アメリカ軍やイギリス軍は手厚い補償
一方、米軍は、隊員のけがや殉職に手厚い補償をつけている。
「戦死者の遺族には死亡給付金10万ドルと、上限40万ドルの保険金が支払われます(日本円にすると合わせて最大7000万円)。遺族年金は働かなくても充分に暮らせる金額が一生涯支給されるだけではなく、子供がいた場合はさらに年金が付加され、学費や医療保険も付与されます。けがをした場合でも医療費や生活費、住宅の改修費まですべてを政府が補償するのです」(小笠原さん)
イギリス軍でも殉職した場合、一時金は約1億円支給され、遺族年金は妻は一生涯、子供は22才になるまで支払われるという。
小笠原さんは、外国に比べ日本の自衛官の“命の値段”が安いと警鐘を鳴らす。
「自衛隊では上官の責任を回避するため、公務災害などを認めないようにする組織風土があります。そのため、任務中にけがや障害を負っても個人の不注意として何も補償されないまま、生活に困窮している元自衛官がたくさんいます」
対外危機だけでなく、自然災害や事故など私たちの暮らしと命のために働いている自衛隊。置かれている状況への理解を深めたい。
※女性セブン2025年6月26日号