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田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国で進む内需シフト 有望視される老人ケア、教育、健康の3分野

中国でも高齢化や健康問題は重要な課題に

 中国の成長率が鈍化している。2018年4-6月期の実質GDP成長率は6.7%で1-3月期の6.8%と比べ0.1ポイント低下した。足元では米中貿易紛争が激化している。2007年には31.7%あった輸出依存度は低下傾向をたどっており、2016年には17.5%まで下がっている。今後、こうした傾向はさらに強まるだろう。経済構造の内需シフトが鮮明となる中で、今後、消費の重要性はさらに強まると予想される。

 それでは具体的に、どのようなセクター、企業の需要が長期的に着実に伸びるだろうか?

 7月16日付の「経済参考報」では次の3つの分野が有望であるとしている。適宜、奨励政策が打ち出され、高品質な商品、サービスの供給が増えることで、長く、精緻な産業チェーンが形成されるだろうと説明している。今回はこの内容について、一部補足しながら紹介したい。

【1】養老(老人ケア)

 国家統計局によれば、2017年末現在、60歳以上の老人は2億4100万人に達し、全人口の17.3%を占める。2050年前後には、老人の数は4億8700万人に達し、全人口の34.9%を占める見通しである。計算上は1組の夫婦が4~6人の老齢者の面倒を見る計算となり、とても家庭でケアするのは難しい。

 こうした状況で介護サービスに大きな注目が集まっている。日本のニチイ学館(9792)が中国国内で子会社4社、地域事業会社19社、7学校法人を展開。介護を中心に、産後ケア、保育、家政などの事業を行っている。さらに、フランスの介護サービス大手であるORPEAが積極的に関連事業を展開している。中国勢では、泰康人寿、中国人寿(02628)といった保険会社が関連事業に参入、万科企業(02202)、華潤置地(01109)、恒大地産(03333)が大規模老人ホームプロジェクトを展開している。

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