いつまでも子供扱い。娘を“支配”しようとする母
実家が裕福であっても「親ガチャ失敗」と感じる人もいるようだ。都内在住の会社員女性、仁美さん(仮名、34歳)は、母親からの過干渉に悩まされていた。現在は結婚し、夫と3歳の娘の3人暮らしである。
「父親は一部上場企業勤務のサラリーマン、母は専業主婦の家庭で育ちました。お金には苦労しない人生でしたが、幼いころから、『あなたはお母さんの子なんだから、言うことを聞くのは当然』と言われ続けて育ちました。進学先や部活動は全て母親が納得したものでないとダメ、メールの内容は全てチェックされるなどが当たり前……。
大人になってからも母親の言いつけを守っていましたが、今の夫との関係に口出しされたことをきっかけに実家を離れ、許可を得ないまま結婚しました。この頃から、母親の“支配”のヤバさに気づき始めたんです」(仁美さん)
仁美さんの母親は、夫のことを「中の下ランク」と言ったり、将来的に共働きで育児を協力しながら頑張る旨を話した際は「専業主婦にさせてくれない甲斐性なしの夫ね」などと罵ったという。
「夫に対してひどい言葉を浴びせまくった母親が、娘の誕生を機に、何事もなかったかのように接してきました。正直、初めての育児で不安なことがあったので相談したこともありましたが、自宅へ来るたびに『家具の角には保護クッションを貼りなさい』や、『ベビーフードばかり食べさせると偏食になる』など、持論を語るようになりました。
『子供が子供を産んじゃった感じで目が離せないわ〜』と言われた時、この親に頼ったのは間違いだと気づいただけでなく、気持ち悪さも感じるようになったんです」(同前)
この件をきっかけに引っ越しを敢行し、母親と物理的な距離を取った仁美さん。親子関係が解決したかと思ったものの、最近では新しい悩みも出てきたという。
「引っ越し先の児童館で、『実家と離れたら頼れる人いないし、育児大変じゃない?』と言われました。ごく普通の家庭だったら、その感覚が一般的なんだと思ったら、途端に切なくなったんです。我が子がおばあちゃんを知らない状況で育ってしまうのも良くない気がして……。こんなことで悩む日が来るとは思っていませんでした」(同前)