稼働させると、こうしたメンテナンスが難しくなる。
(失敗例2)1つの売買プログラムを稼働させて放置
シストレは運用をスタートさせたら、ずっとほったらかしでOKというわけでもない。例えば1つの売買プログラムに任せっきりでは失敗に繋がりやすいだろう。

上記は6か月間の売買プログラムの成績。成績は右肩上がりで好調に思えるが、下記12か月の成績を見てほしい。

過去の成績が好調だから将来も良い成績を残せる、ということでもない。長期間ずっと調子のいい売買プログラムはごく稀だろう。シストレは相場の状況に応じて、今の相場に合う売買プログラムを稼働させることが重要となる。
(失敗例3)一撃で大きく勝つことに賭けて、取引額を大きくする
100万円儲けている売買プログラムがあったので、デフォルトの倍の20000通貨で設定して稼働させたが、損する額も多くなり、止めた
ポンド関連で複数の売買プログラムの「チーム」を作ったが、強制ロスカットになった。そのあと儲けていたけど……
シストレは取引額を大きくすれば、狙える利益は大きくなるが、それに応じて損失額も高くなる。
また、シストレのリスクとリターンのバランスは、売買プログラムのポジション量とも関連している。売買プログラムごとに保有する最大ポジション量は異なり、例えば
・プログラムA(最大ポジション数:4)
・プログラムB(最大ポジション数:2)
・プログラムC(最大ポジション数:1)
を同時に稼働させると、最大で7つのポジションを保有する可能性があるということ。
デフォルトの取引額の設定(例えば10000通貨)で稼働させた場合でも、最大ポジション数が7ともなれば、最大70000通貨のポジションを保有する可能性があるのだ。取引額を10000通貨から倍にすれば最大14万通貨を保有する可能性があり、1ドル=100円のとき、レバレッジ5倍ほどで取引するなら、280万円ほどの資金が必要となる(レバレッジ上限ギリギリの20倍でも70万円ほどの資金が必要)。
こうした資金管理がシストレでは求められる。
損を少なくするための対策
シストレの損は「稼げる売買プログラムを選べなかった」という原因以外にも、リスクを取り過ぎることが損に繋がるということがわかっただろう。
最初の稼働は売買プログラム1本から | 売買プログラムの稼働は1本から始めてみる。取引を始めない、多く稼働させたほうがリスクヘッジになるのでは?という悩みから複数稼働させる人もいるが、売買プログラムを管理できなくなり損する可能性があるなら、1本から始めることを検討したい。シストレに慣れてから、売買プログラムの稼働本数を増やすこともできる。 |
取引額はデフォルトもしくはその半分以下 | 取引額はデフォルトもしくはその半分から始める。売買プログラムの中には最大で4個のポジションを保有する可能性があり、慣れるまでは少ない取引額で始めることを検討したい。 |
FXシストレのロジック
シストレはあらかじめ決められた売買ルール(ロジック)に従い、取引を行う。シストレ系のFXは基本的にロジックを詳しく公開していないため、取引の実績から得意な相場、取引のクセを確認し、ストラテジーの性格を把握する。
シストレのロジックを確認する方法
売買プログラムのロジックの詳細はわからないものの、アイコンや売買プログラム詳細画面で、取引の特徴を見ることは可能。
セントラルミラートレーダーは、ストラテジーの詳細画面に、特徴が記されている。


シストレと自動発注系のロジックは異なる
シストレと自動発注系のどちらでも、ロジックという言葉を使うが、意味は異なる。
- ■シストレのロジック:売買プログラムがどのような取引をするか
- ■自動発注系のロジック:どのような価格帯で何本注文を設置するか
シストレはFX会社が売買プログラムを用意するので、自分でロジックを考える手間はないが、自動発注系のように明確にロジックを把握できない。
FXシストレを始めるまでの手順
- (1)取引画面にログイン
- (2)売買プログラムの一覧から稼働したいものを選ぶ
- (3)売買プログラムの取引額を調整
- (4)稼働のボタンを押せば完了
FXシストレを少額で稼働させる方法
シストレを少額で稼働させるためには、取引画面から「取引額」を変更する必要がある。各サービスごとのやり方は下記を参考に。
みんなのシストレを少額で稼働させる方法
みんなのシストレを少額で稼働させる方法は下記タブをクリックして、詳細を確認。
FX自動売買ツールの関連記事
FX自動売買ツールの関連記事
自動売買ツールの比較
各サービス・会社詳細
■自動発注・リピート系のFX会社
■シストレ系FX会社
自動売買ツールの基本情報
自動売買の運用に関する参考記事