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1ビットコイン=400万円割れ ビットコインの今後の見通しは?

ビットコインは下落相場に突入するのか

ビットコインは下落相場に突入するのか

 IFTA認定のアナリストで、株や暗号資産(仮想通貨)、FXの投資家としても活躍し、ヘッジファンドとも交流の深い「天空の狐」さんが、注目ニュースと共に、ビットコイン市場について解説する。

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 4月に一時1ビットコイン=700万円に到達したものの、5月18日には1ビットコイン=400万円を割ってしまった。米テスラのビットコイン支払いの受け入れ停止、中国人民銀行が規制強化で仮想通貨の決済手段として認めない方針を発表するなど、仮想通貨市場のマイナス材料が次々に浮上している。

 ビットコイン上昇には米テスタのCEOイーロン・マスク氏によるツイートも大きな影響を与えている。彼はビットコインだけではなく、「ドージコイン」についても言及し、仮想通貨トレーダーから一挙に注目を集めた。

ドージコインの特徴

 愛くるしい柴犬のロゴが特徴のドージコインは、市場規模が約10兆円にのぼり、年初からの上昇率は100倍強を見せている。

 ドージコインに発行上限は無いため、投機的なインフレーションを起こす可能性があると考えられる。ビットコインは発行上限があるため、長期資産としての見られ方もあるが、ドージコインにはインフレヘッジを望めない。しかし、決済速度が速く少額決済向きのため、SNSやWEBサイト上では寄付コインとしての使われ方もあるようだ。

 ドージコイン円は1ドージコイン=35~40円程度を推移。中期的に下落基調の展開が予想され、テクニカル分析などで見ると、下落シナリオが継続すれば下値目途は1ドージコイン=27~28円が一旦のサポートラインになりうる。上昇シナリオは1ドージコイン=43円を超える展開になれば1ドージコイン=45~53円を目指し、歴史的高値1ドージコイン=74円台に向けての上昇展開が予想される。

 基本的にはビットコインの動向に左右されるため、市場心理が冷静になるまで待つしかないだろう。

ビットコイン円の直近見通し

 ビットコイン円は投機的売りによる急落から、直近はコアBOX、1ビットコイン=350~450万円台で価格推移。下値目途は1ビットコイン=350万円台と現状は考えており、1ビットコイン=450万円台をブレイクするのを待っている。

 1ビットコイン=470万円台を超える展開になれば上昇再開の可能性が現れ、1ビットコイン=500~600万円台を目指し、再び1ビットコイン=700万円台に到達する可能性も出てくるだろう。

 一方、1ビットコイン=350万円台を下回れば、下落は強まり1ビットコイン=200万円台、さらには1ビットコイン=150万円台まで下落するシナリオも想定しておかなければならない。

 荒れた動向からは距離を置きながら、しばらく様子見がベストだろう。ビットコイン以外の他の優良銘柄を探す機会とも考えられる。仮想通貨市場に限らず株なども含めマーケット全体が不穏な空気に覆われているため、当面は簡単に上昇要因の材料には反応をしないだろう。

 再開の指針としてゴールド動向に注目している。仮想通貨市場への関心が再び集まるには時間がかかる。市場展開を見ながら、次への機会に備える時期を迎えたようだ。

※「天空の狐」のコラム一覧はこちらより

【PROFILE】天空の狐:IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、ヘンリー・ビジネス・スクール ヘッジファンドプログラム修了。PythonMT4・MT5自動売買&裁量Aiトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発。ヘンリー・ビジネス・スクールヘッジファンド・プログラムのアドバイザーを従事。オルタナティブ投資のメディア「ALTS Investor Media」でもマーケットレポートを配信中。Twitter:@firmamentfox