先週の日経平均は週間で568.98円高
投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月16日~6月20日の動きを振り返りつつ、6月23日~6月27日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で568.98円高(+1.50%)の38403.23円で取引を終了。前週末にかけては、イスラエルのイラン核施設への攻撃、イランによる報復など中東情勢緊迫化への懸念が台頭して売り優勢となっていたが、先週は週初から、株式市場への過度な影響懸念が薄れる展開となった。結局、日経平均は25日移動平均線が下支えする形になっている。
米国の軍事介入の可能性も高まるなど、中東情勢は緊迫化の度合いを増しているが、ホルムズ海峡封鎖などのリスクが顕在化しなければ株式市場への影響は限られるとの安心感も強まり、週半ばにかけては買い戻しが先行する展開となった。ただ、不透明感は完全には拭いきれず、週後半にかけては上値が重くなっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長会見では、今後数カ月のインフレを想定していると警告され、戻り売り圧力を強めさせる形にもなったようだ。一方の日銀金融政策決定会合では、追加利上げを急がない姿勢が示され、円安・株高要因につながった。
なお、6月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を969億円買い越したほか、先物を2000億円買い越したことから、合計2969億円の買い越しとなった。9週連続での買い越しとなっている。一方、個人投資家は現物を188億円売り越すなど合計で261億円売り越した。そのほか、事業法人が合計で3270億円買い越した半面、信託は合計で3718億円の売り越しだった。
トランプ米大統領は19日、イスラエルとイランの紛争に米国が直接関与するかどうか今後2週間以内に決める考えを示している。米国の参戦、あるいは停戦に向けた交渉の開始など、近く中東情勢には大きな変化が生じる可能性は高いだろう。米国が参戦した場合、イランによるホルムズ海峡封鎖も現実味を帯びてくるが、仮にこうしたリスクが顕在化したとしても、短期的な影響にとどまる公算が大きい。一時的なリスクオフに傾いたとしても、株式市場への影響は限られるとの楽観的な見方がすぐに台頭しやすいと考えられる。原油相場が調整色を強める流れとなれば、株式市場の一段高へとつながっていこう。
当面の焦点はやはり、関税政策による米国の景気動向やインフレ動向となろう。ここまでの経済指標からは影響が見られていないが、どのタイミングでそれが顕在化してくるのか、しばらくは経済指標などを注視したいところ。今週も米国では、PMIやマインド指数、PCEコアデフレーターなどのインフレ指標の発表がリスク要因となってくる可能性はある。