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「カラオケ離れ」した人たちが思い返す“カラハラ”被害に遭った日々

何がきっかけで「カラオケ離れ」に?(イメージ)

何がきっかけで「カラオケ離れ」に?(イメージ)

 6月30日、業界大手だったシダックスのカラオケ事業のホームページがひっそりと終了した。同社は2016年に大量閉店の末、2018年には事業運営から撤退を発表していた。カラオケ業界の苦境が顕在化するなか、「カラオケ離れ」に追い打ちをかけたのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。

 緊急事態宣言が解除された後も、「まだカラオケに行くのはちょっと……」と、二の足を踏んでいる人も少なくないようだ。

 その一方で、「今だから言えますが、カラオケに誘われなくなってよかった」と言う人たちもいる。彼ら/彼女らがそもそもカラオケを敬遠するようになったのはなぜか。話を聞いてみると、「大人数のカラオケでの経験」がきっかけになっている人も少なくないようだ。

 IT企業勤務の男性会社員・Aさん(20代)は、コロナ以前には、1人カラオケに月2回ペースで行っていた。それでも大人数でのカラオケは、学生時代から避けているという。

「若者がカラオケに行かないかというと、そうでもない。カラオケ離れというよりも、正確に言うと、2次会のカラオケ、オール(徹夜遊び)離れだと思うんです。週末に夜通し歌って始発で帰る、みたいなのに付き合いきれない。次の日、ずっと寝てるのが嫌なんです。それに少し前まではタバコが吸えたところがほとんどで、非喫煙者の僕には不快な空間でしかない。カラオケ=不健康というイメージでしたね」(Aさん)

 Aさんは、カラオケそのものは嫌いではないが、付き合いで行く「接待的」なカラオケで空気を読まなくてはならない時間が苦手だった。

「前職の会社では、僕は“タンバリン係”でした。先輩や上司を『よいしょ』するためだけに駆り出されて、時間もお金も無駄になるカラオケはうんざり。しかも、暗黙の了解で、全世代に汎用性のある選曲が求められる。好きなものを歌ったら、空気を読めない扱いでシラケる。後輩がやらかした場合のリカバリーが大変でした。

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