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【注目トピックス 日本株】デコルテ・ホールディングス:1Q好調、フォトウエディング市場のリーディングカンパニーからライフフォトカンパニーへ

*13:01JST デコルテ・ホールディングス:1Q好調、フォトウエディング市場のリーディングカンパニーからライフフォトカンパニーへ
デコルテ・ホールディングス<7372>は、「Happiness」「Beauty」「Wellness」をテーマとして、顧客の幸福に寄り添いながら写真を通じて様々なライフイベントに思い出作りの場・感動体験を提供している。主力のスタジオ事業はフォトウエディング(2024年9月期の売上収益構成比94.7%)とアニバーサリーフォト(同4.6%)に分かれており、そのほかフィットネス事業も展開している。

主力のフォトウエディングでは、最先端トレンドを反映した花嫁体験、結婚式・披露宴に比べてリーズナブルにウエディング体験が可能となるほか、プロフェッショナルによるメイク・衣装・撮影など撮影場所や衣裳・プランの自由なアレンジ、ロケーション撮影や衣裳グレードアップ/複数着用など、こだわりに応じた豊富なオプションを用意している。フォトウエディング撮影組数シェアは1位(2018年時点)、年間撮影組数は2.4万組。

同社は(1)プロフェッショナル人材、(2)撮影用衣装・設備備品等、(3)WEBマーケティングを内製化し、クオリティとコストを自社でコントロールできる強みを活かして高成長・高収益率を実現している。内製化戦略として、集客から撮影に至る仕組み、オペレーションを一貫して自社で構築、多数のフォトウエディング専用のフォトグラファー、ヘアメイクアップアーティストを自社で雇用している。独自の教育カリキュラムを有しており、長年の積み重ねにより多数のプロフェッショナル人材を内製化し、安定的な高品質のサービスを実現できている。また、「特別な体験」となるフォトウエディングは集客が重要で、選定に利用される主な媒体となるサービスサイト・SNSにおいて強みを有している。Google検索では上位表示され、各種WEBサイトでは高い顧客満足度を誇る。

競合が存在するアニバーサリーフォトでも同社の強みが活かされており、大切な記念日に気持ちに寄り添い自然な笑顔を引き出す撮影体験や、スタジオ貸切や小物持ち込みなど希望に合わせ自由度の高い撮影を実施できているようだ。

2025年9月期第1四半期の売上収益は1,851百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益は418百万円(同15.0%増)で着地した。売上収益は、フォトウエディングにおいて集客・営業力底上げの取組を通じて撮影件数(同1.2%増)・撮影単価(同3.0%増)ともに前年同期を上回り、アニバーサリーフォトサービスにおいても増収となった結果、最大の繁忙期である第1四半期において過去最高を記録。利益面では、人件費の増加や前期に出店した3店舗の運営費用の増加などの影響を受けたが、売上収益の増加・仕入れコストの削減・減価償却費が減少したことで大幅増益着地となった。通期の売上高は5,991百万円(前期比7.2%増)、営業利益は279百万円(同27.3%増)を見込む。

国内の婚姻組数推移は年々減少している一方で、挙式・披露宴実施者による別撮り実施率の上昇などを受け、フォトウエディングの市場規模は今後も安定的に成長する見込みとなっている。周囲に気を遣わず主役になりたいカップルの増加や、結婚式当日には撮影できない写真を残したいというニーズの拡大も追い風となっているようだ。また、2023年時点の婚姻組数に占めるフォトウエディング実施率は56.3%と高水準。その中でも、同社のような専門業者での撮影実施率は37.6%で今後の伸びしろは大きい。さらに、フォトウエディングは挙式と比較し低価格で花嫁体験が可能なほか、写真に残すことができるため、「ナシ婚層」にも結婚式の新しい形として注目されているようだ。

同社の中期経営計画では、2028年9月期の売上高90億円、営業利益率10%以上を掲げている。計画達成に向けて、今期2025年9月期は、営業力の底上げ、プロ人材の基盤強化、出店形態の多様化に取り組むことで再成長に向けた事業基盤を強化していく。主力のフォトウエディングでは、継続的な付加価値向上により既存店の業績を伸ばしながら、未出店エリアへの出店を通した規模拡大、フォトウエディング市場を拡げる集客の強化を通して継続的な成長を図る。同社は2025年4月3日付で婚活サービス国内最大手の株式会社IBJとの資本業務提携に基本合意し、IBJからのフォトウエディング事業への顧客紹介を強化するなどシェア向上に向けた顧客基盤の拡大も進めている。また、アニバーサリーフォトサービスにおいても、不採算店を整理した上で集客手法の多様化・収益性の改善を行うようで、積極的にM&Aも活用して、撮影スタイルの多様化、店舗数の増加による成長を目指す。

そのほか、PBR0.2倍台で推移する中、資本政策やIR施策の動向に加え、フォトウエディング市場のリーディングカンパニーからライフフォトカンパニーへ成長を続けていく想定の同社の動向には注目しておきたい。

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