年内に「日経平均5万円」も視野か(写真:イメージマート)
トランプ関税ショックが和らぎ、不透明感の薄れた株式市場は日経平均株価が4万円台を回復する局面もあった。8月1日に発表された米国の雇用統計を受けて米景気悪化への懸念も出ているが、この先の日経平均の動きはどうなるのだろうか。アナリストやストラテジストとして50年以上金融市場を見てきた武者リサーチ代表の武者陵司氏は「年内に5万円まで上がる条件が揃っている」と見る。
「現在、日本株を買う主体は大きく2つあり、1つは企業による自社株買い。海外からの批判もあって、貯め込んだ内部留保で増配や自社株買いといった株主還元策に乗り出す企業が急増している。自社株買い主体の企業による株式購入は昨年の22兆円から今年は30兆円に迫ると見ています。
もう1つは外国人投資家。昨年8月、日銀の利上げを機に株価が暴落した“植田(和男・日銀総裁)ショック”で売りすぎた日本株を彼らは買い戻している」
企業や外国人の買いは政治的要因でさらに後押しされる可能性もある。
「ドイツは緊縮財政から積極財政に転換して株価を大きく上げた。日本も政権が代わり、減税などの積極財政が打ち出されれば、日経平均は5万円どころか、2年で6万円まで上がる可能性があります」(武者氏)
そうしたなか、金利が上がっているとはいえ銀行預金ではお金も大きく増えない。武者氏は「リスクを取って投資しないと、置き去りにされると考えます」と説く。
具体的に年末までに株価上昇が期待できるのはどのような銘柄か。関連記事《総資産96億円超の億り人20人が厳選「2025年末までの注目銘柄40」を大公開! シゲルさん、桐谷広人さん、かんちさん、配当太郎さん…オールスター勢揃い》では、急成長見込み、高配当から充実の優待まで、最新注目銘柄の数々を紹介している。
※週刊ポスト2025年8月15・22日号