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【注目トピックス 日本株】ストレージ王 Research Memo(1):都心部での堅調な需要を背景に、2期連続で過去最高売上高を更新

*11:11JST ストレージ王 Research Memo(1):都心部での堅調な需要を背景に、2期連続で過去最高売上高を更新
■要約

ストレージ王<2997>は、セルフストレージ方式のトランクルームの企画、開発、運営、管理を事業基盤として展開している。トランクルーム開発分譲事業ではトランクルームの自社開発を通じた収益不動産の投資家への売却による利益(開発分譲による利益)、トランクルーム運営管理事業では開業後のトランクルーム運営による利益(運営管理の利益)、その他不動産取引事業ではトランクルーム以外の不動産取引による利益を、それぞれ上げている。同社は、運営力、仕入開発力、物件売却力という3つの強みにより、事業全体の競争優位性を確固たるものとしている。各要素は、同社がトランクルーム市場において持続的な収益拡大と安定的な資産運用を実現するための基盤となっており、これらの強みは顧客ニーズへの的確な対応と高い設備品質、さらに優れた不動産開発と売却能力に裏打ちされている。

1. 2025年1月期の業績概要
2025年1月期の業績は、売上高4,262百万円(前期比28.2%増)、営業利益171百万円(同13.9%増)、経常利益170百万円(同8.6%増)、当期純利益75百万円(同31.4%減)となった。トランクルーム開発分譲事業では、世田谷池尻TR(木造3階建て75室)や天王町TR(鉄骨造7階建て118室)など、複数の物件がすべて売却済みとなった。また、トランクルーム運営管理事業では、コンテナ型案件は全国で24店舗の新規出店があり、特に静岡県、三重県、宮崎県、群馬県では初出店となった。茨城県では5店舗、栃木県と群馬県で4店舗、静岡県と千葉県で3店舗、岡山県で2店舗、滋賀県、三重県、宮崎県で各1店舗が開設された。都心部におけるトランクルームは6件を開発。需要は底堅く、2期連続で過去最高売上高を更新した。

2. 2026年1月期の業績見通し
2026年1月期の業績は、売上高4,400百万円(前期比3.2%増)、営業利益185百万円(同7.6%増)、経常利益173百万円(同1.2%増)、当期純利益130百万円(同72.4%増)を見込んでいる。リーシングの強化と出店形態の戦略的配分を引き続き重視しており、従来の受注方法に加え、マーケティングを活用した販促強化や店舗ごとの個別対策、他事業者との営業連携強化を進める方針だ。また、建設費用の高騰やエレベーター供給不足に対応するため、コンテナ建築によるトランクルームの出店を強化し、2025年1月期の24店舗から2026年1月期には40店舗の出店を計画している。加えて、首都圏への集中傾向が続く見通しを踏まえ、東京都を中心とした屋内型物件の出店を継続し、建築価格の高騰に対応した慎重な用地確保や都心型木造案件への取り組みを進める。都心部におけるトランクルーム需要は依然として堅調であり、不動産投資家の間では、レジデンス、ホテル物件の購入が難しい状況下でボラティリティの少ないトランクルーム案件に関心が高まっている。そのため、物件投資需要は安定して推移すると見込まれ、通期予想達成の可能性は高いと弊社では見ている。

3. 中期戦略
同社は2025年3月に、3カ年計画に基づく中期戦略を公表した。この戦略では、売上拡大よりも利益率向上を重視し、特にコンテナ案件については適切なタイミングで売却することで全体の利益率を最大化する方針だ。既存事業の安定成長を前提としつつ、短期的な収益改善と中長期的な経営基盤の強化を同時に進める。経営目標としては、2028年1月期に売上高4,750百万円、売上総利益800百万円、営業利益240百万円、当期純利益160百万円を掲げている。成長戦略としては、「プロフィットエンハンス2027」を基盤とし、経営基盤の強化や既存事業の成長、DXによる業務効率化を推進する。具体的には、トランクルーム開発分譲事業において、物件開発・売却の強化、開発スキームや投資家案件・アセットタイプの多様化、投資家向け開発を継続する。一方、トランクルーム運営管理事業では、トランクルーム運営とリーシングの強化に加え、新規事業として二地域居住の推進、空き家対策、M&Aなどによる新たな成長エンジンの創出を図る。

■Key Points
・セルフストレージ方式のトランクルームの企画、開発、運営、管理を事業基盤として展開
・2025年1月期の業績は、堅調な需要を背景に2期連続で過去最高売上高を更新
・2026年1月期は増収増益見込み。都心部におけるトランクルーム需要は引き続き堅調で、通期計画達成の可能性は高い
・3カ年計画に基づく中期戦略を公表。2028年1月期に売上高4,750百万円、営業利益240百万円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

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