*16:49JST 米関税協議への期待が高まるなかでハイテク株主導の上昇【クロージング】
8日の日経平均は反発。148.97円高の36928.63円(出来高概算19億1000万株)で取引を終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が無難に通過し、米国株高や円安進行を背景に主力ハイテク株を中心に買い先行で始まった。買い一巡後は戻り待ちの売りなどから前場中盤にかけて軟化し、36606.71円と下落に転じる場面もあった。その後、トランプ米大統領が「主要国との貿易協定について8日午前10時(日本時間午後11時)に発表する」と明らかにしたため、米国と貿易相手国との通商交渉が進展するとの期待感が広がり、日経平均は後場終盤にかけて36977.35円まで切り返した。
東証プライム市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄が全体の過半数を占めた。セクター別では、海運、サービス、非鉄金属、機械など18業種が上昇。一方、その他製品、保険、鉄鋼、医薬品など15業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、NTTデータ<9613>、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、富士フイルム<4901>が堅調だった半面、バンナムHD<7832>、ソフトバンクG<9984>、中外薬<4519>、コナミG<9766>、ソニーG<6758>が軟調だった。
トランプ大統領は、バイデン前政権が打ち出した人工知能(AI)向け半導体の輸出規制強化策を撤回する方針と伝わったことなどが支援材料となり、東京市場においてもアドバンテスや東エレクといった半導体関連株が買われた。さらに、米国と中国が週内に貿易問題を巡る閣僚級の協議に入ることが決まったほか、米国と英国が関税交渉で合意し、トランプ米大統領が記者会見を行うことも投資家心理を上向かせた。
日経平均は37000円を目前に上値の重さが意識された形だが、米国と英国が貿易交渉で合意に達する見通しであり、通商交渉が進展すること自体はポジティブにみても良いだろう。また、楽観視はできないものの、週内に予定されている米中閣僚級による通商交渉の行方が最大の注目材料となろう。積極的な売買は手控えられるものの、売り方にとっては買い戻しの動きを強めておきたいところだ。
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