マンション単価相場

不動産データベース「レインズ」に登録済みの物件について価格と戸数を月単位でまとめている情報サイト「月例マーケットウォッチ(今年9月10日発表)」を見てみると、今年8月に相模原市で取引されたマンションの成約㎡単価は約37万円/㎡という結果に。

この数字を同じ神奈川県内のエリアと比較した場合、横浜市の約47万円/㎡と川崎市の約54万円/㎡に比べてやや低い水準となっており、湘南地区(鎌倉市・逗子市・藤沢市など)においては約37万円/㎡と同じ水準であり、県央地区(座間市・大和市・綾瀬市など)の約27万円/㎡に比べるとやや高い水準になっていることがわかります。

相模原市はベッドタウンとしての需要があるエリアだといえますが、横浜や川崎よりも東京都内までの距離があること及び繁華性の程度がやや劣るという要因がマンション単価相場に反映されています。

その一方で、横浜や川崎からのベッドタウンとして選ばれる傾向もあるので一定の需要が伺えるといえるでしょう。実際に、相模原市で今年8月に取引されたマンションの成約単価は前年比より14.3％上昇しており、新型コロナの影響で落ち込んでいた取引件数も回復しつつあります。

相模原市のエリア別市況

相模原市は緑区、中央区、南区の3区で構成されています。

このうち、緑区は東京都心や横浜へのアクセスが良好であり、位置的に東京都八王子市に隣接し商業施設も比較的建ち並んで利便性に優れていることから相模原市で最もマンション単価が高いエリアになっています。

南区は、小田急線の相模大野駅が主要駅で緑区と同様に東京都心まで乗換不要でアクセス可能なため利便性が高いです。また、東京都町田市と隣接していることから商業施設に困ることは少なく、マンション単価は緑区とほぼ同じ水準です。

中央区は、横浜には乗換不要でアクセス可能ではありますが東京都心にアクセスする場合は乗り換える必要があるため、緑区や南区に比べると利便性がやや劣ります。中央区も東京都町田市と隣接しているものの、利便性の面で緑区と南区にやや劣ることからマンション単価は最も低いエリアになっています。

築20年未満は市場価値が高い

一般的な中古マンションでは、築20年が経過するまでは右肩下がりに成約単価が下がっていくものの、築20年以降になると単価自体に大きな変化はなく比較的横ばいの推移になります。

そのため、築年数の浅いマンションが好まれる一方で、築20年以降は大きく単価は変わらないことから築20年を大きく上回るマンションは敬遠されやすい傾向があります。

今年8月に相模原市で取引された中古マンションの平均築年数は築19年で、直近1年間のデータにおいて唯一築20年を下回る結果となりました。ベッドタウンとしての需要が高くなっている川崎市では直近1年間の成約平均築年数は約18年であることから、相模原市に関しても今後取引される中古マンションはどんどん若返る可能性が高いです。

緑区のマンションは稀少性がある

緑区は地域特性として、緑が豊かな地域にあります。

居住エリアに緑が多ければステータスになることもあり、エリア別の市況でお伝えしたように相模原市内で取引されているマンション単価は緑区が高くなっています。また、その一方で緑区の取引件数はエリア別で比較すると少ないため、緑区の中古マンションは稀少性が高いと言えるでしょう。

信頼できる不動産会社を見つける

マンション査定を受ける際は、1社ではなく複数の不動産会社から査定を取るようにしましょう。査定内容には不動産会社によって差があり、査定価格にも影響することがあるからです

複数の不動産会社の査定内容を聞いて相場を把握し、さらに不動産会社ごとの査定根拠を聞いて適正な評価を出しているような信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。