投資の勉強したくない…初心者向け「つみたてNISA」悩み相談
公開日:2018年1月23日 18:00
最終更新日:2021年3月2日
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投資に手間暇かけたくないのですが?
「仮に投資初心者が一時にまとめて投資信託を購入したとして、日々の市況変動に一喜一憂して失敗しやすい。毎月ルールに従って、一定額を自動的に購入するつみたてNISAの場合、売買のタイミングに迷うこともなく、市況の騰落が比較的気にならない」(山崎氏)
投資信託には元本割れのリスクはあるが、長期の積立投資はそのリスク軽減が期待できる。
「毎月定額で買う仕組みだから、対象の投資信託が値下がりした際には同じ額で多くの口数を購入し、その後値上がりすれば少ない口数を買う。それを繰り返していれば、自然と安い時に口数を多く購入できる分、利益を出せる可能性が非常に高くなる。
この手法で利益を得ていくのが資産形成の王道で、大きな儲けにはならなくとも預貯金で運用するよりは利益を期待できる。これを制度化したものが、つみたてNISAなのです」(深野氏)
ただし、非課税枠の再利用ができないので要注意だ。年間40万円の非課税枠のうち、年度途中までで20万円を使って投資し、その商品を売却しても、同じ年に使える非課税枠は残り20万円。売却した20万円分の非課税枠は“復活”しない。
インターネットが不得意でも大丈夫?
山崎氏は「ネット証券の方が品揃えが多く、手数料の安い良心的な商品がある」と指摘するが、ネット手続きが苦手なら銀行や信託銀行の窓口で相談することもできる。
三井住友銀行では「選びやすさを重視」(広報部)して、窓口で案内するのは3銘柄のみ。各行とも品揃えが少ないのは「商品選択に迷わなくて済むように」(深野氏)との配慮がある。
専用口座の開設の方法は?
制度を利用するにあたり、つみたてNISAの専用口座を開設する必要がある。専用口座の申込書類は窓口で受け取ることができる。口座の届出印鑑、運転免許証などの本人確認書類(通知カード・マイナンバーカード)を持参した上で、申込書に記入して提出する。
銀行を通じて税務署への申請が行なわれるため、税務署の審査に1~2か月を要するが、審査終了の連絡を受けて再び窓口に足を運ぶと、積立額や投資信託の銘柄を決め、取引を始めることができる。この積立額や投資先について、行員に相談することも可能だ。
※週刊ポスト2018年1月26日号