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「リブラ」発表以降ビットコインは上昇 仮想通貨の選別も始まるか

フェイスブックの仮想通貨「リブラ」がもたらす変革とは

フェイスブックの仮想通貨「リブラ」がもたらす変革とは

 IFTA認定のアナリストで、株や仮想通貨・FXの投資家としても活躍し、ヘッジファンドとも交流の深い「天空の狐」さんが、注目ニュースをピックアップ。今の株・為替・仮想通貨相場について解説する。

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 6月18日にフェイスブックが独自の仮想通貨「リブラ」を発表した。リブラのプロジェクトに提携する企業は約30社で、決済や通信、ブロックチェーン、ベンチャーキャピタル、仮想通貨交換業者、非営利団体、国際的組織など多岐に渡る。

 提携企業は100社以上を目指しており、フェイスブックを中心とした巨大な企業ネットワークが構築されようとしている。

 フェイスブックの利用者は世界で約23億人にものぼるため、「リブラ」を発行すれば、利用の目途も立つ。仮想通貨による「金融インフラの改革」は以前より叫ばれていたが、我々の生活シーンまで落とし込める企業はまだ存在しなかった。「リブラ」により新たなお金の流れが生まれることは必須だろう。

 新たなお金の流れは新たな経済を生む。「どこで」「誰が」「どのようにお金を利用しているか」が一層クリアになれば、広告やプロモーションは活性化され、大きな経済発展に繋がる可能性を秘めている。

 国内企業が独自の電子決済システムを抱えようとしている理由も同じだろう。セブン&アイ・ホールディングスの「7pay」は課題の残る船出となってしまったが、他企業の独自サービスのリリースは今後も続くはずだ。

「リブラ」の参入の影響? 仮想通貨の生き残り競争が激化の予感

 グローバルマーケットは7月のFOMCでの金利利下げが見込まれ、ドル安と株高の構図に。世界の景気鈍化への対抗策として、各国が緩和政策の舵を切り、通貨戦争の様相を呈している。中央銀行は市場の安定を使命としながら、政策金利を操作するものの、足元の生活環境が良好になるかは不透明だ。

 仮想通貨市場は「リブラ」発表の6月18日を境に、ビットコイン円は約43%上昇。98万台から140万台まで続伸した。リップル、イーサリアム、ライトコインなどその他仮想通貨が連れ高を見せるものの、大幅な続伸はなかった。

 仮想通貨の中でもどの通貨が生き残るのか、競争が激化していきそうだ。どの仮想通貨が社会で利用され、認知されてゆくのか、転換期を迎えているのかもしれない。ボラティリティが急激に上昇しており投機的側面を指摘される一方で、「リブラ」などの新規参入を期待しながら、長期資産として見直したい。

※「天空の狐」のコラム一覧はこちらより

【PROFILE】天空の狐:IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、ヘンリー・ビジネス・スクール ヘッジファンドプログラム修了。PythonMT4・MT5自動売買&裁量Aiトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発。ヘンリー・ビジネス・スクールヘッジファンド・プログラムのアドバイザーを従事。オルタナティブ投資のメディア「ALTS Investor Media」でもマーケットレポートを配信中。Twitter:@firmamentfox