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【注目トピックス 日本株】ギックス Research Memo(6):DI変革Div.の取り組みで増収なるもコスト超過プロジェクトにより減益(2)

*13:06JST ギックス Research Memo(6):DI変革Div.の取り組みで増収なるもコスト超過プロジェクトにより減益(2)
■ギックス<9219>の業績動向

(2) 共通課題解決
「共通課題解決」のサービス領域では、売上構造は「実施キャンペーン数×1ヶ月当たりキャンペーン単価」に分解されるため、実施キャンペーン数をKPIとしている。課金体系としてフロー型とストック型がありながらも、キャンペーン数と一定程度連動する傾向にある。また、現在は投資フェーズであるため従業員数との相関は小さい。

2025年6月期においては、JR西日本グループでのMygruの活用が引き続き堅調に推移した。また、大型商業施設のキャンペーンツールとしての採用も拡大しており、店舗単独のキャンペーンのみならず、全国の施設を対象とするキャンペーンも実施されるなど、多様な施策に活用されている。Mygruが連携されているJR西日本公式アプリ「WESTER」においては、同アプリの開発が「2024年度IT賞」のIT最優秀賞(顧客・事業機能領域)を受賞した。Mygruは「おトクにGO!」メニュー内でデジタルスタンプラリーキャンペーンの基盤として活用されており、2023年度には75件のキャンペーンを実施し、総参加者数は約90万人に達した。このように、リアルとデジタルを組み合わせた「おトク」で「楽しい」体験の提供を通じて、顧客体験の質の向上に寄与している。また、JR西日本は「WESTER」を用いた取り組みにより、「令和6年度近畿運輸局交通関係環境保全優良事業者等表彰」をも受賞した。これは、鉄道利用を促すナッジ的アプローチにより脱炭素化を支援する施策として評価されたものであり、2022年から継続している特典付与型のスタンプラリーには3年間で延べ3万人以上が参加した。この実績は、社会的行動変容を促す先進的な取り組みとしての意義が大きく、Mygruが持つ社会的価値の一端を示す事例となっている。また、訪日外国人観光客の増加を踏まえ、中国人が日常的に使用するメッセンジャーアプリ「WeChat」内のミニプログラムとして「西日本旅游攻略 tabiwa」を提供している。クーポン機能のみならず、こだわり条件(発着地、外せないスポット、テーマ、時間、など)を設定することで、趣味趣向を反映した旅行計画を提案する「おでかけAIプランナー」を実装しており、訪日外国人観光客の利便性を高めている。

直近では、2023年11月より提供されたJAL公式アプリ「JALマイレージバンクアプリ」に、「Mygru」が導入された。これは、JALグループでの初の採用であり、アプリのさらなる活性化と、新規ユーザー獲得・アクティブ会員増加を目指した顧客接点強化施策として導入された。導入第一弾として、「祝・新機能リリースマイルチャンススタンプ1億個山分けキャンペーン」が2025年2月17日から4月6日まで実施され、アプリの会員基盤活性化を支援した。

(株)相鉄ビルマネジメントが運営するショッピングセンター・港南台バーズにおいては、LINEのミニアプリを通じて「Mygru」を展開し、買い回り促進や店舗送客を目的としたキャンペーンを実施した。相鉄グループは、2024年3月に同グループ初の共通ポイントサービス「相鉄ポイント」の運用を開始し、「相鉄ショッピングセンター公式アプリ」でも利用可能である。「Mygru」の導入により、アプリユーザー一人ひとりの参加意欲を高め、行動変容を促進することで、ロイヤルカスタマー化を図る各種施策を展開している。また、クライアントにおける顧客理解の深化により、効果的なマーケティング施策の実現が可能となっている。

また、ユニバーサルミュージック(同)が2025年3月24日から4月6日に実施した、Mrs. GREEN APPLE「MGA DIGITAL STAMP RALLY」に「Mygru」が採用された。同イベントは、LINE公式アカウント「LINEエンタメアカウント」における初のLINEミニアプリ活用事例であり、アーティストとファンを繋ぐメディアとしての新たな展開を示すものとなった。Mygruの採用により、LINEプラットフォーム上でのエンターテイメント分野における新たな顧客接点の創出が可能となり、同領域における今後の展開を見据えた重要な実績である。

加えて、「Mygru CRM for LINE」の提供開始により、LINEミニアプリでのキャンペーン参加者から取得した行動データを活用し、LINE公式アカウントでのメッセージ配信の最適化とコスト削減が実現可能となった。この拡張モジュールでは、キャンペーンで取得されたスタンプの種類や数量、ミッション達成状況、アンケート回答内容、インセンティブ利用状況などを通じて顧客の状態が可視化され、新たなセグメント分けが可能になる。これにより、メッセージの細分化配信や高効果セグメントの特定、配信対象の最適化が実現し、マーケティング精度の飛躍的向上が期待される。さらに、同社はLINEヤフー(株)が実施する「LINEヤフーPartner Program」において、「LINEミニアプリ」部門の「Technology Partner」に選出されており、今後は顧客のファン化やロイヤルカスタマー化を促進する機能の実装にも注力していく。例えば、獲得スタンプに応じた新たなミッションの提示や、1to1マーケティング支援といった施策が視野に入っている。

その他、子会社のギディアでは、JR西日本SC開発(株)との取り組みを中心に活動が進展している。JR西日本SC開発が提供するショッピングセンター共通アプリ「WESPO」は、2019年9月の提供開始以来、会員数170万人を超える規模へと成長しており、現在ではJR西日本グループ全体の共通ポイント「WESTERポイント」にも連動する重要な顧客接点となっている。こうした背景のもと、ギディアは「WESPO」を単なるポイント付与の手段にとどめず、CRM施策の一環として、よりユーザーとの関係性を深める役割を担うアプリへと再定義する支援を行っている。特に、「WESPO My リワード」施策の推進においては、ギディアがブランディング及びクリエイティブディレクションを幅広く担当。施策のコンセプト設計やキャッチコピーの開発、さらにはオリジナルPRキャラクターの制作など、多面的なアプローチにより、ユーザーへの理解・認知向上に貢献している。今後もWESPOアプリとそのユーザー、ショッピングセンター入居テナントなど関係者を巻き込んだ展開に向けて、伴走型の支援を継続していく方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)

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