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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】NCD Research Memo(7):営業利益率は中期経営計画の最終年度目標におおむね到達

*13:07JST NCD Research Memo(7):営業利益率は中期経営計画の最終年度目標におおむね到達
■成長戦略

1. 中期経営計画「Vision2026」
NCD<4783>はトータル・ソリューション・プロバイダーとしての成長戦略を加速するため、グループのパーパスを「人の鼓動、もっと社会へ。」、経営理念を「ユニークな技術とサービスにより、明るい未来に貢献する。」としている。そして2023年5月に持続的成長と企業価値向上を目指して2032年のありたい姿(NCDグループビジョン)を検討し、基本方針を「より収益性の高い企業への変革を図り、NCDグループの持続的成長へ繋げる」「新しい事業領域への挑戦により、第3の事業柱を構築する」「NCDグループで働くことに幸せを感じ、かつ成長することのできる“Well-beingカンパニー”を目指す」とした。2032年3月期の目標値には売上高400億円、営業利益40億円、営業利益率10.0%を掲げた。

ありたい姿からバックキャストした中期経営計画「Vision2026」(2024年3月期~2026年3月期)はグループビジョン実現に向けたファーストステップの期間と位置付けて、基本方針を既存ビジネスの付加価値向上と新しいビジネスの創出による更なるNCDバリューの追求(IT関連事業とパーキングシステム事業の更なる連携強化、第3の事業柱構築に向けた新しいビジネスの追求)、企業価値向上に向けた経営基盤の強化(サステナビリティ経営の推進、人材の価値を最大限に引き出す人的資本経営への取り組み強化、DX推進によるビジネス変革と持続的成長への貢献)、最適なグループ事業体制の再構築(事業シナジーを最大化する組織体制の追求)としている。方向性としては業界平均よりも低い収益性の改善、事業部間連携の強化、新規事業領域への取り組み強化、既存事業の付加価値向上、人材の確保と育成、働きがいへの取り組み強化など、既存ビジネスの土台固めと長期的視点による投資を行い、次期中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)及び2032年3月期のグループビジョン目標達成に向けた飛躍につなげる方針だ。

なお中期経営計画「Vision2026」の最終年度2026年3月期の目標数値については、各事業の想定以上の売上拡大や収益性向上、JCS子会社化などを反映して2024年5月13日付で上方修正し、さらに2024年11月8日付で再上方修正して売上高32,000百万円、営業利益3,000百万円、営業利益率9.4%、ROE20%以上としている。また投資目標は3ヶ年合計1,800百万円(人的資本投資700百万円、研究開発・新規事業関連投資600百万円、その他投資500百万円)としている。同社が重要経営目標としている営業利益率については、2025年3月期に9.3%まで上昇したため最終年度目標である9.4%におおむね到達し、2026年3月期に目標達成見込みとしている。

重点戦略として、IT関連事業では高付加価値サービス提供型への変革を目指し、顧客のDXに貢献するNCDサービスモデルの進化と拡充による付加価値向上、既存ドメインの更なる深耕と大企業を中心とした新規顧客へのアプローチ強化、体制拡大とサービス提供能力を高める事業基盤の強化を推進している。パーキングシステム事業ではリーディングカンパニーとして強固な地位の確立に向けて、構造改革プロジェクトの完遂による収益基盤の安定化、駐輪場事業で培ったノウハウと市場ニーズを還流した高付加価値ビジネスの創出、事業体制の最適化を推進している。新規事業創出に関しては、戦略の一環として事業アイディア公募制度「co-do project」を開始し、募集アイディアのプレゼン選考会を実施するなど多方面的な取り組みを展開している。コーポレート部門ではプライム上場企業に求められるガバナンス水準を目指し、サステナビリティ経営・人的資本経営・ガバナンス態勢高度化などを推進している。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の取り組みとしては、収益力向上(既存ビジネスの付加価値向上と新規ビジネス創出などによる利益率の更なる改善とEPSの拡大)、資本の最適配分(安定的かつ継続的な株主還元の実施、人的資本投資などの成長投資の実行)、サステナビリティへの取り組みの一層の強化と非財務情報開示の拡充(グループベースのサステナビリティ経営、統合報告書の発行)、IR/PR活動の強化(IR・サステナビリティ推進室の新設、株主・投資家との対話の拡充、TCFD提言に基づく情報開示)を一層強化するとしている。

同社の下條治(しもじょうおさむ)代表取締役社長は、「IT関連事業における品質・生産性向上等の施策、パーキングシステム事業における業務効率化や価格改定等の施策の成果として収益性が着実に向上しており、営業利益率は中期経営計画の最終年度目標をほぼ達成した。さらに長期グループビジョンで掲げた2032年3月期の営業利益率目標10.0%の達成も視野に入ってきたことを勘案し、配当性向の目安を従来の30%以上から50%以上に引き上げた。引き続き各種取り組みを着実に推進することで一段と収益性向上を目指し、企業価値の更なる向上に向けて株主還元の充実やIR活動強化も推進していきたい」と意気込みを語っている。中期経営計画の進捗は極めて順調と弊社では評価している。

配当性向の目安を30%以上から50%以上に引き上げ
2. 株主還元策
同社は株主還元策について、中期経営計画「Vision2026」のスタートに伴い2024年3月期より連結配当性向の目安を30%以上に設定した。この目安に基づいて2025年3月期の配当は前期比20.00円増配の70.00円(第2四半期末33.00円、期末37.00円)とした。配当性向は30.0%となる。さらに2025年5月13日付で配当方針の変更を発表し、配当性向の目安を従来の30%以上から50%以上に引き上げた。2026年3月期より適用し、2026年3月期の配当予想は同50.00円増配の120.00円(第2四半期末60.00円、期末60.00円)とした。予想配当性向は50.3%となる。また株主還元の一環として株主優待制度も実施している。毎年9月30日現在の1,000株(10単元)以上保有株主を対象として、保有株式数及び継続保有期間に応じて優待品(クオカード)を贈呈している。配当性向の目安の引き上げは今後の利益成長に向けた同社の自信の表れであり、今後も業績の拡大に伴って更なる株主還元の充実が期待できると弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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