閉じる ×
FiscoNews

【オープニングコメント】関税交渉に対する期待から冷静に押し目を拾う動き

*08:20JST 関税交渉に対する期待から冷静に押し目を拾う動き
 14日の日本株市場は、買い先行で始まることになろうが、買い一巡後は次第にこう着感が強まりそうだ。11日の米国市場は、NYダウが619ドル高、ナスダックは337ポイント高だった。中国が対米関税を125%に引き上げるとの発表を受け売りが先行したが、中国政府はこれ以上関税の引き上げ競争に付き合わないとの認識を示したことが安心感につながった。さらに、ボストン連銀のコリンズ総裁は、必要であれば市場を安定させる準備があるとの発言を受けて警戒感が和らぎ、買戻しの動きが強まった。シカゴ日経225先物は大阪比130円高の33650円。円相場は1ドル=143円60銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。中国はこれ以上対抗しないとしたことで、米中貿易戦争の拡大に対する警戒感は和らぐ可能性がありそうだ。今週は赤澤経済再生相が米国を訪れ、ベッセント米財務長官らと交渉を行う見通しである。協議の進展に対する期待感から売り込みにくくさせそうである。

 トランプ大統領は11日遅くにスマートフォンなどの電子機器を関税対象から除外すると発表したが、13日には引き続き関税を課すと改めて表明した。トランプ大統領の発言に振らされやすい状況が続くことになりそうだが、11日発表の電子機器の課税除外は一時的かつ手続き上の措置だと主張しており、一時的ながらも材料視される可能性はありそうだ。ハイテク株への積極的な買いは期待しづらいところではあるものの、売り方の買い戻しにはつながる可能性がある。

 週末の米国市場ではJPモルガン・チェースの決算が評価された。今週もゴールドマン・サックスなど金融セクターの決算発表が予定されているため、決算を手掛かりとした物色も意識されてくるだろう。そのほか、先週の日経平均株価は30792.74~34639.39円での荒い値動きだったが、週間では195円安にとどまっていた。グロース250指数は週間で上昇していることもあり、冷静に押し目を拾う動きに向かわせそうだ。

<AK>

fisco

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。