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【注目トピックス 経済総合】NYの視点:米3月JOLT求人件数は9月来で最低、政府求人減も自主的退職増で労働市場の底堅さ示す

*07:42JST NYの視点:米3月JOLT求人件数は9月来で最低、政府求人減も自主的退職増で労働市場の底堅さ示す
米国労働統計局が発表した3月JOLT求人件数は719.2万件と、2月748万件から増加予想に反し減少し昨年9月来で最低となった。トランプ政権の貿易政策や政府支出削減の政策を反映。連邦政府の求人件数は5年間で最低に落ち込んだ。そのほか、輸入の減少による運輸、倉庫管理などでの求人が減少した。

求人件数と失業者数の割合は1.02と、2月1.06から低下。労働市場の停滞がパンデミック前に比べ深刻化していることが明かになった。求人件数は依然失業者総数を上回っているものの、その差は1.09万件とコロナパンデミック以来で最小。求人件数が失業者数を上回っている限り、景気後退はない。ただ、今後、失業者数が求人件数を上回ると景気後退入りの確率が上昇することになる。

雇用削減率は1.0%と、2月1.1%から低下しており、依然雇用削減の加速の動きはまだ見当たらない。また、労働市場への雇用者の自信を示すとして注目される自主的退職者数は333.2万人と、昨年7月来で最高を記録。自主的退職率も2.1%と、2月2.0%から上昇したことはサプライズと見られており、労働市場が底堅い証拠となった。

トランプ政権の関税を巡る不透明感に企業や消費者の信頼感の落ち込みが激しく、景気や労働市場悪化への警戒感も根強い。アトランタ連銀の1-3月期国内総生産(GDP)見通しはマイナス2.7%と、前回のマイナス2.4%からさらに引き下げられた。同時に、雇用水準は景気後退を示唆しておらず、連邦準備制度理事会(FRB)は景気よりも、依然インフレに焦点を当てており、5月会合では政策据え置きがほぼ確実視されている。ただ、政府の雇用の急速な減少が4月雇用統計に反映し、失業率の大幅上昇や雇用者数の減少などの証拠があらわれると、利下げ確率が上昇することになる。

■3月労働市場ダッシュボード
求人件数:4.3%(予想4.5%、2月4.5%)
雇用削減率:1.0%(2月1.1%)
自主的退職率:2.1%(2月2.0%)
採用率:3.4%(2月3.4%)
失業率:4.2%(2月4.1%)
不完全雇用率(U6):7.9%(2月8.0%)
非農業部門雇用者数:+22.8万人(2月+11.7万人←15.1万人)
平均時給:前月比+0.3%、前年比+3.8%(2月+0.2%、2月+4.0%)

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