田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国で5Gの商業サービスがスタート、普及で何が変わるか?

北京で開催された「世界5G大会」で対応スマホを見る来訪者たち(EPA=時事)

 中国の経済関連情報を継続的にウォッチしていると、最近、5G(第5世代移動通信システム)関連の話題が多いことに気付く。科学技術の発展は段階的に進むことがよくあるが、5G時代への突入は発展段階が一段上がるきっかけになるのではないかといった期待がその背景にあるように思う。

 11月20日~23日の日程で、「世界5G大会」が北京で開催された。期間中、関連する企業のトップが5Gの将来性について、それぞれの立場から話をしている。

 例えば、小米集団(シャオミ)の雷軍CEOは、「インターネット発展の全体的な方向は、5G+AI+IoTによる次世代スーパーインターネットである。パソコンインターネット時代にインターネットは10億台のPCを繋ぎ、モバイルネットワーク時代は50億台のスマホを繋いだが、IoTの普及する時代は500億規模の“モノ”を繋ぐ」などと述べている。5G時代の幕開けとともに、インターネットの経済、生活へのかかわりは格段に広がり、深くなるということだ。

 関連技術という点では、チップ、モジュール、最終製品に至るまで、部品、設備に関しては既に完成の域に達していると言っていいだろう。後は、キャリアによるネットワーク建設を待つばかりだが、中国では11月1日、5Gの商業サービスが正式に始まった。

 最初は、一線都市、新一線都市、二線都市など規模の大きな50都市に限定してサービスが開始されるが、2020年には営業範囲は340以上の都市に広げられる。その時点で、中国の5Gネットワークは世界最大となるだろう。関連する市場の規模は巨大である。

 5Gの通信速度は4Gと比べ、10倍速くなると言われており、遅延が格段に小さくなる。「5Gサービス開始で注目される意外な業種」(10月9日付)という記事では、意外な5G関連銘柄として、自動車教習所を経営する東方時尚を紹介した。多種多様なビジネスが生まれるであろうが、規模の大きなところを上げるとすれば、やはりゲーム関連であり、クラウドゲームであろう。

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