中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「打席に立て」「全員野球で」…おじさん社員が駆使する野球用語に若手社員ポカーン

直球勝負だけじゃ通用しないかもしれないぞ?(写真:イメージマート)

直球勝負だけじゃ通用しないかもしれないぞ?(写真:イメージマート)

 結局、会社は辞めてしまったのですが、S局長が言いたかったのは「ウチの局は手堅い仕事ができるヤツは多いが、そこまで破天荒なヤツはいない。お前は失敗してもいいから、社会にインパクトを残す仕事をしろ! その素質があるぞ」ということでしょう。そこまで評価していただいて、本当にありがたいことです。

 というわけで、もはや若い世代にとっては死語と化しつつあるビジネスシーンの野球用語ですが、先日、某新聞を読んでいたところ、参院決算委員会で岸田文雄首相に対する質問の部分にこうありました。

〈野党のトップバッターに立った立憲民主党の杉尾秀哉氏は「単刀直入に伺う。最近は良い物価上昇なのか、悪い物価上昇なのか」と切り込んだ〉

 いまだに新聞では、野球の記事でもないのに「野球用語」が使われているわけで、あぁ、記者も読者もオッサンばかりになってるんだろうな、と妙に納得したのでした。

このプレゼン資料、もっと緩急をつけたほうがいいね(写真:イメージマート)

このプレゼン資料、もっと緩急をつけたほうがいいね(写真:イメージマート)

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。

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