Aさんが応援し続けてきた「Tomorrow X Together」(Getty Images)
「日本人ファンは舐められていると感じる」
Aさん以外にも、アイドルの所属事務所や運営側に対する違和感を覚え、ファンを辞めたという人は少なくない。都内の飲食店で勤務している女性・Bさん(20代)は、こう語る。
「日本人のK-POPファンなら一度は感じたことがあると思いますが、K-POPを応援していると『日本人ファンは舐められてるんじゃないか?』と感じる機会があります。これは繊細な問題ではありますが、たとえば、世界地図が描かれたグッズに日本列島だけ記載されていなかったり、日本人メンバーだけがまったく歌割りを与えられず、カメラに抜かれないこともある。広告媒体でも最も小さく写されたり……。事例をあげればキリがないですよ。
その割に、日本人ファンは熱心にお金を使うので、市場としては重視されている。だから日本語バージョンのCDを出すアイドルがたくさんいるんです。単独コンサートだけでなく、イベントのチケットも価格設定はかなり高いです。また、メンバーと会える対面イベントも日本では多数開催されるので、その応募券のためにCDを大量に買わされたりする」(Bさん)
くわえてBさんは、物価高の影響なども相まって、推し活に使えるお金が枯渇してきたと続ける。
「とにかく、K-POPって自制しない限り、無限にお金が飛んでいくんですよ。アイドルグループ自体も増えているし、グッズや動画コンテンツなど、あまりにも供給量が多すぎて、数年するとお金も時間も、体力も、すべて枯渇しちゃう。
ちょうどコロナ禍でK-POPにハマった若いファン層が、今その限界に来ているんじゃないでしょうか。私の周りでも、『もうお金払ない』『イベント1回行かなかったら、お米が15キロ買える』と言っている友人もいますし(笑)。こんな物価高で生活も苦しいと、そろそろファンを続けるのも限界ですよね」(Bさん)
コロナ禍以降、日本でも空前のブームに発展したK-POPだが、ファンのなかには「これ以上お金は使えない」と限界を感じて、卒業を決意する人たちもいるようだ。物価高も相まってK-POP離れするファンも出てきてブーム拡大に暗雲も漂ってくるが、はたして今後はどうなるか──。
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