うどんやそば、ラーメンなどと並んで、日本で愛される麺類のひとつとなっているパスタ。イタリア料理としてカテゴライズされるのが一般的だが、その一方で日本独自に進化している一面もある。その“日本流パスタ”の代表的な存在が、パスタチェーンの「洋麺屋五右衛門」だ。外食チェーンに詳しいフリーライターの小浦大生氏が説明する。
「パスタといえば、フォークで食べるのが当たり前ですが、『五右衛門』はお箸で食べるスタイル。メニューも和風の味付けのものが多く、スパゲティーを使った日本流のパスタ料理といえるでしょう。客層は比較的若め。立地にもよりますが、10代から20代の女性も多い印象ですね」
現在『五右衛門』は日本国内に200店舗近くが営業している。
「『五右衛門』が生まれたのは1976年。“イタ飯”などと言われてイタリア料理が日本で大ブームになったのが、1980年代後半のバブル経済のころだったので、それよりも早かったということになります」(小浦氏)
『五右衛門』のメニューは大きく分けて、「季節のおすすめスパゲティー」「元祖和風スパゲティー」「洋風スパゲティー」の3種類だ。
「『季節のおすすめ』はその名の通り季節限定のメニュー。夏場であれば冷製スパゲティーなども人気です。『元祖和風スパゲティー』は和食のテイストを感じるメニュー。明太子系や醤油系のメニューが主流で、いずれも出汁の旨味が特徴的です。『洋風スパゲティー』は、一般的なイタリア料理をベースにしたものが多く、すべての食材がイタリア直輸入。“日本流スパゲティー”とはいえども、洋風スパゲティーにはしっかりとイタリア料理のエッセンスが含まれています」(小浦氏)
大盛りも頼みやすく、お腹いっぱいに
都内に住む20代会社員の女性Aさんは、「困った時はとりあえず五右衛門」と話す。
「高校生くらいのころからずっと行っているので、安心感がある。最近は『たっぷり海老とモッツァレラチーズのトマトクリーム』を食べることが多いです。結構具沢山だし、トマトクリームソースも濃厚すぎず、食べやすい。サラダとデザートとドリンクが付く『スペシャルスイーツセット』と一緒に頼むこともあります。セットのデザートは意外と大きくて結構お得だと思います」(Aさん)
ちなみに、都内の店舗だと『たっぷり海老とモッツァレラチーズのトマトクリーム』は1100円(税別、以下同)、『スペシャルスイーツセット』は390円だ。