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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】リソル Research Memo(6):セグメント別ではホテル運営事業など宿泊施設が好調

*13:06JST リソル Research Memo(6):セグメント別ではホテル運営事業など宿泊施設が好調
■リソルホールディングス<5261>の業績動向

2. セグメント別の業績動向
売上・利益両面でインバウンド需要拡大の恩恵を受けたホテル運営事業が業績全般に貢献し、「入間カントリー倶楽部」が通期寄与したゴルフ運営事業は売上面で、リソルの森事業と福利厚生事業は利益面での貢献が大きかった。

ホテル運営事業の売上高は14,888百万円(前期比20.5%増)、経常利益は2,514百万円(同90.9%増)と、好調に推移した。各ホテルにおいてアジア・欧州など地域特性に応じたプロモーション施策を積極的に展開した結果、旺盛なインバウンド需要を取り込み、客室単価・稼働率がともに向上し、業績は好調に推移した。主力ブランドである「リソルホテルズ」では、“物語のあるホテル”をコンセプトにサービスと品質の向上や朝食メニューの充実を図り、上質な“ツーリストホテル”としてのブランド展開を進めた。インバウンド観光客向けには、書道や舞妓の舞、忍者ショーなどホテル館内での日本文化体験イベントの開催や周辺情報の案内冊子の提供、専任スタッフ「サービスコーディネーター」による同クラスのホテルにはないコンシェルジュサービスを通じて、顧客ニーズの対応を進めた。新規事業のリソルステイ事業では、「スイートヴィラ」の施設を好調な高級なタイプに入れ替えつつ、関東でのドミナント展開を進めた。利用ニーズに応じて選べる3つの滞在パターン(ウイークリー・マンスリー・デイリー)を訴求した結果、リゾート地での避暑・避寒目的の中長期利用や、インバウンドや大人数の利用、リピーターやペット連れの利用が増加し、宿泊数は順調に増加した。また、ニーズの強いエリアやグレード感、閑散期の対処法などノウハウが蓄積され、ビジネスとしての形ができあがりつつあると言える。

ゴルフ運営事業の売上高は8,357百万円(前期比3.1%増)に留まり、経常利益は933百万円(同11.2%減)と減益になった。前期に取得した「入間カントリー倶楽部」の運営が通期で寄与したものの、夏の猛暑や台風、2月~3月の天候不順など気象の影響を受けた。

ゴルフ運営事業では、コース・クラブハウスの上質化やホスピタリティの強化などを図り、個性を残しつつゴルフ場全体の品質向上に努めたことで、客単価の上昇と会員権販売の増加につながった。また、インバウンド集客のための専門チームを新設し、空港送迎や旅行代理店との提携などホテル運営事業のノウハウを横展開するという独自の取り組みを推進した。この結果、フェアウェイフロントヴィラ事業を7棟展開する「瀬戸内ゴルフリゾート」では、韓国を中心としたアジア諸国からの宿泊を伴うゴルフの利用が好調となった。これを受け同社はフェアウェイフロントヴィラ事業をさらに強化する方針で、2027年3月期に開業予定の「大熱海国際ゴルフクラブ」ではヴィラ10棟、「瀬戸内ゴルフリゾート」でも新たに広い客室を持つ宿泊施設を建設する計画である。

リソルの森事業の売上高は3,974百万円(前期比8.6%増)、経常利益は304百万円(同24.9%増)となった。リソルの森事業では、体験型リゾート「Sport & Do Resort リソルの森」の運営に加え、エリア内の不動産や会員権の販売を積極化した。ゴルフ部門(「真名カントリークラブ」)では、コースのメンテナンスやクラブハウス内施設の更新などサービスの上質化に努めたことで、客単価の上昇や、ゴルフバケーションクラブ会員権「トリニティ書斎 プレミアムスイートタイプ」の販売促進につながった。また、リゾートエリアに滞在しながらゴルフを楽しむ「ゴルフ&ステイプラン」で空港間の送迎を開始し、インバウンド観光客から多くの利用があった。リゾート部門では、2024年10月に開業した愛犬と泊まれるペットヴィラ「Dear Wan Spa Garden」が好調で、稼働率・客単価・客室単価ともに計画を大きく上回った。グランピングエリアのグランヴォー スパ ヴィレッジなども順調に推移した。企業研修向けでは、会議や研修に特化した総合カンファレンスホテル「ハイブリッドコモンハウス」を開業し、人材投資意識の高まりから企業研修の受注が大幅に増加した。スポーツ合宿などの利用や各種プログラムに付帯する売上も好調であった。

福利厚生事業の売上高は965百万円(前期比6.8%増)、経常利益は62百万円(同36.2%増)となった。福利厚生事業では、独自の3つのプランを強みに、新規顧客の開拓に注力した。また、横断検索や予約が可能なシステムへ一新したほか、TVCMなどのプロモーション活動など営業活動を積極化した。さらに、既存会員の利用促進を図るため、新たなサービスメニューの開発と利便性向上に努め、大手旅行会社と提携した効果により、メニュー数は急増して258万プランと業界最大級のメニューとなった。トップ企業が大手生命保険会社に系列化された業界動向のなか、同社では大手金融機関との連携を生かした契約が増加し、新規契約件数・手数料収入ともに伸長した。

再生エネルギー事業の売上高は103百万円(前期比6.3%増)、経常利益は53百万円(同138.7%増)となった。売電事業において、リソルの森の施設内で1.5MWの太陽光発電設備の運営と、年間約140万KWの売電を実施した。自家消費型事業では、ゴルフ場にソーラーカーポートを設置する事業としては4ヶ所目となる「入間カントリー倶楽部」が2025年2月に稼働を開始した。

投資再生事業の売上高は111百万円(前期比81.3%減)、経常利益は22百万円(同95.2%減)と、大幅な減収減益となった。これは、ポートフォリオ経営の観点から同事業が現在「仕入れ期」にあるためである。事業活動としては、福島県にある旧ゴルフ場の所有地の一部を販売用不動産として太陽光発電事業者へ売却した。また、オファーが増えている新規運営施設の仕入れは、市場環境を見据えながら検討を進めた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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