*19:07JST 16日の香港市場概況:ハンセン指数は3日ぶり小反落、米中の通商摩擦などが足かせ
16日の香港市場は3日ぶりに小反落。主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前日比8.05ポイント(0.03%)安の26438.51ポイントで引けた。一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は1.63ポイント(0.02%)高の9386.39ポイントと小幅ながら3日続伸した。売買代金は2940億6910万香港ドル(約5兆5461億円)となった。
前日の米株高や米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が香港市場を午前中に押し上げた。一方、中国本土からの資金による利益確定売りが重荷となり、小幅反落で引けた。米中の通商摩擦やティックトックを巡る枠組みなど、政策面の不透明感が投資家心理を抑制。さらに、中国当局による独占禁止法調査の動きもリスク要因として意識された。前日に本土株が上昇した反動で、電子商取引やハイテクを中心に売りが入りやすくなった。一方で、海外市場の堅調さと流動性の潤沢さが下支え役となり、急激な売り崩れには至らず。結果としては、指標は小幅安で引け、取引終了間際に上昇分を手放す形で下落に転じた。
ハンセン指数の構成銘柄では、ヘルスケア関連の下げが目立った。中でもJDヘルス(6618/HK)は5.82%安と大幅安となり、アリババヘルス(0241/HK)は3.89%安、シノバイオファーマ(1177/HK)も2.18%安に沈んだ。背景には、当局による薬価引き下げ政策や利益圧縮への懸念が再燃したことがある。加えて、医薬品業界の競争激化や研究開発費の増大が収益性への不安を強めたことで、投資家のセンチメントが悪化した。
次いで売り込まれたのは不動産関連で、広州富力地産(2777/HK)が8.0%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.7%安、新鴻基地產(0016/HK)が1.34%安、ロンフォー・プロパティーズ(0960/HK)が1.69%安、恒安国際集団(1044/HK)が1.00%安となった。
反面、買いが集まったのは一部消費関連およびテクノロジー関連で、トリップドットコム(9961/HK)は4.09%高、シュンズウ・インターナショナル(2313/HK)は3.51%高、ミートゥアン(3690/HK)は3.03%高と堅調だった。観光・外食・ネット関連サービスへの需要拡大が評価されたことが背景にある。また、自動車関連のジーリー(0175/HK)も3.20%高と買われ、個人消費の底堅さや政策支援への期待感が相場を支えた。
中国本土市場は3日ぶりに小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04%高の3861.87ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。不動産、自動車、インフラ建設なども買われた。一方、資源・素材は安い。銀行・保険、消費銘柄なども売られた。
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