初心者がFXで稼ぐための戦略を2つ紹介する。FX初心者でも実践できるよう取引戦略はシンプルであり、また稼ぐために役立つ心構えも2つ紹介する。
- 1.初心者がFXで稼ぐための取引戦略と2つの心構え
- 2.強いトレンド相場のときに稼ぐ戦略の概要
- 3.中長期のレンジ相場を自動売買で稼ぐ戦略の概要
- 4.複雑な分析や手法はFX初心者にとって稼ぐための邪魔になる?
【目次】
初心者がFXで稼ぐための取引戦略と2つの心構え
トレードの経験や知識が少ない初心者がFXで稼ぐためにはどうすればいいのか。FX初心者でも再現しやすい取引方法を考察する。実際トレードする場合は少額から始める、もしくはデモトレードを検討してほしい。
【FX初心者でも実践できるシンプルな取引戦略】
- 強いトレンド相場のときに稼ぐ戦略
- 中長期のレンジ相場を自動売買で稼ぐ戦略
【シンプルな取引戦略を実現するための2つの心構え】
- 複雑なテクニカル分析やトレード手法は使わない
- 月間・週間などの利益目標を立てない
強いトレンド相場のときに稼ぐ戦略
勢いが強いトレンド相場で稼ぐ取引戦略は、FX初心者でも実践できるだろう。
大きなトレンドの流れに乗りトレードすることで、エントリーポイント(新規取引価格)や決済価格などを細かく分析して取引する手間を削減できる。ポイントは取引するトレンドをどう探すかであり、それは後述の「強いトレンド相場のときに稼ぐ戦略の概要」で紹介する。。
中長期のレンジ相場を自動売買で稼ぐ戦略
通貨ペアの中には、数年単位で一定の値幅で推移しているものがある。そうしたレンジ相場を形成する通貨ペアは、自動売買という「取引を自動化できるサービス」を使うことで、効率的に稼ぐことも可能。
自動売買は他のトレーダーの運用を再現しやすことも特徴。トレード技術を真似ることは難しいが、自動売買の設定を真似ることはFX初心者でも簡単である。また、自動売買による日々のFX取引はFX会社のシステムが行うため、サラリーマンなどでもトレード時間に煩わされずFXを実践できることも特徴(詳細は後述の「中長期のレンジ相場を自動売買で稼ぐ戦略の概要」)。
複雑なテクニカル分析やトレード手法は使わない
「強いトレンド相場で稼ぐ」「中長期のレンジ相場を自動売買で稼ぐ」のどちらの取引戦略もシンプルで、複雑なテクニカル分析やトレンド手法は必要としない。
FX初心者は再現性が低く難しいトレード手法に拘らない方がいい。単純な戦略ほど、ミスをしても改善方法がわかりやすいため、FXに慣れていない人こそ向いている。
月間・週間などの利益目標を立てない
初心者のうちは月間でいくら稼ぐ、週間でいくら稼ぐという利益目標を立てない方が賢明だろう。その利益を稼ぐために相場から取引根拠を無理やり見出し、トレードしてしまう可能性がある。
シンプルな取引戦略で、わかりやすい取引チャンスが現れたときのみ、トレードするという軽いスタンスで臨む方が、メンタルにも負担をかけすぎず、余計な損失リスクを抱えずに済むだろう。
強いトレンド相場のときに稼ぐ戦略の概要
2012年の円安相場、2014年のユーロドル安相場、2018年の豪ドル安相場など、強いトレンドが発生した相場では、FX初心者でも稼ぐチャンスはある。ここでは強いトレンド相場を狙う方法とポイントを紹介する。
強いトレンド相場で稼ぐ戦略のメリット・デメリット
メリットはシンプルな戦略のため、FX初心者でも実践が可能であること。強いトレンド相場なら、新規注文価格や決済価格など細かいトレードポイントをそれほど気にせずとも、トレンドに沿う取引を行うだけで利益を狙える。
デメリットは、いつそのトレンドが発生するかは予測できず、またトレンドは頻繁に訪れるとは限らないこと。極端なときは数か月取引しない期間もあるため、物足りなさを感じる人もいるかもしれない。
しかし、毎週発生する小さなトレンドやレンジ相場など、様々な相場パターンで稼ごうとする場合、トレードの経験や知識が求められ、FX初心者が無理をしてそうした相場で取引したら、損するリスクを高めることに繋がりかねない。
トレンドを判断する方法

豪ドル円の日足チャートに期間「20(白のライン)」と「200(黄緑のライン)」の単純移動平均線を表示
(画像はDMM FXより、クリックすると拡大)
強いトレンドを察知するための方法はテクニカルツールの中でも最もポピュラーな移動平均線を使う。チャートは「日足」を設定し、移動平均線は期間「20」と「200」を使う。移動平均線の見方については「FXチャートの見方 初心者がトレンドを把握するため4つのコツ」を参考に。
本来はこうした価格推移の傾向だけではなく、市場間(株式市場、債券市場、商品市場など)で機関投資家などの市場参加者の資産がどう動いているかも加味しながら、各通貨ペアの値動きを予想した方が精度は高くなるが、FX初心者にはハードルが高いため、簡単なテクニカルツールを用いて、大まかなトレンドのみを対象として判断を行う。わかる相場だけ取引を検討するため、わかりにくいと感じる相場は手を出さないようにする。
トレンド方向に沿ってトレード

豪ドル円の下落トレンドに沿って新規ポジションを持つ例(黄色い丸が新規トレード目安のポイント)
(画像はDMM FXより、クリックすると拡大)
「大まかにトレンドを判断する方法」で、ざっくりとトレンド方向がわかれば、そのトレンド方向に沿ってポジションを保有する。取引方法の例をひとつ下記にて紹介する。
上昇トレンドは「買い」、下落トレンドは「売り」
トレンドが上昇のときは「買いのみ」で、トレンドが下落のときは「売りのみ」を行う。
「買い」と「売り」をどちらも行った方が稼げるチャンスは増えるかもしれないが、混乱する可能性もあるため、今回のシンプルな取引戦略では上昇トレンド=買い、下落トレンド=売りで考える。
「買い」「売り」のタイミング
売買のタイミングは期間20の移動平均線に対して、「上昇トレンドのときは、価格が綺麗に上回ったとき」、「下落トレンドのときは、価格が綺麗に下回ったとき」。わからない、判断しづらいと感じたら、取引は絶対に控える。曖昧なときに無理して取引をしても、この戦略では稼げない。
利食い・損切りのタイミング
ポジションの利食い・損切りは、価格が期間20の移動平均線に再度タッチしたときを基準にできる。損切り幅は移動平均線の基準で明確に設定しておくべきだが、利食い幅に関しては、自分で色々試してほしい。50pipsや100pipsなどキリのいい数値も候補であり、自身がトレードしたデータをもとに、丁度いい利食いを計算してもいい。慣れてくれば、感覚的に利食い・損切りをしても構わない。
最悪なのは「含み益はこれくらいあったのに」と後悔することで、利食いは積極的に行い、「戦略を立てる⇒実行⇒勝てた」ということをしっかり実感した方が今後のトレードの糧にもなる。
大まかなトレンドに沿ったトレードをしている場合、もっと利益を取れた可能性があったとしても、「たいやきの尻尾と頭はくれてやれ」という投資の格言どおり、利食いのタイミングが理想的でなくとも問題はない。
トレードの参考例
上図の豪ドル円は、大まかには「下落トレンド」で推移していると判断するので、トレード方向は「売り」。画像内の黄色い丸の部分が期間20の移動平均線に対して、価格が下回ったポイントである。
トレードを控えた方がいい時期
上図豪ドル円のように年単位で推移していたトレンドが、「転換する?」という兆しが現れたときは、トレードを控えた方がいい。期間200の移動平均線を期間20の移動平均線が上抜く(もしくは下抜く)ときは、「トレンド変化の可能性」がある。
トレンド移行期は乱高下することも多く、またトレンドの方向を読み間違えて取引してしまうと、大損する可能性が高くなるので、特に警戒をするように。
少額取引を意識
FX初心者のうちは、「1つのポジションは少額」を心掛けたい。ポジション数を増やすことはできるので、思い通りの方向に相場が動いたら、同じ少額ポジションを増やし、大きな利益を狙うようにしたい(少額で取引できるFX口座はこちら)。
トレンド相場は波に乗れて取引できると、案外簡単に稼げたということもあり、そうした体験を経てもっと稼ぎたいと取引量を急激に大きくする人もいるが、1つあたりの取引量を大きくすると、リスク管理が難しくなるため、FX初心者のうちはいきなり取引量を上げることは控えた方が賢明だろう。
「大きなトレンド相場のときに稼ぐ戦略」のまとめ
大きなトレンドが発生する通貨ペアを探す⇒その方向に沿って、少額でトレードする、というシンプルな戦略なので、FX初心者の人でも実現できそうに思えるだろう。
この戦略では、「わかりやすいトレンドの発生している通貨ペア探し」が最も重要であり、FX初心者の場合はメジャーな通貨ペアに絞った方がいいだろう。また、トレンド判断については、日足以外にも4時間足や1時間足、週足などでも確認できるが、様々な種類で見比べると混乱する可能性もあるので、慣れない頃はトレンド判断は日足だけで行う、と固定してもいい。
中長期のレンジ相場を自動売買で稼ぐ戦略の概要
FXの取引を自動化できる自動売買ツールにおいて、「発注系・リピート系」と呼ばれるサービスでは、中長期にレンジ相場を狙うことが可能。戦略内容はシンプルで、自動売買というツールを活用するため、取引の手間を大きく削減できることも特徴だ。
中長期のレンジ相場を自動売買で稼ぐ戦略のメリット・デメリット
メリットは、トレードの手間がかからないこと。最初の設定を済ませれば、あとの取引は自動売買に任せられるので、サラリーマンや主婦でも実践は可能。戦略内容も中長期で続くレンジ相場を狙う、と初心者でもわかりやすい。
デメリットは、稼いだ利益が貯まるまで一定の時間を要すること。細かい利益をコツコツ稼ぐ戦略であり、含み損を一定額抱えることも多く、また初期資金をある程度多く用意する必要があるため、FXで大きく稼げるときに稼ぐというスタイルを望む人は避けた方がいい戦略だろう。
自動売買ツール選びはサービスを理解できるかが判断基準
FX初心者は自動売買ツールを「手数料」や「キャンペーン」などで選ぶのではなく、「その自動売買サービスを理解できるか」で判断するといい。
発注系・リピート系自動売買はトレードの煩わしさはない分、運用を始める前の設定が勝敗を左右する。そこで理解しづらい自動売買ツールを使うようでは、中長期の運用に不安を抱えることになる。
中長期でレンジ相場の通貨ペアを探す
自動売買で取引するのは、長い期間レンジ相場で推移している通貨ペア(参考:FX自動売買の通貨ペアを選ぶ基準)。
基本的には数か月、年単位で、設定を変えず、ほったらかしで取引させることが趣旨の戦略なので、レンジ幅の上限価格・下限価格も広く考えるようにしたい。
資金、ポジション数、注文設置価格の設定を要確認
中長期にレンジ相場で稼ぎたいと考えるなら、自動売買の「資金」「ポジション数」「注文設置価格」は熟考するように。この3要素をもとに決めた「自動売買の設定」が運用におけるリスク・リターンのバランスを決める。
自動売買の過去の成績が良かった「設定ランキング」に掲載されていたものを適当に選んでも、うまく稼げるとは限らず、どんなときに止めるべきかなどが分からなければ、逆にリスクは増える可能性が高い。「FX自動売買の設定を決める方法と過去実績の良い設定の使い方」も参考に、自動売買の設定は十分考えたい。
複雑な分析や手法はFX初心者にとって稼ぐための邪魔になる?
FX初心者は稼ぐために勉強をした方がいい、ということをよく聞くが、本当にそうだろうか? FX初心者が稼ぐために必要な知識や情報について考察する。
FX初心者は勉強しても、適切に知識を扱えない可能性がある
FX初心者は稼ぐために「FXのトレード方法を学んだ方がいい」「テクニカル分析やファンダメンタルズ分析などを書籍などで学ぶべき」といったおすすめを見るが、FXのトレード手法や分析方法というのは何をどう学ぶかも統一されているものではなく、また深く勉強しても、取引経験が浅いと、その知識を適切に処理できず、かえって混乱を招く可能性がある。
知識をどう扱うかはFX以外の投資経験も関連することでもあり、書籍で勉強してもよくわからないというFX初心者は、本記事で紹介したようなシンプルな取引戦略から始めてみることもひとつの方法だろう。
取引経験を積む中で、「こうした場合はどうすればいいか」「なぜこのような値動きをするのだろうか」など細かい疑問が湧いてくるもので、そうした疑問を調べることで、各トレーダーに最適なステップで知識を少しずつ広げる方法もある。
知識をしっかり蓄積するためには、「取引までの経緯(取引根拠)」「決済をした理由」などと共にトレード日誌を付けることをおすすめする。
テクニカル分析は1種類か2種類程度から始める
相場分析や相場予測の方法として、テクニカルツールを用いた分析はFX初心者でも始めやすいだろうが、テクニカル分析は1種類や2種類程度の利用から始めたい。
テクニカル分析はパラメーターを調整すると、様々な取引チャンスや相場分析の見解を示唆するため、FX初心者の経験不足の状態で、そういった情報を大量に見てしまうと、的確に判断できず、無謀に取引することも考えられる。そうなると、ただただ損失リスクを増やすだけ。
テクニカル分析を丁度良い距離感で活用することも取引経験と相関することなので、FX初心者のうちは必要最低限のテクニカル分析だけ利用する、という考え方を検討したい。
スキャルピングなど複雑な取引手法は初心者に再現できない
スキャルピングなど短期トレードはFX初心者に再現しづらい取引方法といえる。取引は短期間になればなるほど、高度な取引手法とメンタルコントロールを求められるものだ。
FXの短期間でハイリターンを狙えることに魅力を感じ、デイトレードやスキャルピングを始めたとしても、FXの経験が浅い初心者では長く続かず、高い確率で負けることになるだろう。
FXに慣れていない頃は、まずはシンプルな取引戦略で始めてみることをおすすめする。
分析や取引手法は経験が貯まってから広げる
テクニカル分析やスキャルピングなどのトレード手法は、取引経験が蓄積されることで、有効的に活用できるようになるだろう。
FX初心者の時期は「負けにくい戦略」を念頭に、シンプルな取引を心掛けるようにしたい。また、「1か月で○○円儲ける」「1週間で△△円儲ける」といった利益目標を立てると、シンプルな取引戦略から離れ、無理をして取引するリスクが高まるため、わかりやすくチャンスが発生したから取引する、といった気軽なトレードスタンスでFXに臨むことをおすすめする。
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