スカイワースの“スピンオフ上場計画”の狙いとは(Getty Images)
中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。中国の家電メーカー・スカイワース(香港・00751)の上場廃止・スピンオフ上場計画の狙いについて解説する。
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香港上場の中国本土家電メーカーで、テレビではグローバル販売台数6位(2025年見通し、群智諮詢)のスカイワースが1月20日、上場廃止計画を発表した。同時に太陽光発電システム開発を行う子会社「深セン創維光伏科技(創維光伏)」(持ち株比率70%)をスピンオフさせるといった特殊な方法で上場主体を子会社に入れ替えようとしている。
内容について説明を加えておくと、まず、スカイワースは自身が所有する創維光伏の株式をすべての株主に均等に割り当て、譲渡する(スカイワース株式1株に付き、創維光伏株式0.3699779株)。次に、浮動株(筆頭株主と行動を共にする固定株主以外が所有する株式、発行済株式総数の約33.5%)の株主に対して、現在所有する株を1株当たり4.03香港ドルの現金と交換するか、非上場となるスカイワースの株式をそのまま所有し続けるか選択させる(私有化)。
評価会社による株価算定では創維光伏の株価は1株あたり16.57香港ドルとなる。スカイワースの株主は、このスキームを通じて1株当たり6.13香港ドル相当の価値を得るが、私有化において現金を選択すれば、合計10.16香港ドル相当の価値となる。これは今回のスキームを発表するために取引停止(1月5日から20日)となる直前の株価と比べ約96%高く、スカイワースの株主にとって十分有利な取引だ。
これはまだ計画段階であり今後、取引所への申請、中国証券監督管理委員会による審査、株主総会による決議などを経る必要がある。
紹介形式の上場であり、市場から新たに資金を調達するわけではない。また、流動株主に渡す現金が最大で25億5700万香港ドルかかるほか、上場デューデリジェンスの費用も発生する。そうまでして、上場主体を子会社に切り替える最大の理由は今後、太陽光発電システム開発事業をグループ事業の柱にするといった明確な戦略があるからだ。
