資金が無くても投資ができる! ポイント投資の特徴やメリットを解説
公開日:2018年8月10日 7:00
最終更新日:2018年10月16日
楽天ポイントやdポイントなど、自社の提供するサービスを利用した人に対して、独自のポイントを還元することが当たり前になってきた。そのため、還元率の高いサービスなどを駆使して、ポイントを貯め込んでいる人も多いのではないだろうか?
これらのポイントは「1ポイント=1円」といったかたちで、買い物やカタログに掲載されている商品との交換に今まで利用できたが、他社との差別化を図るために「ポイント投資」という利用方法が新たに加わった。そこで今回は、このポイント投資がどのようなものなのか見ていこう。
ポイント投資とは
ポイント投資とは、楽天ポイントやdポイントなど、各企業がサービスの利用者に対して還元しているポイントを、運用することで増やしていくというものだ。
各企業は、自社のサービスの利用者やリピーターを増やすために、「100円で1ポイント」など、ポイント還元を行っている。貯まったポイントは「1ポイント=1円」で、買い物やカタログに掲載されている商品との交換に利用できる。
これまでは、上記のように買い物や商品との交換で消費するという一択に限られていたが、株式投資や投資信託、ETF(上場投資信託)などの資産運用が選択肢に増えたことによって、ポイントの利便性がさらに高くなったと言えるだろう。
ポイント投資に対応している主なサービス6選
ポイント投資に対応しているサービスを提供しているのは1社2社だけにとどまらない。
2016年にクレディセゾンがポイント投資を開始してからは、次々と企業がポイント投資に参入してきている。2017年には楽天ポイント、2018年にはdポイントなど、利用者の多い企業が参入したことで、さらに競争が激化している。
ポイント投資に対応している主なサービスは以下の6つが挙げられる。
それぞれのサービスと提携している企業に違いがあるほか、サービスによってポイントを疑似的に運用するのか、ポイントを現金に一度交換してから運用するのかなど、仕組みにも様々な違いがある。
それぞれのサービスの詳細について見ていこう。
クレディセゾン(永久不滅ポイント)
大手クレジットカード会社の1つであるクレディセゾンが発行しているカードを利用して貯まるのが「永久不滅ポイント」だ。
クレディセゾンは、オンライン証券会社の1つであるマネックス証券などと提携しており、その運用会社を利用したポイント投資が可能。
ポイントをそのまま運用してポイントで受け取るため、ポイント投資を行うために、新規に口座を開設する必要がないのは、大きな魅力と言えるだろう。買い付け(運用)は1ポイントから可能(100ポイントから運用口座にチャージ可能)。
インヴァスト証券(インヴァストカードのポイント)
インヴァスト証券が発行しているインヴァストカードを利用して貯まるのが「インヴァストカードのポイント」だ(インヴァストカードの場合、貯まったポイントは毎月1ポイント=1円単位で自動的に現金化されるため、ポイントという概念は薄いかもしれない)。
貯まったポイントは、自社のトライオートETF(マネーハッチ)という運用サービス上で運用が行われる。
運用には証券口座の開設が必要。しかし、最低投資単位(1000円程度)に到達すれば自動で運用されるほか、ポイントは現金化されるため、交換の手間を省くことができるのが特徴だ。
楽天証券(楽天スーパーポイント)
楽天ポイントは、楽天市場や楽天カードなど、様々な利用方法で貯まるため、ご存知の人も多いのではないだろうか?
楽天証券というオンライン証券会社から楽天ポイントの運用を行うことになる。ポイントを現金にしてから投資信託を購入して運用するため、取引口座の開設が必要になってしまう点が少し面倒である。
投資信託の買い付け(運用)が100ポイント(100円)からと手軽であるほか、利益を受け取る際は現金で受け取るため、交換の手間を省くことができるのが特徴だ。
※楽天ポイントは「楽天カード」の連携で貯めやすくなる。楽天カードに関する記事はこちら。
お金のデザイン(JRE POINT、dポイント)

JREの「ポイント投資」サービス
JREはJR東日本、dポイントはNTTドコモがそれぞれ発行しているポイントで、これらのポイント投資を手掛けているのは、ロボアドバイザーの「THEO」を手掛けるお金のデザインである。
運用は「アクティブ投資」と「バランス投資」の2パターンから選ぶだけ。細かい運用はTHEOがすべて自動で対応してくれる。それぞれのポイント投資サービスは、「JRE」もしくは「dポイント」のサイトから運用が可能(THEOの運用サービスについてはこちらの解説記事を参照)
THEOは、ETFを投資対象としているが、ポイントのまま運用を行うため、新規に口座を開設する手間を省くことができるのが大きな魅力だ。
また、運用しているのがロボアドバイザーの大手であるという安心感もあるため、これからに期待できるポイント投資サービスの1つと言えるだろう。

dポイントの「投資サービス」
ドコモユーザーなら、「dカード」を活用することで、さらにお得にポイントを貯められる。
トラノコ(PointExchange、Gポイントなど)
ポイント交換サイトの大手であるPointExchange、Gポイント、ネットマイル、ポイントタウンbyGMOの4社(2018年8月時点)は、お釣り投資「トラノコ」と提携して、ポイント投資を行っている。
こちらもポイントを現金にしてから投資信託を購入して運用するため、取引口座の開設が必要となる。また、サービスを利用するにあたって、300円の月額手数料がかかる。
お釣り投資のサービスを手掛けているだけあって、買い付け(運用)が6ポイント(5円)からと手軽な点も特徴。
StockPoint(ドットマネー、永久不滅ポイント)
「StockPoint」はサイバーエージェントが手掛けているポイント交換サイトである「ドットマネー」や「永久不滅ポイント」と提携してポイント投資が可能。投資信託やETFではなく、個別株式に投資できるというのは大きな特徴だ。
ポイントが実際の株式価格と同等に貯まれば、株券に交換できる。「おまけとしてのポイント」⇒「実際の株式」という交換ルートは珍しい(株式に交換する場合には、SBI証券やみずほ証券の口座開設が必要)。
ポイント投資のメリット
ポイント投資の競争が激化してきていることが分かったが、ポイント投資を始めることにメリットはあるのだろうか? ポイント投資のメリットは以下の2つが挙げられる。
■手軽に始めることができる
■ポイントのままだと税制上の優遇がある
それぞれのメリットの詳細について見ていこう。
手軽に始めることができる
ポイント投資の最大のメリットは、手軽に始めることができるという点である。資産運用は、銀行預金のように元本が保証されているものもあるが、株式投資などは元本が保証されていないため、元本割れのリスクと隣り合わせにある。そのため、資産を失ってしまうことを恐れて、資産運用に一歩踏み出せずにいる人も多いのではないだろうか?
ポイントも1ポイント1円の価値があるため、資産と言えないこともないが、どちらかと言えば、現金のようなものではなく福引で当たった商品券のようなものである。そのため、もしポイント投資を行って、無くなってしまったとしても、元々タダで貰ったものなので、そこまで懐が痛むわけではない、という人も多いだろう。
また、現金と異なり、ポイントは貯めていたとしても使わない可能性があることを考えると、「失ってしまったらどうしよう」といったマイナスの感情にとらわれることも少ないため、ポイント投資は手軽に始めやすい資産運用と言える。
ポイントのままだと税制上の優遇がある
税制上は、ポイント投資に関する立ち位置はまだ明確になっていない。現在は、サービスを利用したことでもらうことができるポイントやマイルなどは、一時所得と考えられている。
一時所得とは、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」とされている(国税庁HPより抜粋)。懸賞や福引の商品や法人から贈与された金品、競馬や競輪の払戻金などが一時所得だ。
一時所得の税額を算出する場合の計算式は以下の通りである。
総収入金額―収入を得るために支出した金額―特別控除額(最高50万円)=一時所得
この計算式が意味しているのは、最高50万円が非課税になるということだ。ポイント投資程度では、年間50万円以上の利益が生じることは数千万ポイントを運用していない限りは正直期待できない。そのため、ポイントのまま運用している場合は実質非課税という優遇を受けることが可能だ。
しかし、ポイント投資の中には、ポイントのままではなく、一度現金に交換してから運用を行うものもある。
そのような場合には、一時所得としてではなく、株式等の譲渡益として課税が行われるため、利益に対して所得税15%、住民税5%を加えた20%(2037年までは復興所得税2.1%が所得税に上乗せされるため正確には20.315%)が徴収されることになる。
少しでもポイント投資によって得た利益を大きくしたいのであれば、ポイントのまま運用した方が良いと言えるだろう。
ポイント投資で注意したい点
ポイント投資のメリットだけを見ると、リスクを抑えながら資産運用を行うことができるだけでなく、普通に資産運用を行う場合よりも税制上の優遇が受けられるといったように、良いことだらけだが、ポイント投資にも注意点はある。以下の2つには気をつけよう。
■運営会社が破綻するリスクがある
■相続することができない
運営会社が破綻するリスクがある
ポイントの運用会社が破綻した場合には、現状では保護される仕組みが整っていないため、破綻とともにポイントを失ってしまうことになる。
一般預金などは、預金保険機構によって1銀行に対して1000万円まで保護されることになっているが、ポイントにはそういった制度がないため、保護されないと考えておいた方が良いだろう。しかし、ポイントとしてではなく、証券等に交換していた場合は、日本投資者保護基金の保護を受けることができる。
先ほどは、税制上の優遇を受けたい場合には、ポイントのまま運用した方が良いと言ったが、万が一の事態に備えておきたい場合には、ポイントではなく、証券に交換して運用した方がリスクを抑えることができると言えるだろう。
譲渡したり相続したりできない
ポイントは1ポイント1円の価値があるため、それを譲渡したり相続したりしても問題が無いように感じるが、基本的にできないことになっている。
各企業によって、対応が異なっているため、正確には各企業の規約を熟読する必要があるが、クレディセゾンの永久不滅ポイントやNTTドコモのdポイントなどは、死亡した場合には承継できないということがしっかりと明記されている。
「譲渡も相続もできないのであれば諦めるしかない」と思うかもしれないがそういうわけではない。例えば、貯まったポイントで買い物やカタログに掲載されている商品と交換してしまえば、譲渡や相続したのと何ら変わりはないので問題はない。
しかし、死亡してしまえば、消費することすらできなくなってしまうため、もしポイントを大量に保有している場合には、あらかじめ消費する計画を立てておいた方が良いと言えるだろう。
ポイント投資は規模が小さいものの試す価値あり
これまでに述べたポイント投資の要点をまとめると次の通りだ。
■ポイント投資には楽天ポイントやdポイントなどの大手も参入している
■現金を運用するわけではないのでリスクも低く手軽に始めることができる
■現金で資産運用する場合よりも税制上の優遇を受けることができる
■運営会社が破綻した場合は保護されない可能性が高い
■相続や譲渡には対応していないため失う可能性がある
ポイント投資の注意点は事前に対策を練っておくことができるため、対処できないということはない。リスクも低く手軽に始めることができることに加え、税制上の優遇があるという現状では、ポイント投資のメリットが際立つ。
100万ポイントなど、高額なポイントを運用することは現実的にあり得ないが、お小遣いを運用に回す程度の感覚であればポイント投資を試してみる価値は大きいといえるだろう。
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