フェイスブック参入は仮想通貨市場にプラス 目先はビットコイン円反騰
2019年2月14日 20:00

IFTA認定のアナリストで、株や仮想通貨・FXの投資家としても活躍し、ヘッジファンドとも交流の深い「天空の狐」さんが、注目ニュースをピックアップ。今の株・為替・仮想通貨相場について解説する。
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仮想通貨の長期保有要因となり得るニュース
今週のNEWSは仮想通貨の長期保有要因が多い内容だった。
2月5日、フェイスブックがスマートコントラクト企業を買収したことで、今後の仮想通貨市場情勢に期待がもてる(のちほど解説)。同日、米国仮想通貨取引所Krakenが英国仮想通貨取引所を買収したことで欧州市場への進出も強まるだろう。
米国証券取引委員会(SEC)のジャクソン委員が、ビットコインETFの承認は長期的には実現の可能性、と示唆したインタビュー記事が公開され、市場に影響を与えた。ビットコイン円が先月比―6.97%の軟調展開であったものの、2月8日に36万円台から一時40万円台に回復し、市場好転の芽吹きとも見えた。その他仮想通貨では方向感があまり感じられない。
フェイスブックが仮想通貨市場に参入した場合の影響
「ハイテク株は希望の象徴であったが、成長性としての期待は薄れている」と先日の記事でも書いたとおり、仮想通貨市場は蕾が膨らむ一方、グローバルマーケットは花が散る気配を感じられる。
そんななか、ハイテク株の筆頭「フェイスブック」が、ブロックチェーン企業のスタートアップを買収するとの報道が。フェイスブックの仮想通貨市場への参入、となれば意義は大きい。
世界中の人々が交流ツールとして利用し、膨大な情報と技術力を蓄積する彼らによって、仮想通貨市場に新たな堅牢性を生み出してくれるだろう。
フェイスブックから新しいコイン、例えば「フェイスブック・コイン」のような、新しい仮想通貨誕生に期待したい。フェイスブックのアプリ「メッセーンジャー」と「ワッツアップ(WhatsApp)」が統合されるとの発表もあるため、利用者同士の送金などの早期実現にも期待できる。
今後はフェイスブックで繋がり、食事の割り勘では、新しい仮想通貨を利用する場面もあるだろう。個人間の売買、寄付、友人へのギフトなど、日常の生活シーンから“フェイスブックの通貨”が広まることも容易に想像できる。さらに福音をもたらす理由は他にも。
仮想通貨の口座数は世界で約3500万との調査結果がある。フェイスブックは世界の月間利用者は22億人を超えており、現状から約20倍以上の人々が仮想通貨に触れることとなれば、市場価値は何十倍と上昇しても不思議ではない。
昨年12月、スマホ決済サービス「ペイペイ」による「100億円キャンペーン」が話題になったが、現金やクレジットカードで決済する時代から、電子マネー支払いがスタンダードになり得る、新しい社会文化が開花しようとしている。仮想通貨もその一端を担うのだ。
【PROFILE】天空の狐:IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、ヘンリー・ビジネス・スクール ヘッジファンドプログラム修了。PythonMT4・MT5自動売買&裁量Aiトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発。ヘンリー・ビジネス・スクールヘッジファンド・プログラムのアドバイザーを従事。オルタナティブ投資のメディア「ALTS Investor Media」でもマーケットレポートを配信中。Twitter:@firmamentfox