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ライフ

「隣家がうちの土地に越境していることが判明!」時効などを理由に杭の設置を拒否された場合、どうすればいいのか? 弁護士が指摘する“4つの問題”

境界を示す杭すら設置できないなんて…(イラスト/大野文彰)

境界を示す杭すら設置できないなんて…(イラスト/大野文彰)

 しばしば近隣トラブルの原因となるのが、隣地との境界線だ。境界をはっきりさせるために杭を設置する選択肢もあるが、もしも隣家の住人がそれを拒否した場合、どうのようにして問題を解決すればいいのか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 先日、隣家立ち会いのもと、測量士が隣地と当家の境界線を測量し、隣家の越境が判明しました。隣家の人が公道へ出る際にうちの土地を通らざるをえないという事情もあり、隣家の息子から次のような要求をされました。

「親が住んでいる間はあなたの土地を通行させてもらう」「土地の境界に塀を作るな」「そもそも20年経っているんだから時効で、越境は成立しない」

 境界を示すための杭をいまだ設置できない状態です。どうしたらよいのですか。(愛知県・59才・主婦)

【回答】
 課題は次の4つです。

【1】隣地との境界の確認
【2】確認された境界への標識の設置
【3】隣地所有者の時効主張
【4】公道までの通行要求への対応

【1】は、測量結果が隣地所有者と共に納得できる内容であれば解決します。納得いかなければ、筆界特定制度[※]を利用できます。それでも気に入らなければ境界確定の訴えを起こせます。

[※「筆界特定制度」とは、土地の所有者などの申請に基づき、筆界特定登記官が筆界(公法上の境界)の位置を特定する制度のこと]

 境界が決まった後、土地所有者は共同の費用で境界の標識を設置できます。越境している建物や塀などをすぐに取り壊さず、将来の建て替え時に越境部分を返すなどの約束を交わし、標識の設置を遅らせることもできます。しかし、隣家が時効の主張をし、塀を作るなと言うようでは難しいでしょうから、【2】は無理です。

次のページ:【3】は他人の土地を所有の意思をもって一定期間占有することで成立

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