新型コロナウイルス感染拡大の影響が家計にも深刻なダメージを与えようとしている。労働組合の中央組織である全国労働組合総連合(全労連)が、加盟労組を対象に冬のボーナスについて調査したところ、約半数が昨年より減少と回答。平均で17万円ダウンになっていることが報じられている。
2018年に政府が働き方改革の一環として副業を推進し始めて以来、副業を始める人は右肩上がりで増え続けていたが、コロナ禍の影響でその動きは急加速しているという。副業マッチングサービス最大手ランサーズ取締役の曽根秀晶氏はこう分析する。
「ここ数年の副業ブームは『副業2.0』とも呼ばれ、自己成長やスキルアップのために副業を始める人が多かった。これに対して『1.0』は小遣い稼ぎ的なデイワークが主体でしたが、今は瞬発的にこちらが増えています。コロナ不況の減収を補うために、誰もが簡単に取り組める副業にも人気が集まっています」(曽根氏)
同社がマッチングする仕事の多くは、スキルや経験を生かしてオンライン上で完結させるものが多い一方で、パーソルホールディングスと共同展開するマッチングサービス「シェアフル」上では、誰もが簡単に、短時間で稼げる仕事を中心に紹介しているが、こちらの成約数も急増しているそうだ。
「これからのシーズンは例えば、試験監督などの仕事が増えると思います。やはり人がリアルに介在することが必要な『オフライン』の仕事はなくならない。コロナ禍の今はなおさら、『急に休まれて穴が開いてしまった』との状況に陥ることが少なくないようです。こうした“急場の需要”は今後も増えると思います」(曽根氏)
試しにシェアフルをのぞくと、「データ入力・9800円」「清掃・9600円」「軽作業・9900円」(いずれも+交通費)などと、比較的シンプルな仕事がたくさん並んでいる。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者で、家計の事情などにも詳しい公認会計士・税理士の山田真哉氏もこう分析する。