そもそも海外の富裕層相手の商売が成り立つのは、多くの海外投資家たちがパウダースノーで有名なニセコに注目し、よく訪れるようになったからだ。梅川教授が続ける。
「世界の、特にアメリカのスキーリゾートビジネスはコンドミニアムの販売が主です。もともと日本のスキー場はリフト券収入が収益の大半を占めていたんですが、海外ではコンドミニアムをいかに売るかが勝負。コンドミニアムは、オーナーが使わない時に一般の方々に使わせる管理運営会社があって、そこにオーナーは管理を委託します。収益はオーナーと管理会社が半分に分ける仕組みとなっています。
ニセコのコンドミニアムに投資すると年10%ぐらいのリターンになるといわれており、海外投資家にとって悪い運用法ではない。自分がニセコに行く時は自分が使って、それ以外の時は人に貸すというスタイルがほとんどです。
純粋に旅行に来る富裕層だけでなく、投資家たちが自分の投資したコンドミニアムの様子を見るため、つまり自らの資産の状況確認のためにニセコに訪れるパターンもあります。そのような富裕層は食べ物の値段が多少高くても気にしません」
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