*16:42JST 米中対立を警戒も高市政権を期待した物色意欲は強い【クロージング】
23日の日経平均は大幅続落。666.18円安の48641.61円(出来高概算20億9000万株)で取引を終えた。米中貿易摩擦激化への懸念が高まるなか、半導体など値がさ株を中心に売りが先行するなかで、寄り付き直後には48399.05円まで下押しした。ただ、円相場が1ドル=152円半ばへと円安が進んでいることが材料視されたほか、高市政権への期待から防衛関連などの強い値動きが目立ち、日経平均株価を下支えした。
東証プライム市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄数が950を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、鉱業、不動産、パルプ紙、石油石炭、水産農林など19業種が上昇。一方、情報通信、証券商品先物、電気機器、その他金融、サービスなど14業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、フジクラ<5803>、三井不<8801>、日東電工<6988>、豊田通商<8015>、住友不<8830>がしっかりだった半面、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、TDK<6762>、リクルートHD<6098>が軟調だった。
「トランプ米政権が米国製ソフトウエアを搭載した製品の対中輸出規制を検討している」と一部メディアが伝え、前日の米国市場ではハイテク株を中心に売りが広がった。東京市場にも悪影響を及ぼす形になり、日経平均の下げ幅一時900円を超えた。一方、高市政権の経済対策などへの期待は根強く、関連する銘柄への資金流入が目立った。また、不動産、パルプ紙株など内需株が上昇したほか、「造船業界団体が近く3500億円の設備投資を表明する」と伝わり、三井E&S<7003>や名村造<7014>がともに上場来高値を更新した。
日経平均は大幅に続落したが、投資家の物色意欲は旺盛で相場の上昇基調は崩れていないだろう。週初に1700円超上昇した後の下げとしては健全なものの、米政府機関の閉鎖長期化や米中問題の行方など不安要因が多いのも事実で、目先は不安定な値動きが強いられそうだ。来週からは投資家の関心は国内企業の決算に向かうだろう。良好な内容が確認されれば、投資家心理の向上につながることになりそうだ。
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