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【注目トピックス 日本株】井関農 Research Memo(5):営業利益率5%以上を実現へ

*13:05JST 井関農 Research Memo(5):営業利益率5%以上を実現へ
■井関農機<6310>の中期経営計画

1. プロジェクトZの背景
同社は、2021年2月に2025年12月期を最終年度とする中期経営計画を策定したが、資産効率と収益性向上を目的とした事業構造改革への取り組みが不十分だった。このため途上の2023年11月に、聖域なき事業構造改革に向けて「プロジェクトZ」を発足させ、2024年2月にその骨子を公表した※。具体的には、生産・販売体制や人員構成の最適化を図る「生産最適化」「開発最適化」「国内営業深化」という3つの短期集中の抜本的構造改革に経費削減を加えて、資産効率と収益性を向上させる方針である。これにより強靭な企業体質へ生まれ変わり、さらに欧州を中心とした海外事業と国内での「大型」「先端」「環境」「畑作」といった成長セグメントに経営資源を集中する成長戦略によって、成長を加速する。

※ 後述のとおり、2024年7月にプロジェクトZの進行により特別損失を計上する修正を発表したが、改革はその後も順調に進捗している。

こうした抜本的構造改革と成長戦略により、2027年12月期までに2023年12月期比で75億円以上の営業利益を積み上げ、営業利益率5%以上、ROE8%以上、DOE2%以上、PBR1倍以上の実現を目指している。さらに、2030年に「食と農と大地のソリューションカンパニー」になるという長期ビジョンに基づき、2024年12月期〜2027年12月期までの4年間で累計500億円、2028年12月期〜2030年12月期の3年間で累計520億円の営業キャッシュ・フローを創出する計画だ。2027年12月期は、抜本的構造改革や成長に向けた投資を行うため株主還元としてDOE2%以上を想定しているが、2028年12月期以降は、創出したキャッシュをさらなる株主還元の拡充に充当するほか、有利子負債の圧縮に振り向ける。この結果、海外で2023年比約1.5倍の売上高、国内では成長分野にフォーカスした収益性の高い事業体制を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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