*14:18JST 為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、米中対立を見極める展開
【今週の概況】
■ドル弱含み、米中貿易摩擦への懸念残る
今週の米ドル・円は弱含み。週初に144円台前半までドル高円安に振れたが、米長期金利の反落を受けてドル買いは縮小。トランプ政権の関税措置を巡る日米交渉で為替についても議論されるとの思惑が浮上していたこともドルの上昇を抑える一因となった。日米交渉では多額の対日貿易赤字が問題視されたものの、円安是正について特に議論されなかったことからリスク回避的な米ドル売り・円買いは一服した。ただ、貿易・通商分野における米中の対立がすみやかに解消される見込みは薄いこと、世界経済の減速は避けられないとの見方が広がっていることから、リスク選好的な米ドル買い・円売りは拡大せず、17日の取引で141円62銭まで下落する場面があった。
18日は欧米諸国が「聖金曜日」で祝日のため、主要通貨の為替取引は動意薄の状態が続いた。ドル・円は弱含み。142円36銭から142円12銭まで下げており、142円19銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:141円62銭-144円31銭。
【来週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、米中対立を見極める展開
来週の米ドル・円は伸び悩みか。米トランプ政権がドル安政策を模索するとの見方は後退したが、米中貿易交渉の行方は依然として不透明であり、リスク回避的なドル売り・円買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。関税に関する日米交渉では軍事支援の費用負担、貿易の公平性のほか、安全保障も議題となった。
注目されていた為替についての議論はなかったようだが、直近発表の米経済指標は強弱まちまち。小売売上高は想定外に強く、個人消費はまずまず良好であることが示されたが、4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は大幅に悪化し、ドル売り材料となり得る。来週発表される4月製造業・サービス業PMIはいずれも悪化する見込み。米国経済の不確実性が高まるなか、景気減速が示された場合、ドル売りを強める可能性があろう。
【米4月製造業・サービス業PMI】(23日発表予定)
23日発表の4月PMIは製造業が49.3、サービス業は53.0と悪化が予想される。インフレ持続と雇用悪化の懸念が強まればドル売り材料に。
【日・4月東京都区部消費者物価コア指数】(25日発表予定)
25日発表の4月東京都区部消費者物価コア指数は前年比+3.2%と、3月実績の+2.4%を大きく上回る見通し。ただ、世界経済の不確実性が高まるなか利上げ観測による円買いは限定的か。
予想レンジ:140円00銭-144円50銭
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