面接は転職において、最も重要な場面。面接でのあなたの印象によって、企業側が出す結果が大きく左右されます。
だからこそ、面接で失敗しないために事前にしっかり対策しておきたいですよね。そこで今回は知っておくべきことをまとめました。
具体的には、
- 転職面接の流れ
- 面接前に準備しておきたいこと
- 転職面接におけるポイント
- 面接関係のメールはどう対応する?
- 面接で失敗しないために押さえておきたいこと
などを解説していきます。
面接の流れ

面接の仕方は企業によって様々ですが、おおまかな流れにそれほど違いはありません。転職面接を優位に進めるために、「面接の流れはどんなものなのか」を把握しておきましょう。
「自己紹介をお願いします」
転職に限らず多くの面接では、まずあなたの自己紹介から始まります。面接の冒頭は、最も緊張する場面。自分のペースを作るためにも笑顔で、かつ大きな声で自己紹介をしてください。
自己紹介は、順番はともかく面接ではほぼ100%聞かれることです。前職の実績や強みなどの自己PRも含めつつ、しっかり事前に考えて、納得のいくものを作っておきましょう。
自己紹介は面接の最初にあることが多いため、失敗してしまうとその後に立て直すのが大変になります。何度も反復練習して、確実に言えるようにしておいてください。
「当社を志望した理由を教えて下さい」
自己紹介に続いて、志望理由も聞かれる頻度が高いです。ときには自己紹介とセットで、志望理由を求められることもあります。始めの一番緊張している場面で、面接においてかなり重要になる回答が続くと緊張してしまいますよね。ここも落ち着いて対処できるようしっかり答えを練っておきます
転職面接における自己アピールはとても大事ですが、あまり長くなりすぎると緊張して何を話しているかわからなくなったり、変なことを口走ってしまうかもしれません。
また「話が長い」「要点を得ない」回答だと面接官の評価を下げてしまう危険性もあります。なるべく端的に話すため、自己紹介から志望理由までで、概ね2~3分くらいを目安に考えておきましょう。
「転職(退職)しようと思ったきっかけを教えて下さい」
転職理由や前職の退職理由は、ほぼ確実に聞かれると思って良いでしょう。企業の面接担当からすれば「なぜ前職を辞めようと思ったのか」は、自社で長く働ける人材かどうかを見極めるために聞くものなので、とても重要です。
例えば人間関係で前職を辞め転職しようとしている人材の場合、自社に入社しても同じく人間関係でトラブルや悩みを抱え、早期離職してしまう可能性があります。
そのため面接担当者は、転職理由や退職理由を面接の早い段階で質問し、その応募者が自社にマッチした人材かを見極めるわけです。
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面接官によるフリー質問タイム
ここからの質問は、面接官や企業によってかなりばらつきがあります。なぜなら企業や面接官によって、それぞれ「欲しい人物像」「優秀な人材像」は異なるから。
大企業であれば、ある程度は面接の流れが決まっていて、マニュアル通りに進めるでしょう。一方で中小企業では何を質問するか、面接官に一任されているケースも少なくありません。突拍子もない質問をしてきて「対応力」をみたり、前職でどんな責任でどんな業務を行ってきたか、それに対してどんな成果を上げられたかなどという「実務能力」をみたりと、様々です。
30分ほどの面接であれば、このフリー質問は3~5つくらいは聞かれるはずです。落ち着いてひとつひとつしっかりと答えていきましょう。
なにか当社に質問はありますか?
最後にかならずといって良いほど聞かれるのが、この逆質問です。その場で考えると聞きたいことを聞けなかったり、「特にありません」と言うのは企業側にマイナスにとられてしまう可能性があるので、事前にいくつか用意しておくのが鉄則。
面接によっては会社説明をしっかりしてくれる企業もあります。用意している質問が少ないと、その説明で質問内容が解消されてしまい、聞くことがなくなる場合もあるでしょう。
そのためこの逆質問は、最低でも3つ、できれば5つくらいは用意しておくようにしてください。ですがたくさん質問しすぎるのも、「心配性」「神経質」などと受け取られ評価を下げかねないので、2~3つくらいがベターです。
面接前に準備しておきたいこと

面接は、事前準備で9割が決まると言っても過言ではありません。思いつきで回答しても辻褄があっていなかったり、自分を魅力的にアピールできなかったり、最終的に悔いが残る結果になってしまいます。
そこでこの章では、面接前に準備しておきたいことを解説していきます。
キャリアの棚卸し
キャリアの棚卸しは、転職面接の事前準備として必須といえるほど重要です。転職を始める時にすでにやっているかもしれませんが、自己分析の中でキャリアの棚卸しをすることで、自身の強みをあなた自身がしっかり理解できるのです。
- いままでどんな仕事をしてきたか
- どんな責任や立場で業務を任されていたか
- 前職で上げた成果は?
- なにか賞をもらったことはあるか
- 成果を出すために、どんなことを考え実行したか
など、自分のいままでのキャリアで培ってきた能力や実績を、自分自身でしっかり把握すれば魅力的な自己PRにつながるのです。そのためキャリアの棚卸しは、しっかり時間をかけて徹底して振り返ったり行うようにしましょう。
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企業研究
企業研究は、面接における「志望理由」や「自己PR」などのためにやっておきたい事前準備のひとつです。そもそも応募した会社のことを知らないと、その会社の魅力や事業内容がわからないので、志望理由を述べることができません。
またその会社がどんな人材を採用したいのか、どんな社風なのか、職務内容そのものなどを研究しておかないと、それに合わせた「自己PR」ができませんよね。「チャレンジ精神旺盛な人材」を求めているのに、「慎重でミスなく確実に仕事をこなせること」をアピールしても、面接官の心には刺さらないでしょう。
その会社に応募する際すでに調べているとは思いますが、転職面接で的確な回答をするためにも、事前の企業研究は徹底して行うようにしましょう。
模擬面接
面接で緊張して失敗しないために、できるだけたくさん模擬面接をしておくのがおすすめです。いくら良い自己紹介や志望動機を考えても、それを本番でしっかり言えないのでは意味がありません。
頭が真っ白になってしまったり、しどろもどろになって何を言っているかわからなくなったりしてしまうのは練習不足が原因です。できるだけ多く模擬面接をして、様々な質問に対応できる準備をしておけば、本番でも緊張を抑えられますよ。
模擬面接は転職エージェントを活用するのが得策
模擬面接は、転職エージェントを利用するのが最も効果的です。転職エージェントは、マッチした求人を紹介してくれるだけでなく、その会社で採用をもらうためのサポートもしてくれます。
その企業の面接官がしそうな質問を把握しているので、効果的な面接練習ができるのです。模擬面接をするなら友人や家族などでもOKですが、転職のプロである転職エージェントを活用するのがベターな選択といえるでしょう。
当サイトでおすすめしている転職エージェントはリクルートエージェント。国内最大級の転職エージェントなので、登録しておいて損はありません。他にも幅広く抑えておきたいなら、dodaエージェントやマイナビエージェントなどにも登録しておくと安心です。
面接におけるポイント4つ

次は、転職の面接における4つのポイントを伝授します。
身だしなみを徹底的にチェックする
「新卒ではなく転職での面接なんだから、見た目よりも能力があれば大丈夫だろう」と思っているなら大間違いです。アメリカの心理学者メラビアンが提唱した法則では、「第一印象は出会って数秒で決まる」と言われています。
また同時に、「その人を判断するために優先する要素は、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%」とも。身だしなみは、応募者の印象の半分以上を決める視覚情報です。
そのため、面接に望む前に徹底してチェックしておく必要があるのです。もっといえば、そもそも仕事ができる人は身だしなみにも人一倍気を使っているはずです。
「足元を見る」という言葉があるように、相手にどう見られるかが、自分が信頼を得るために重要なのをご存じでしょうか。たかが身だしなみとおろそかにせず、シャツの黄ばみやしわ、スーツの擦れ、寝癖やひげなど、1つ1つ念入りにチェックするようにしましょう。
上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。この記事では、転職面接に臨む方に向け、下記について紹介していきます。 転職面接における服装の重要性 足の先から頭の先でチェックすべきポイント(男女別) 転職面接の[…]
実績や強みは具体的に
転職面接で自己PRをする時に、自分が今まで上げてきた実績や強みを伝えるはずです。そのときのポイントは、「できるだけ具体的に表現する」ことです。
悪い例を挙げると「営業職として入社したての頃は数字が悪かったが、日々努力してきたことで売上目標達成できるようになりました」というのはNG。具体性がなく、面接官は営業職として優秀なのかわかりません。改善例としては、以下を参考にしてください。
「営業職として入社して1年目の頃は、売上目標が未達になることが多かったですが、成績トップの先輩に同行をお願いして徹底的にやり方を吸収しました。そのことで、2年目以降は売上目標を常に達成することができ、社内の順位も50人いる営業の中で常に5位以内に入ることができています」
このようにいかに具体的に、かつ数字で表現できるかが、相手にうまく伝わるか大きく影響します。あなたの魅力を正確に伝えるためにも、実績や強みはできるだけ具体的に話すようにしましょう。
経験と求人との共通点を見出す
同業種・同職種に転職する場合は、前職の実績や経験をそのままアピールすれば問題ないですが、そうでない場合は自己PRに悩んでしまうかもしれません。
そんなときは、自身のやってきた職務経験と、その求人情報や職種などの共通点を見出して自己PRするのが得策です。たとえば、サービス業で働いていた人が営業職に応募する場合は、以下のように共通点を見つけてアピールしましょう。
「前職ではお客様満足いただくために、休日に携帯ショップや百貨店などで実際に接客を受けて勉強してきました。御社の既存顧客の営業職として、より多くのサービスを契約することはもちろんですが、その過程でお客様にご満足いただけるような対応をし、信頼関係を構築していくことが重要だと考えています。前職で社内接客コンテスト1位を取った経験とスキルは、既存顧客を大切にする御社の営業職でも活かせると考えております。」
面接官を笑顔にする
もしあなたが採用担当者なら、一緒に働いていて楽しい人と、そうでない人、どちらを採用したいですか?真面目に自己PRしたり受け答えしたりするだけでは、あなたがどんな人間か、その人となりは見えづらいでしょう。
ところどころ自分をさらけ出すことによって、能力や実績だけではない、あなたの人間的な魅力が伝わるのです。とはいえ緊張感が漂う面接の場で、面接官を笑わせるなんて少しハードルが高く感じるかも知れませんね。
でも意外と相手を笑顔にさせるチャンスは転がっています。緊張して言葉に詰まってしまった時なら、「申し訳ございません、御社に入社したい思いが強すぎてしまって、緊張で頭が真っ白になっています。」と笑顔で言えば、相手も悪くは受け取らないでしょう。
また趣味を聞かれたら、「映画鑑賞です」とただ答えるのでは興味をもってもらえません。「映画鑑賞が好きで、特にスタジオジブリの作品は主人公の名前をすべて言えるくらい観ています」などと、面接官にふふっと笑みがこぼれるような伝え方をするのは、少し考えれば誰にでもできるはずです。
このように面接官が笑顔にすることができれば、面接の雰囲気が和むだけでなく、あなたに魅力を感じてもらえる可能性が高まります。
面接関係のメールはどう対応する?

転職活動の際、企業との面接日程の調整や選考書類のやりとりなどは、メールで行うことがほとんど。実際のところ面接は、このメールからすでに始まっているといっても過言ではありません。
この章では、企業との面接関係のメールにどう対応するべきか、詳しく解説していきます。
メール返信は迅速に!24時間以上は間を開けない
メールの返信速度、つまりレスポンスの早さは意外と企業から見られているポイントです。履歴書や職務経歴書の送付の早さ、面接の日程調整の迅速さなどは、入社してからの業務の進め方を想像するのに役立ちます。
メールの返信が早い人材は、仕事もスピーディに進められると判断され評価が高まる可能性があります。またそれ以前に、企業担当者としても選考の工程がスムーズに進めば、さまざまな調整もしやすいため好印象に繋がります。
逆に返信が遅いと、他の仕事にも悪影響を及ぼすため悪い印象を持たれがち。メールから転職面接は始まっていると意識して、なるべく迅速に返信するようにしてください。
メール文面は完結に!面接日程などは箇条書きにする
面接に関わるメールのやりとりでは、体裁も非常に重要です。企業担当者へのメールを、まるで友人に送るかのような文面で送ってしまうと、「常識のない人材」「ビジネスマナーが備わっていない」と判断され、評価を落としかねません。
メールにはある程度、書き方のルールが存在します。企業担当者は忙しい合間をぬって、あなたとの面接調整を進めてくれています。箇条書きなどを使って、なるべく完結にわかりやすい文面にするようにしましょう。自信のない人は、以下の文面を参考にしてください。
〇〇株式外社
人事課長 〇〇様
お世話になります。東京都武蔵野市の〇〇です。
この度はお忙しい中、面接のご連絡をいただき誠にありがとうございます。
以下日程にて、ご都合の良いものがございましたら、ぜひご調整をいただければ幸いです。
①○月〇〇日(水) 13時~17時までの間
②○月〇〇日(木) 終日
③○月〇〇日(金) 15時以降終日
大変お手数おかけいたしますが、何卒よろしくお願い致します。
(氏名/携帯番号)
面接で失敗しないために押さえておきたいこと

面接で失敗しないために、押さえておきたいことを解説します。
言葉に詰まってもOK!そのときの対処法を用意しておこう
面接はだれしも緊張するものです。言葉に詰まったり、噛んだりしてしまうのは当然のこと。
ただそれによって、その後の自分のペースが乱れてしまうのは避けなければいけません。そのためには、事前に言葉に詰まったときの対処法を考えておきましょう。
たとえば、「御社のビルが立派すぎて、圧倒されて想定より緊張してしまっておりまして」と、笑顔でフォローすれば「対応力がある」と逆に好印象をもってもらえることも。対処法があることで心理的に余裕もできるため、緊張を和らげることにもつながります。
緊張すると笑顔がなくなりがち!直前に鏡で笑顔の練習を
緊張すると笑顔がなくなります。とはいえ面接という緊張した場面で、笑顔を作るのはなかなか難しいですよね。その対処法としては、面接の直前にトイレなどにいって鏡の前で自分の顔を眺め、笑顔にしてみるのがおすすめです。
面接時は意識して笑顔にしないと、怒ったような顔になってしまったり、仏頂面をしたりしたまま受け答えをすることになります。前述したメラビアンの法則で言えば、表情は人の印象の半分以上を左右する視覚情報です。そのため笑顔がない面接は、失敗する可能性が高まってしまいます。
手鏡などを持参しても良いので、直前に必ず自分の表情をチェックし、笑顔の練習をしておくようにしましょう。
面接場所には30分以上前には到着!ただし会社に入るのは5分前
面接場所にはなるべく早く、できるなら30分以上前に到着するようにしましょう。早めに面接場所についていれば、道に迷って面接に遅れる心配もありません。
また忘れ物などがあった場合でも、現地調達できる時間が残っているため不測の事態に対応しやすいのです。ひとつ気をつけて欲しいのは、早く到着したからといって面接の開始時間より大幅に早く会社に行ってしまうこと。
あまりに早く会社に訪問すると、まだ面接の部屋が空いていなかったり、対応できる人がいなかったりして、迷惑をかけてしまいます。そんなことで評価を下げるのは、もったいないですよね。
なるべく早く面接場所に到着するのを心がけつつ、5分以上前に会社に入ることは避けてください。
まとめ
ここまで転職における面接について、ポイントや流れなど幅広く解説してきました。最後にまとめておきましょう。
- 面接の冒頭は最も緊張する部分。「自己紹介」と「志望理由」は完璧に暗記しておくべし
- 面接前の準備は「キャリアの棚卸し」と「企業研究」をしっかりしておけば、有効な自己PRができる
- 模擬面接はやればやるほど良い。自信がないなら転職エージェントの利用が効果的
- 転職面接に失敗しないために、第一印象を左右する「身だしなみ」がかなり重要
- 回答には面接官を笑顔にするような仕掛けを作っておくべし
- 転職は面接前のメールから選考が始まっている。メールは「わかりやすく」「迅速に」が鉄則
- 不測の事態に備えて、面接場所にはなるべく早く行こう。ただし5分以上前に会社に入るのはNG
面接が転職において最大の山場になるのはもうお分かりですよね。徹底的に準備をしておけば、面接本番でも思い通りのパフォーマンスが発揮できるはずです。転職面接に失敗して後悔しないためにも、この記事に書いてあることは忘れないようにしてくださいね。