*13:38JST 米国株式市場見通し:重要経済指標見極めムードが強まり、リバウンドは一服か
来週の米国株は、4月消費者物価指数(CPI)など重要経済指標の発表を控えていることから様子見ムードが強まりそうだ。投資家心理を示すVIX指数は21ポイント台まで低下しており、先行き不透明感は払しょくされつつある。米国市場に対する過度な警戒感は大幅に後退し、NYダウ、S&P500は4月2日以来の水準、ナスダックは3月26日以来の水準までそれぞれ値を戻している。9-12日に予定されているベッセント財務長官と中国の何副首相とのスイスでの会談において一定の進展が確認されれば、株式市場はポジティブな反応を示すだろう。
一方、来週は13日に4月CPIが発表される。市場予想では、食品とエネルギーを除くコア指数が、前年同月比2.8%ほどの上昇と3月から横ばいにとどまる見通しだ。一部証券会社から「コア財の物価上昇がやや加速する」「新車は自動車関税の引き上げを前にした駆け込み需要などが価格を押し上げる」といった指摘も聞かれる。既にトランプ政権は2月に対中関税を10%引き上げていることから、こうした影響も顕在化するとの見方もある。
4月雇用統計は市場予想を上回る良好な内容となったが、CPIなど物価統計で関税の影響が顕在化した場合、スタグフレーション懸念が再燃するなど市場はネガティブな反応を示すと考える。今週のパウエルFRB議長は、物価と失業率双方が同時に上昇するリスクを警戒しつつ様子見姿勢の維持を示した。米国経済の先行きを見極める上で、4月CPIを含めここから数カ月の経済指標は重要なポイントとなろう。主要3指数はそれぞれ約1カ月前の水準まで値を戻したが、26週移動平均線(26WMA)には届いておらずトレンドは弱いままだ。重要経済指標への見極めムードが徐々に強まることで、来週はリバウンド一服の相場展開を想定する。
経済指標は、13日に4月消費者物価指数、14日に週次原油在庫、15日に週次新規失業保険申請件数、4月生産者物価指数、小売売上高、鉱工業生産指数、3月企業在庫、5月NY連銀製造業景気指数、16日に4月住宅着工件数、輸入物価指数、5月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。
主要企業決算は、12日にフォックス、3Dシステムズ、マイクロビジョン、ズーム、ゴープロ、13日にアンダー・アーマー、14日にシスコシステムズ、フォッシル・グループ、15日にウォルマート、アプライド・マテリアルズなどが予定されている。
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