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【注目トピックス 日本株】株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期通期決算説明会文字起こし(5)

*20:05JST 株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期通期決算説明会文字起こし(5)
ヘッドウォータース<4011>

日本のAIベンチャー各社が「自社開発のAIエンジンが優れている」と掲げているケースは多々ありますが、今のところ、実際にビジネスの現場で「活用に値する」と感じた国内エンジンは限定的であると認識しております。
当社には事業売却のご相談も多く寄せられますし、著名な国内エンジンの検証も重ねてまいりましたが、正直なところ、世界的に有名な既存のAIエンジンをチューニングしたり、RAG(検索拡張生成)を活用したりする方が、コスト面・精度面の双方において遥かに優れているのが現状です。今後、より良い国産エンジンが登場することには期待しておりますが、現時点で競合となり得るような存在は確認できていません。もし将来的に優れたものが現れれば、当社のソリューションの一部として組み込み、積極的に協業していく可能性もございます。
こうした背景から、当社は特定の技術に固執せず「どことも競合しない」ポジションを築いています。AI市場そのものが年間40%以上のスピードで急拡大している今、他社とパイを奪い合う必要はありません。むしろ、この伸びゆく市場の需要をいかに取り込み、提案し、そして当社がどれだけ多くの案件を着実に獲得していけるかという「自社との勝負」のフェーズにあると考えています。

また、当社はまだ規模の小さな組織です。一社単独ですべてを抱え込み、年商1,000億円や1兆円を目指すような戦い方は現実的ではないでしょう。だからこそ「使えるものはすべて使う」という戦略を徹底しています。
例えば、当初はお客様としてお付き合いが始まったソニー様も、現在は重要なパートナーです。ソニー様は「AITRIOS(アイトリオス)」という、エッジAI用のビジョンセンサーおよびデータの管理・学習プラットフォームを展開されています。実はこのプラットフォームはMicrosoft Azure上に構築されており、当社がその開発支援を担っております。
当初、ソニー様はクライアントという立場でしたが、このビジョンセンサーとプラットフォームの仕様を世界で最も熟知しているのは、開発に携わった我々自身に他なりません。
そのため現在は、このプラットフォーム自体をパッケージとして、他のお客様へソリューション提案を行っています。ソニー様のセンサーとプラットフォームを活用した提案を行う際、ソニー様は強力なパートナーであり、同時に仕入れ元という立場に変わります。
このように、単なる「顧客」や「ベンダー」という枠組みに捉われず、時にはパートナー、時には仕入れ元といったマルチプルな関係性を築くことで、規模の大きな企業の力を取り込みながら成長していく。これが当社の基本的な戦略です。

その最たる例が、日本マイクロソフト様とのアライアンスです。当社とマイクロソフト様のアライアンス戦略は一種のエコシステムとして円滑に機能しており、共同提案や相互の顧客送客など、多方面で連携を深めています。マイクロソフト様が直接対応できない高度な案件も、当社が対応する形で進めています。最先端技術を駆使する難易度の高い案件も多く、当社にとって非常にチャレンジングではありますが、完遂すれば「世界初」となるような事案も数多く経験させていただいております。これは単に受注をいただくというだけでなく、常にテクノロジーの先端を走り続けるという意味でも、当社にとって大きなプラス要因となっています。
ただし、マイクロソフト様との協業も、決して容易なことではありません。 当社はマイクロソフト様社内での評価を着実に高めてまいりました。昨年、データ&AI領域においてアワードを受賞した実績もあり、現在、日本の同領域におけるマイクロソフト様のナンバーワンパートナーであると自負しております。 しかし、実績だけでなく、マイクロソフト様の全メンバーに「ヘッドウォータース」の名が浸透していることが重要です。金融や製造など、各業界の営業担当者が「AIを使いたい」という相談を受けた際、最初に相談すべき相手として当社が「ファーストチョイス」になる状態を、今まさに作り上げています。
実際、当社の新規顧客の約7割がマイクロソフト様からのご紹介です。これは、マイクロソフト様社内において圧倒的な評判と認知を確立しているからこそ実現できている数字でございます。
また、このパートナーシップを機能させるためには、組織の横の繋がりに留まらず、業界ごとの「深さ」も重要になります。マイクロソフト社内も、金融、製造、モビリティといったセクター別に分かれていますので、それぞれのセクターに対して認知を広げ、個別に共同提案を行っていく必要があります。
こうした幅広さと専門性の両面において、パートナーシップを構築するには、膨大な時間と労力、そして何より実績の積み重ねによる「信用」が不可欠です。一朝一夕に築ける関係性ではなく、他社が短期間で模倣できるものでもありません。
当社は10年前から、AWSやGCPといった他のクラウドサービスに分散させることなく、Azureにフルコミットするという戦略を貫いてまいりました。その結果、現在では独自のポジションを確立できていると自負しております。 特にAI時代に突入し、AI基盤としてAzureを選択する企業が急増している今、この戦略的な追い風を非常に強く感じております。

さて、当社のビジネスモデルについてお話ししてまいりましたが、ここからは2025年度の振り返りとして、進展した事項や、目標に対して目論見通りには至らなかった点についても詳しくご説明いたします。

こちらが決算概要となります。赤枠で囲っております通り、売上高は前年同期比134.2%、予算達成率は97%超となり、概ね計画通りの着地となりました。
特筆すべきは、AI領域が前年同期比180.9%と非常に高い伸びを示した点です。AIエージェントに対する需要が想定を上回るペースで高まっていることは、2025年の期首から手応えを感じておりました。お客様からの引き合いや、マイクロソフト様との共同提案など、様々な「波」が来ていることを確信しておりましたので、意識的にアクセルを踏み、AIエージェントの市場シェアを取りにいった結果です。この伸び率については、ある程度狙い通りではありますが、実感としては予想を超えて大きく成長したと捉えております。

株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期通期決算説明会文字起こし(6)に続く

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