投資情報会社・フィスコが12月2日~12月6日のドル円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル円は下げ渋りか。日本銀行植田総裁は金融正常化方針を堅持し、目先の政策決定に関してはその時点で出そろったデータで判断するとの考えを強調。最近の日本のインフレ指標などから、12月18-19日開催の金融政策決定会合で追加利上げが決まる可能性がある。ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げは今年12月が最後になるとの見方は変わっていない。パウエルFRB議長はインフレ持続の可能性があることから、利下げを急がないスタンスでドルは売りづらい。日米金利差の大幅な縮小は期待できないことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが一段と縮小する可能性は低いとみられる。
なお、米トランプ次期政権は中国とカナダ、メキシコに対する関税強化の方針を打ち出し、今後欧州への対応も警戒される。こうした貿易面での衝突で世界経済の収縮が懸念され、リスク回避の円買い、同時にドル買いが見込まれる。ウクライナとロシアの緊張は継続しており、ユーロ売り米ドル買いが再び拡大した場合、ドル円の相場動向に影響を及ぼすこともあり得る。
【米・11月ISM製造業景況指数】(12月2日発表予定)
12月2日発表の11月ISM製造業景況指数は47.6程度と予想されている。節目の50を大幅に下回る見込みだが、市場予想を上回った場合はドル買い材料となる可能性がある。
【米・11月雇用統計】(12月6日発表予定)
12月6日発表の米11月雇用統計は失業率が4.2%、非農業部門雇用者数は前月比+20.0万人程度の市場観測。非農業部門雇用者数が市場予想を上回った場合、ドル売りは縮小する見込み。