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経済好調の東南アジア 特に資源国インドネシアは一段の成長も

何を買っても株が上がる相場から一変、株式市場の乱高下が続くなか、これから上がる株はどこを探せばよいのか? グローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏は、特に円安メリットを受けやすい銘柄として、新興国で業績を伸ばす日本企業に注目している。

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日本株を取り巻く環境は大きく変化した。アベノミクスの大きな柱であり、円安・株高を誘導する一番の特効薬である「異次元」の金融緩和策が発動。これによって大量のマネーが市場にあふれ、ほぼ確実に資産バブルが起こることが予想される。だとすれば、いまこそ日本株に投資しない手はないだろう。

この株高に火をつけた要因は、いうまでもなく円安である。そうである以上、一番注目したいテーマは、やはり円安メリットの恩恵を享受できる銘柄となる。基本的には海外売上高比率が高い企業に着目したいが、すでに成熟した市場である先進国よりは、今後の成長が見込める新興国で業績を伸ばしている日本企業に目を向けたい。

ただ一口に新興国といっても、国や地域によって事情は異なる。その筆頭である中国は、不動産をはじめとするインフレ懸念から経済成長にブレーキがかかっている状態だ。中国の旺盛な需要に支えられてきた資源価格も急落しており、その余波を受けて、資源国であるロシアやブラジルなども停滞気味となっている。同じくBRICsの一角を占めるインドもインフレによって金融引き締めに転じるほど芳しくない状況だ。

一方、着実な成長を続けているのが東南アジアである。なかでも米国に次ぐ世界第4位の人口を誇り、資源国でもあるインドネシアは、1人当たりGDP(国内総生産)が3600ドルと10年前の中国を彷彿させる。まさにこれから一段の成長が望めるインドネシアが牽引役となり、タイやマレーシアといった周辺諸国まで好影響を及ぼしている。

また、中国も経済が減速したとはいえ、成長率は7.5%と世界を見渡せば依然として高い。実際、中国ビジネスで業績を伸ばしている企業は少なくなく、まだまだ成長の余地はある。

そう考えていくと、インドネシアをはじめとする「東南アジア」、そして「中国」の売上比率が高い銘柄が有望といえるだろう。ベースとなる企業業績の好調に加えて、一段の円安が進めば、大きな飛躍が期待できるはずだ。

※マネーポスト2013年夏号

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