FX初心者は資金いくらから始めるべきか。数千円でOKと紹介されていることもあるが、実際はそれでは安全にトレードできないケースもある。ここではFX初心者向けに、トレードに必要な元手資金の考え方について紹介する。
FX初心者は資金いくらから始める?
FX初心者はいくらから始めるべきか。1000円、10000円、50000円、10万円など必要な資金は、投資家のニーズによっても異なる。
「FXは初心者でも1000円程度からでも始められる」の罠
FXは1000円程度からでも始めることが可能だ。しかし、これは「ただ取引ができる」だけで、求める利益や許容可能なリスクでトレードできるかは別。
「FXは○○円から始められる」ことと「自分が望むFXトレードの必要資金」とは別に考える必要がある。
FXのトレード方法で必要資金は異なる
【FXの代表的な3つのトレード方法】
- 自動売買
- スワップポイント狙い
- 裁量取引
FXはトレード方法に応じて、必要な資金は異なる。取引する期間や許容リスクがそれぞれの取引方法で異なるため、「FXは4000円からOK!」とは全投資家において一律に言えることではない。そういった金額感を見た場合は、「ただ始められるだけの金額で、自分がやりたいFXトレードとは異なるかも」と考えた方がいい。
トレード方法に関しては、別記事「3つのFXトレード方法」でも紹介するが、本記事ではFXで必要な資金を考える方法の基礎を紹介する。
FX初心者が必要資金を考えるための4STEP
FX初心者がトレードの必要資金を模索するとき、4つのステップを踏む考え方が参考になる。
【FX初心者が必要資金を考えるための4STEP】
- 自分の元手資金で「何通貨保有できるか」を知る
- 「何通貨ならいくら稼げる」かを知る
- 「何通貨でいくらの損をするのか」を知る
- 今の元手資金と取引量でいくらの損まで耐えられるかを知る
自分の元手資金で「何通貨保有できるか」を知る
例えば、1ドル=100円の時、10000円の元手資金ならドル円で何通貨保有できるだろうか。レバレッジ1倍なら100通貨、レバレッジ10倍なら1000通貨の保有が可能だ。こうした「取引量」をすぐにイメージできるようにしよう。
コツは「その通貨ペアのレート」を調べ、元手資金に対し、「レバレッジ1倍」でまずは考えること。FX初心者はレバレッジ10倍くらいが上限と最初は考えても問題ない。ちなみに「FXは約4000円程度から始められる」と極端に少額で紹介されているのは、おおよそレバレッジ25倍で保有することを想定したケースが多い。
「何通貨ならいくら稼げる」かを知る
元手資金に対し、自分が保有できる通貨量を確認できれば、いくら稼げるかも計算してみよう。
例えば、ドル円の場合、1ドル=100円のとき1000通貨買い、1ドル=101円のとき買った1000通貨を決済すれば、1000円分の利益が得られる(手数料等は考慮せず)。10000通貨なら10000円、10万通貨なら10万円儲かる計算だ。
「何通貨でいくらの損をするのか」を知る
先ほどの1ドル=100円のとき1000通貨買ったとき、1ドル=99円になってしまうと、その分マイナスになる。10000通貨なら10000円、10万通貨なら10万円も損をしてしまう…。
FX初心者の場合はいくら稼げるかよりも、いくら損をする可能性があるのかをまず計算するようにした方がいい。初心者は損失に過敏になるくらいが、ちょうどいいリスク管理に繋がるだろう。
今の元手資金と取引量でいくらの損まで耐えられるかを知る
同じく、1ドル=100円のとき、1000通貨買った場合、元手資金10000円なら1ドル=何円まで下落しても、耐えられるのだろうか。この計算には「必要証拠金」と「有効証拠金」の2つの数値を使う。
必要証拠金はレバレッジ25倍での取引に必要な資金で、この場合は4000円(レバレッジ1倍の金額の4%)。有効証拠金とは、現状の元手資金(口座資金)に対して含み損益を加味した数値(先の例では1ドル=99円のとき有効証拠金は9000円で、1ドル=98円になれば有効証拠金は8000円になる)。
有効証拠金が必要証拠金を下回ると、多くのFX会社でロスカットが執行され、強制的に保有ポジションを決済させられる(ロスカットルールはFX会社のHPを参照)。
今回の例では、1ドル=94円ほどまで耐えられる計算となる。初心者が厳密にこれらの計算をできる必要はないが、「今の元手資金と取引量なら、おおよそ何円まで耐えられるな」という目算ができると、リスク管理もしやすくなる。
まとめ
これらの計算ができれば、「自分の取引方法」において、想定リスク・リターンが見えた上で資金を考えることも可能。FX初心者は「いくら稼げるか」よりも「許容できるリスク(今回のトレードで相場がどれくらい逆に動きそうか)」をメインに考え「元手資金」を割り出す方法がおすすめ。狙える利益ばかり妄想してFXを始めて、いざ損を抱えてしまうと、冷静な行動がとれず、より大きな損失を被って退場するというケースも散見されるため注意したい。
FX初心者が少額で取引する方法
ここでは簡単に少額でFXをする方法を紹介する。FXの元手資金はFXのトレード方法やトレードスタイルに応じて変化するため、まずは自分に合う取引方法を探しそのあとの参考に。
1通貨や100通貨で取引をする
FXは1通貨や100通貨といった超少額で取引できるFX会社がある。1通貨で取引できるFX会社はSBI FXトレード、100通貨で取引できるFX会社にはマネーパートナーズがある。FXをお試しで始めてみたいという人は、こうした少額で取引できるFXを検討することも可能だ。
1000通貨でトレード
1000通貨でトレードできるFX会社は多い。1通貨や100通貨の取引ができるFX会社は稀だが、1000通貨となればFX会社のシステムに任せる「自動売買」も可能となる。
1ドル=100円のとき、1000通貨で取引するにはレバレッジ1倍なら10万円、レバレッジ1倍なら10000円の元手資金でOK。少額のFXとなると、1000通貨単位のトレードが一般的だろう。
1000通貨単位で複数のポジションで取引
1000通貨では1円プラスに動いても1000円の利益だが、10000通貨なら10000円の利益となるので、1000通貨では物足りないと考える人もいるだろう。そうした不満がある場合は1000通貨単位のポジションを複数保有するトレードがおすすめ。
例えば1ドル=100円のとき2000通貨買い、1ドル=99円50銭のとき2000通貨買い、1ドル=99円のとき2000通貨買う。1ドル=100円のとき、10000通貨の買いポジションを保有するより、価格を分散させて複数保有するイメージ。1ドル=101円になったとき、通貨を複数保有した場合でも約9000円の利益を見込め、10000通貨で買いポジションを持つ場合と比べても1000円ほどの差しかない。また、1000通貨単位で複数のポジションを保有した方が少額で取引できながら、リスクを分散する効果もある。
FX初心者はプロとレーダーのように1つのポジションでうまく勝てるとは限らないので、1000通貨単位でコツコツポジションを作り、最終的に大きな利益を狙うという方法も検討した方が賢明だろう。
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