投資情報会社・フィスコが、株式市場の12月2日~12月6日の動きを振り返りつつ、12月9日~12月13日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で883.14円高(+2.31%)の39091.17円と上昇。週初から4日続伸するなど、週を通してしっかりとした推移となった。週初、厚生労働省が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の来年度からの運用計画で、実質的な運用利回りの目標を現状の1.7%から1.9%に引き上げる案を示したことが材料視され、海外投資家を中心とした買いを観測。3日に39000円台を回復した後、3日深夜から4日未明にかけて、ユン・ソンニョル韓国大統領が突如「非常戒厳令」を宣布した数時間後に解除を表明したことで、為替市場ではリスク回避の円買いが入り1ドル148円台まで円高ドル安が進行。
為替の円高進行は自動車株などの重しとなったが、三菱重<7011>や川崎重<7012>など防衛関連銘柄の一角に思惑買いが入ったほか、配当金の再投資観測や堅調な米国株なども意識されて日経平均は11月12日以来の39600円水準まで買われた。週末こそ4連騰の影響や11月米雇用統計発表などを控えていたことから日経平均は反落したが、週を通して39000円水準では堅調推移となった。
なお、11月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1930億円売り越したほか、TOPIX先物を521億円売り越し、225先物は701億円売り越したことから、合計3152億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を1518億円買い越すなど合計で1977億円買い越し。なお、信託は現物を860億円買い越し、事業法人は2931億円買い越しており、22週連続で買い越した。
今週の日経平均は、週末に12月オプション・先物取引特別清算(SQ)値が算出されることから、需給面を意識した展開となりそうだ。11月SQ値は39901.35円だが、11月8日に算出されて以降、一度も日経平均はSQ値を付けていないことで、今週はこの水準を意識した思惑的な売買が先物を中心に入る可能性はある。東エレク<8035>や、ファーストリテ<9983>など値がさ株の動向が注目されよう。