「株式市場の大底サイン」をどう見抜くか(イメージ)
「個人投資家が戦うべき相手は、機関投資家ではありません。ベンチマークです」──そう語るのは、長きにわたって個人投資家向けレポートを提供するカブ知恵代表・藤井英敏氏だ。
2008~2009年にかけて雑誌『マネーポスト』誌上で連載された情報量満載の株コミック『俺がカブ番長!RETURNS』の監修を担当した藤井氏は、「勝てる個人投資家」になるためには、何が必要だと考えているのか。
そもそもベンチマークとは、機関投資家が運用成績を判断するための基準となる指標のこと。日本株においては、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価など、市場全体の値動きを表わす指数が用いられる。
「個人投資家と異なり、他人から預かった資金を運用する機関投資家は多少負けても痛くない。たとえ絶対的なプラスにならなくとも、いかにベンチマークに負けなかったかを証明できればいい。彼らが勝負しているのはベンチマークであり、例えばTOPIXが10%下がった時に自分のファンドが9%しか下がらなければ1%の勝ちとなるのです」
“株式市場の大底サイン”を見抜くための3つのポイント
では、個人投資家がベンチマーク(=日経平均株価)に勝つためにはどうすればよいか。藤井氏は以下の3つのポイントをチェックして、“株式市場の大底サイン”を見抜き、そこからの反転チャンスを掴むことが大切だとアドバイスする。
【1】「信用評価損益率」がマイナス20%を下回ってくれば、信用取引で追証に追い立てられた投資家が株を投げ終わったと判断することができる。日経新聞に毎週木曜日掲載される。
【2】「騰落レシオ」が60割れ。騰落レシオが70を下回れば売られすぎのサインだが、さらに60割れとなれば相場全体が冷え切っていることを示す。
【3】「200日移動平均線」または「26週移動平均線」がチャート上で現在の株価からマイナス17~18%に達すると底入れが近いと考えられる。中長期的なトレンドよりも大きく下がっていれば割安な水準といえる。
「この3つのなかでも、特に【1】の信用評価損益率は重要です。これがマイナス20%となったら他の2つを見て、どちらか1つでも当てはまったら、大底からの反転チャンスと言えるでしょう。ただし、そうした好機はめったに来ないので、焦らずに待ち続けることが重要です」
藤井氏は、個人投資家にとって「株式市場は毎日が試験みたいなもの」と語る。
「毎日勉強している投資家がいるなかで、まったく勉強しない投資家が勝てるわけはありません。せっかくいいゴルフクラブを買っても、一度も練習しないで『100を切りたい』っていっているようなもので、やはり勉強している投資家は強い」
もちろん、個人投資家が知っておくべき知識やテクニックは、これに限らず数多い。マネーポストWEBの関連記事『俺がカブ番長!』では、藤井氏監修のもと、勝てる投資家になるためのあらゆる手段をコミック形式で紹介している。第1回では、株式市場の大底サインの見分け方について詳細に解説している。