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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】上新電機 Research Memo(5):2025年3月期は修正計画を下回り着地、販売低迷に加えてコスト上昇が重石

*12:05JST 上新電機 Research Memo(5):2025年3月期は修正計画を下回り着地、販売低迷に加えてコスト上昇が重石
■上新電機<8173>の業績動向

1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.1%減の403,259百万円、営業利益が同55.9%減の3,688百万円、経常利益が同57.7%減の3,491百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同30.3%減の3,407百万円と、減収減益となった。2024年10月25日には期初計画の下方修正を発表し、売上高は修正後計画を上回ったが、すべての利益項目において修正後の計画を下振れての着地となった。

売上面は携帯電話、エアコン、リフォーム部門が堅調であったものの、主力の大型家電やゲームなどエンターテインメント関連分野の販売が振るわず、全体では減収となった。品種別の売上高の増減率を見ると、携帯電話は同28.6%増、エアコンは同5.5%増と伸長した一方で、テレビは同7.4%減、冷蔵庫は同9.0%減、洗濯機・クリーナーは同3.9%減、パソコンは同4.1%減、ゲーム・模型・玩具・楽器は同11.4%減と、主要品種の多くが前期割れとなった。利益面については、営業利益の増減要因を見ると、売上総利益が29億円減、人件費が6億円増、家賃・地代が6億円増、物流費が7億円増であり、コスト面の増加も目立った。販売不振によりこれらのコストを吸収することができず、大幅な減益に陥ったと見られる。

十分な財務安全性を有する、在庫の流動性も改善

2. 財務状況と経営指標
2025年3月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,272百万円減少の231,503百万円となった。流動資産合計は現金及び預金、売掛金の増加などにより同1,163百万円増加したが、固定資産合計は同2,436百万円減少した。その内訳は有形固定資産が同1,934百万円減少、投資その他の資産が投資有価証券の売却により同1,570百万円減少した。負債合計は同1,325百万円減少の126,837百万円となった。固定負債合計は長期借入金の増加などにより同2,692百万円増加した一方で、流動負債合計は有利子負債の減少などにより同4,016百万円減少した。純資産合計は同52百万円増加の104,665百万円であり、前期末並みとなった。

2025年3月期末の主な経営指標を見ると、同社の財務体質は依然として良好であり、バランスシートの健全性が維持されていることが窺える。自己資本比率は45.2%と十分な水準であることに加え、流動比率は155.4%であり、短期的な債務返済能力にも問題はない。有利子負債から現金及び預金を控除して算出されるネットデットは、前期末比10,896百万円減少しており、自己資本や内部資金による経営が強化されている。在庫の効率的な運用を示す棚卸資産回転日数は前期比7.2日短縮されており、関西茨木物流センターやアウトレット店舗を活用した在庫管理の取り組みにより、在庫の流動性が改善している。在庫管理の精度が向上しているとともに、キャッシュ・フローの効率性も高まっていると評価される。同社は健全な財務基盤を維持しながら、資産効率や資金調達構造の最適化にも注力しており、中長期的な企業価値の向上に向けた経営姿勢が財務面に反映されているといえよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)

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