*12:27JST 後場に注目すべき3つのポイント~商い閑散で37500円水準でのもみ合い
27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は3日ぶりに反落、商い閑散で37500円水準でのもみ合い
・ドル・円は下げ渋り、円買い圧力は継続
・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■日経平均は3日ぶりに反落、商い閑散で37500円水準でのもみ合い
日経平均は3日ぶりに反落。前日比91.21円安(-0.24%)の37440.32円(出来高概算5億7000万株)で前場の取引を終えている。
26日の米国市場はメモリアルデーの祝日のため休場。為替市場は1ドル142円70銭台、1ユーロ162円50銭台と小動きとなった。225ナイトセッションは日中終値比20円高の37610円。
米国市場休場を受けて、東京市場は高安まちまちで取引を開始。日経平均は前日終値水準でスタートした後は、為替の円高推移を受けて、やや下に振れる展開に。9時から行われた植田和男日銀総裁の講演で目立った発言は観測されなかったが、基調的な物価上昇率の見通しが実現していくとすれば、「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整してくことになる」と改めて利上げスタンスを示したことが円高材料視されたようだ。
日経平均採用銘柄では、10年債利回りがやや低下したことなどから、ふくおか<8354>、コンコルディア<7186>など地銀株は軟調推移。また、スクリーンHD<7735>、ディスコ<6146>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体株も弱い。このほか、リコー<7752>、住友ファーマ<4506>、清水建設<1803>、大成建設<1801>などが売られた。
一方、川崎重工業<7012>、日本製鋼所<5631>など防衛関連銘柄の一角が上昇。また、古河電工<5801>、住友電工<5802>など電線株の一角も買われた。足元の円高推移が材料視されて、ZOZO<3092>、ニトリHD<9843>、サッポロHD<2501>など円高メリット銘柄もしっかり。このほか、横浜ゴム<5101>、太平洋セメント<5233>、高島屋<8233>などが買われた。個別では、暗号資産関連銘柄には引き続き短期資金が流入しメタプラネット<3350>が一時ストップ高で大商いとなった。
業種別では、鉄鋼、電気・ガス、石油・石炭、パルプ・紙、輸送用機器などが下落した一方、繊維、その他製品、ガラス・土石、サービス、非鉄金属などが上昇した。
前場のプライム市場の売買代金はわずか1.5兆円台と前日同様商いは閑散となった。後場も同様の展開となり、日経平均は37500円水準でのもみ合いが続きそうだ。物色対象に乏しいことから、一日を通しての売買代金は3兆円ほどに留まるだろう。
■ドル・円は下げ渋り、円買い圧力は継続
27日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り、142円84銭から142円11銭まで下落後は小幅に戻した。日銀総裁発言による追加利上げや日米協議での円安是正が意識されるなか、円買い地合い継続。ただ、米金利安一服で、ドルは値ごろ感から買い戻された。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は142円11銭から142円84銭、ユーロ・円は162円09銭から162円59銭、ユーロ・ドルは1.1386ドルから1.1407ドル。
■後場のチェック銘柄
・エスクリ<2196>、メタプラネット<3350>など、銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・特になし
【要人発言】
・加藤財務相
「ベッセント米財務長官と為替水準について全く議論していない」
「日米財務相会談、為替政策の基本的な考えを確認」
「足元の為替動向のコメントは控える」
・赤沢経済再生相
「日米協議、国益害することないようゆっくり急ぐ」
「4回目の日米閣僚級協議は調整中」
・植田日銀総裁
「見通し実現していけば、2%目標持続達成へ引き続き利上げ」
「通商政策等の不確実性がきわめて高い状況にあり、予断を持たずに判断」
「足元の物価上昇、ユーロ圏や米国より高くなっている」
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし
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