初心者向けFXトレード方法と3つのFXトレードスタイル
公開日:2017年5月30日 7:00
最終更新日:2020年12月30日
FXの取引方法は「1日で1万円稼ぎたいから短期トレードをしよう」など、求める利益から決めることはおすすめできない。自身の生活スタイルや投資レベルに応じたFXの取引方法、トレードスタイルを探した方が賢明だろう。ここではFXのトレード方法、トレードスタイルについて紹介する。
FX初心者がトレード方法を決めるコツ
FX初心者は自分に合うトレード手法を探す上で、下記の3つをまずは考えてみてはいかがだろう。
【FXトレード手法を決める上での参考要素】
- 生活環境
- 運用期間
- 投資経験
生活環境
生活環境はFXに割ける時間にも関連する。FXのトレードは平日であれば基本的に24時間取引できるが、仕事や家庭、プライベートの状況から、FXの取引に費やせる時間や勉強する時間は人それぞれ異なるだろう。
自分はどれくらいFXに時間を割けるのか考えておくといい。のちほど紹介するFXトレード手法の中から自分に合うトレード手法を選ぶときの参考になる。
投資経験
投資経験はFX以外の投資商品(株取引や投資信託、仮想通貨)を取引したことがあるかどうか。株取引や仮想通貨で短期トレードをして、利益を残せている人は、FXでもその経験は有効に活かせるだろう。
投資経験が全くないという人でも、これから勉強すれば問題ないが、投資経験をある程度必要とする裁量取引の「デイトレード」や「スキャルピング」などのトレード手法は実践しない方がいいだろう。
株や仮想通貨の投資経験が、FXで邪魔をする可能性もある。株式の場合、株価は企業価値に応じて無限に上昇する可能性があるが、FXの取引対象である通貨は価値が上昇し続けることはない。それにも関わらず、株式の感覚で取引していると痛い目に合うケースもある。
運用期間
運用期間は短期、中期、長期の3パターンがある。FXは短期的に大きな利益を狙おうとすると、取引は難しくなり、初心者にとってはリスクも上がりやすくなる。運用期間が長期になると、初心者は目先の相場に一喜一憂する可能性も少なくなり、FXへ費やす手間も少なくなりやすいが、一般的にイメージされるFXの爆発力のある利益とは異なり、地味な印象を受けるかもしれない。
運用期間は生活環境と投資経験をもとに考えられる。FXに費やせる時間があり、投資経験が豊富なら、「デイトレード」や「スキャルピング」といった短期の取引でも十分に対応できると思われる。
FXの3つのトレード方法
FXは主に3つのトレード方法に分けられる。「FX初心者がトレード方法を決めるコツ」で考えた3つのポイントをもとに、どの取引方法が自分に合うのか探してみるといい。
FXのトレード方法は経験を積めば、いつでも変更することが可能なので、まずは実践可能なトレードから始めるという方法もある。
【FXの3つのトレード方法】
- 自動売買
- スワップポイント狙いのFX
- 裁量取引
自動売買
生活環境 | 投資経験 | 運用期間 |
忙しい人でもOK | 初心者でも始められ、中級者や上級者も活用可能 | 初心者は中長期がベター。中級者以上なら短期でも運用可能 |
FX自動売買は、トレードを自動化できる方法。ソフトやツールをインストールする、難しいプログラミングを学ぶ必要はなく、FX会社のサービス上で、自動売買を実践できる。自動売買は規則正しいトレードを実現しやすいため、感情や欲に流された取引を抑えることもできる。
また、自動売買は他人の自動売買トレードを再現しやすいため、個人投資家やブロガーの自動売買手法を真似しやすいことも特徴。
【FX自動売買とは? 仕組みと基礎知識】
【FX自動売買ツールの選び方とツール比較】
【FX自動売買のやり方・始め方】
スワップポイント狙いのFX
生活環境 | 投資経験 | 運用期間 |
忙しい人でもOK | 初心者でも可能で、上級者でも活用可能 | 中長期が基本 |
FXにはスワップポイント(金利差損益)という利益があり、スワップポイントは売買をしなくとも、ポジションを保有するだけで獲得することが可能。得られる利益は自動売買や裁量取引に比べると小さな額だが、目先の相場予想をする必要はなく、トレードの戦略を小難しく考える必要もない。
取引する通貨ペアの金利情勢などには目を向けなければならないが、初心者でも始めやすい運用方法ではある。
【スワップポイント狙いのFXとは】
裁量取引
生活環境 | 投資経験 | 運用期間 |
FXに時間を割ける人 | 初心者からでも可能だが、訓練が必要 | 短期~長期でも対応可能 |
裁量取引は、取引におけるすべての作業を自身で行うトレード手法。自動売買でもなく、スワップポイント狙いのFXでもなければ、基本的に裁量取引の範囲内だろう。
裁量取引は自由度が高く柔軟性も高い一方、初心者の場合、欲や感情に任せたトレードに陥ることも珍しくなく、FXのトレードで大切な「規則性」「ルール」を守ることができなくなる人も多い。また、トレード方法は、自身で体得する必要があり、会得するまでに時間や手間がかかる場合もある。
【FX裁量取引とは?】
下記のようなトレード方法もあるが、本サイトではすべて裁量取引内の取引方法として考える。
スイングトレード | デイトレード | スキャルピング | |
取引頻度 | 数日~数週間に数回 | 1日に数回 | 数分単位で何度も取引 |
取引概要 | 数週間単位で中程度の値幅を狙う | 1日でトレードを完結させる | 数銭の細かい利益を狙う |
FXのトレードスタイルを3つ紹介
「FX初心者がトレード方法を決めるコツ」や「FXの3つのトレード方法」で紹介してきた取引手法や要素をもとに、FXのトレードスタイルをいくつか紹介する。自分のイメージするトレードと近いものがあれば、参考にしてみては。
【FXのトレードスタイル(参考)】
- 長期でコツコツ運用スタイル
- トレンドが現れたときに稼ぐ中期運用スタイル
- 目先の相場からアクティブに利益を狙う短期運用スタイル
長期でコツコツ運用スタイル
6か月以上の長期で収益化を目指す運用スタイル。自動売買であれば、6か月や1年以上の期間を見込んで、じっくり腰を据えた運用を行う。スワップポイントだけを狙うFXも、この長期運用スタイルになるだろう。
裁量取引の場合でも長期でポジションを保有することは可能だが、もし実践する場合は長期用の口座を保有し、別に管理しておきたい。裁量取引は柔軟性が強みで、長期運用と短期取引の口座を一緒にすると、資金管理が煩雑になる可能性がある。
- 長期運用スタイルのメリット
-
目先の相場変動にとらわれない投資が可能。相場予想や相場観を持ち合わせていない初心者でも実践しやすい。
- 長期運用スタイルのデメリット
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ある程度の相場変動にも耐えながら、長い期間で運用し続けられるように、資金を多めに用意する必要がある。また、自動売買やスワップポイント狙いのFXでは、小さな利益を積み重ねる運用となり地味な運用に思えることも。
トレンドが現れたときに稼ぐ中期運用スタイル
上昇や下落トレンドが明確に現れたときに積極的に取引をする運用スタイル。トレンドが続く期間に応じて、取引するスパンも異なり、数週間~3か月程度に及ぶことも。もちろんレンジ相場でもこうした取引は可能で、「自分が得意とする相場のときだけ運用する」というイメージ。
裁量取引だけではなく、自動売買でもこうした取引は得意。
- 中期運用スタイルのメリット
-
特定の条件を満たした場合に限り、その期間だけ集中して取引するため、意中の相場でなければ、価格のチェック等も細かく行う必要はなく、手間もかからない。
- 中期運用スタイルのデメリット
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トレンド転換点を見極める能力が必要となる。いつ上昇トレンドに変化したのか、いつレンジ相場になったのか、ということが判断できなければ、失敗する可能性も高くなる。
目先の相場からアクティブに利益を狙う短期運用スタイル
目先の相場からアクティブに利益を狙うため、短期で取引を完結する運用スタイル。その日限り(デイトレード)、早ければ数分程度(スキャルピング)という短期トレード。トレード方法は裁量取引が最も実践しやすい。
- 短期運用スタイルのメリット
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柔軟に目の前の相場展開から利益を狙える。短期でポジションを手放すことも多いので、損切がしっかりできるなら、リスクを管理することも可能。
- 短期運用スタイルのデメリット
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高いFXのレベルを持ち合わせていないと、すぐに資金は尽きる。相場予想は短期になればなるほど難しくなり、相場分析能力とは別の「反射神経」「直感力」なども求められる。
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