マンション単価相場

不動産データベース「レインズ」に登録済みの物件について価格と戸数を月単位でまとめている情報サイト「レインズマーケットインフォメーション」を見てみると、昨年10月～12月に北九州市で取引された中古マンションの成約㎡単価は約15.4万円/㎡という結果に。

この数字は、同期間における福岡県全体で取引された中古マンション成約㎡単価約26.6万円/㎡と比べた場合、北九州市は県全体の平均より大きく下回る水準だということがわかります。この理由としては、北九州市は福岡県内の市街地エリアである福岡市から離れたエリアにあることが要因だと言えます。

一方で、九州地方の他県と比較した場合、福岡県の成約件数は圧倒的な件数であり、直近1年間における福岡県の成約件数はコロナの影響で一時的に下落したものの、2020年終盤から右肩上がりの回復傾向にあり、成約単価に関しては大きな変動はなく安定した市況だといえます。

北九州市のエリア別市況

北九州市は小倉北区、小倉南区、八幡東区、八幡西区、門司区、若松区、戸畑区の7区で構成されています。

このうち、小倉北区は駅周辺が活気に満ちた繁華街の小倉駅があるエリアであり、この地域特性によって北九州市内においても中古マンションの成約単価と成約件数は最も高い地域となっています。

小倉南区は、繁華街の小倉北区に隣接するエリアですが、大部分の面積は山間部に占められていることから中古マンションの取引件数は北区に劣るものの、成約単価には大きな差はみられない地域です。

八幡東区・八幡西区は、鹿児島本線が横切っていることで利便性が高く中古マンションの需要が認められるエリアとなっています。実際に、八幡西区は繁華街である小倉北区と同等の成約件数と成約単価を誇る地域です。

門司区・若松区・戸畑区は、いずれにおいても海に隣接するエリアであり、上記のエリアと比べても住環境より観光やレジャー施設、工場などの需要がある地域です。そのため、中古マンションの成約件数や成約単価に関しても劣る傾向があります。

日常生活の快適性・利便性の有無

日常生活が過ごしやすいエリアであれば必然的に中古マンションの需要も高くなるものです。実際、湾岸エリアの若松区・戸畑区などは他のエリアほど住環境が整っていないため、マンションの成約件数が少ないと考えられます。

北九州市内の繁華エリアである小倉駅がある小倉北区はもちろんのこと、マンションの周辺に商業施設、日用品店、病院関係、学校関係などの施設が揃っていれば利便性が高くなって需要者から選ばれやすい傾向があります。

一方で、マンション周辺に施設が揃っていても騒音が気になるケースも起こり得る可能性があるため、快適性を求めて閑静な住宅街を選ぶことも多いです。

博多区からのベッドタウン

北九州市は、博多駅まで乗換不要の約1時間でアクセス可能で博多区よりマンション単価が安いため、博多区からのベッドタウン目的で購入することも考えられます。

ベッドタウン目的になるためには、最寄り駅がJR鹿児島本線であることが望ましく駅の規模が大きければ大きいほど利便性も向上するので選ばれやすくなります。また、駅まで多少距離がある場合でも今度は自宅からバス停までの距離が重要になるので確認しておきましょう。

信頼できる不動産会社を見つける

マンション査定を受ける際は、1社ではなく複数の不動産会社から査定を取るようにしましょう。その理由としては、査定内容には不動産会社によって差があり、マンションの査定価格にも影響することがあるからです。

複数の不動産会社の査定内容を聞いて相場を把握し、さらに不動産会社ごとの査定根拠を聞いて適正な評価を出しているような信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。