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【注目トピックス 日本株】クオルテック Research Memo(6):専門性・技術力・TQS、それぞれの継続進化により高い成長を目指す(1)

*11:56JST クオルテック Research Memo(6):専門性・技術力・TQS、それぞれの継続進化により高い成長を目指す(1)
■クオルテック<9165>の成長戦略

1. 強み
同社の強みは「電気系統における幅広い専門性」、「高い技術力」、「TQSの提案力」の3点に集約される。「電気系統における幅広い専門性」としては、同社が物理学、化学、電気工学、生化学といった幅広い学術領域をカバーする専門家集団を擁していることを指す。これにより自動車業界をはじめ、エレクトロニクスメーカーや基板メーカー、バイオ関連企業といった幅広い業界の大手企業を顧客とした、専門性の高い技術サービスの提供が可能となっている。「高い技術力」は人的資産と物的資産に支えられている。人的資産としては、社員数242名(2024年6月末現在)のうち81%を占める技術・研究職の存在がある。これらの技術者は信頼性評価、微細加工、その他(バイオ関連等)といった各分野の事業における実務を通じてノウハウ、知見や技術力を養い、蓄積している。また世の中が必要とする研究を先取りして進め、新たな事業分野の創出に挑戦するといった研究開発のスタイルを維持している。このような対応姿勢は顧客企業との新たな受注の商談などにおいても有利に働くと考えられる。

物的資産は積極的な設備投資によって、高度な分析や検査に必要な高い性能を有する装置・設備を積極的に導入していることである。最先端の設備をはじめ、110種以上、450台以上の設備を保有し、顧客の高度な検査ニーズなどに対応しており、パワエレテクノセンターの本格稼働もその一例である。「TQSの提案力」は、「顧客の困りごと」に対してトータルな提案を行い、ワンストップオペレーションで解決するサービス提供の方法を指す。顧客の製品品質や、品質管理面などに関する課題や悩みごとに対して、同社の擁する専門性や技術力を武器に、解析・測定・試験・評価といった点を含めて的確な提案をワンストップ型で行えるところが強みだ。さらに同社の信頼性評価事業では、顧客の研究・先行開発から量産開発、上市後までの局面を一気通貫でカバーするため、顧客としては同社に発注するだけで全工程の評価を済ませられる。この点はスイッチングコストの高さとして表れ、競合他社に対する高い参入障壁を築いている。

技術的に高度で難易度の高い評価試験については、専門的な知識に加え、高機能な設備を使用することが多いため、製品を開発するメーカー内で行うにはコストが高く、外部委託のニーズが拡大している。加えてそのような試験は機密情報を多く含むため、競合の可能性がある他の企業グループの系列会社に委託するのは情報流出への懸念から難しい。その点、同社は資本的に独立した企業であり、信頼性に加えて透明性や公平性というメリットを顧客から評価されることが多く、同社の強みを支える要素にもなっている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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